東日本大震災(東北関東巨大地震)
2011年3月11日、午後2時46分、マグニチュード9.0という、とてつもない巨大地震が日本の東北・関東地方の太平洋沿岸を襲いました。
世界最大級の巨大地震が、日本にふいに襲って来ました。地震後には巨大な津波が押し寄せて、逃げ切れなかった人々を飲み込んでしまいました。
また、福島第一原子力発電所の事故も起き、日本は今までに経験したことのない災害に見舞われています。日本人の心を一つにして、この東日本大震災を乗り越え復興への道を歩みたいと思います。
東日本大震災の地震の大きさは、マグニチュード9.0、最大震度7
東日本大震災(東北関東巨大地震)では、周期1~2秒の地震波があまり強くなかったことが、筑波大学の境有紀教授(地震防災工学)による地震波の分析でわかったそうです。
周期1~2秒の地震波は、木造住宅や中低層の建築物に大きな影響を与えます。この度は世界最大級のマグニチュード9.0、最大震度7という規模でしたが、揺れによる建物被害が少ない可能性が高いそうです。
今回は、周期1秒以下の波に比べ、周期1~2秒の波が弱かったそうです。震度7を記録した宮城県栗原市、震度6強の仙台市での周期1~2秒の波の強さは、阪神大震災(約30万棟が全半壊した)の時の被災地に比べ2~3割程度だったようです。
周期1秒以下の地震波が強いと、室内にある物は揺れるが、建物には影響が少ないそうです。
死者の多くは津波被害の激しかった沿岸部に集中しています。内陸部では、数十人程度と見られています。
地震の規模が大きくなると1秒以上の周期が多くなるとする常識と異なっているそうです。これまでにない現象で、謎が多いと専門家は言っています。
世界の巨大地震
- マグニチュード9.5・・・1960年、チリ地震
- マグニチュード9.2・・・1964年、アラスカ地震
- マグニチュード9.1・・・2004年、スマトラ沖地震
- マグニチュード9.0・・・2011年、東日本大震災(東北関東巨大地震)
- マグニチュード9.0・・・1952年、カムチャツカ地震
- マグニチュード9.0・・・1868年、チリ地震
- マグニチュード9.0・・・1700年、カナダ南西部からカリフォルニア州北部地震
日本で起きた巨大地震(時系列)
- 684年11月29日白鳳地震(南海地震)M8.0?8.3、死者多数。土佐では津波により田園(約12km2)が海面下へ沈下。地質調査によればほぼ同時期に東南海・東海地震も発生。
- 869年7月9日貞観三陸地震M8.3?8.6、地震に伴う津波の被害が甚大で死者約1,000人。多賀城損壊。津波堆積物調査から震源域が岩手県沖?福島県沖、または茨城県沖の連動型超巨大地震の可能性も指摘。
- 887年8月26日仁和地震(南海地震)M8.0?8.5、京都・摂津を中心に死者多数。津波あり。地質調査によればほぼ同時期に東南海・東海地震も発生。
- 1096年12月17日永長地震(東海地震)M8.0?8.5、死者1万人以上と推定。東大寺の鐘が落下、伊勢・駿河で津波による大きな被害など。
- 1099年2月22日康和地震(南海地震)M8.0?8.5、死者数万と推定。土佐で津波により大きな被害。興福寺、天王寺も被害。
- 1360年11月21日・22日紀伊・摂津地震(東南海地震?)M7.5?8.0、死者多数。津波あり。
- 1361年8月3日正平・康安地震(南海地震)M8.0?8.5、死者多数。摂津・阿波・土佐で津波により大きな被害。
- 1498年9月20日明応地震(東南海・東海地震)M8.2?8.4、死者3万?4万人以上と推定。伊勢・駿河などで津波により大きな被害、浜名湖が海と繋がる、鎌倉高徳院の大仏殿が押し流される。地質調査によればほぼ同時期に南海地震も発生。
- 1586年1月18日天正大地震(東海東山道地震、飛騨・美濃・近江地震)M7.8?8.1、死者多数。飛騨・越中などで山崩れ多発、白川郷で民家数百軒が埋まる。内ヶ島氏、帰雲城もろとも滅亡。余震が1か月以上続く。
- 17世紀前半津波堆積物の分析から、この時期に千島海溝南部(十勝沖から根室沖まで)を震源とするM8.6クラスの地震が発生したと推定される。
- 1605年2月3日慶長地震(東海・南海・東南海連動型地震)M7.9?8、関東から九州までの太平洋岸に津波、紀伊・阿波・土佐などで大きな被害。八丈島でも津波による死者数十人。死者1万?2万人と推定されるが、津波以外の被害はほとんどなかった。
- 1611年12月2日慶長三陸地震M8.1、死者約2,000?5,000人。
- 1703年12月31日元禄地震(元禄関東地震)M8.1、死者5,200人(20万人とも)。関東南部に津波。
- 1707年10月28日宝永地震(東海・南海・東南海連動型地震)M8.4?8.7、死者2,800?2万人以上、倒潰・流出家屋6万?8万軒。関東から九州までの太平洋岸に津波、伊豆・伊勢・紀伊・阿波・土佐などで大きな被害。地震から49日後に富士山の宝永大噴火。道後温泉の湧出が数ヶ月間止まる。
- 1771年4月24日八重山地震(明和の大津波)M7.4?8.0、死者約12,000人。最大波高85m。
- 1793年2月17日三陸沖で地震(連動型宮城県沖地震)M8.0?8.4、死者100人程度、陸中から常陸にかけて津波。
- 1843年4月25日十勝沖地震M8.0、死者46人。厚岸に津波。
- 1854年12月23日安政東海地震(東海・東南海地震)M8.4、死者2,000?3,000人。房総半島から四国に津波、特に伊豆から熊野にかけて大きな被害。ロシア船ディアナ号沈没。翌12月24日安政南海地震M8.4、死者1,000?3,000人。紀伊・土佐などで津波により大きな被害(串本で最大波高11m)。大坂湾に注ぐいくつかの川が逆流。道後温泉の湧出が数ヶ月間止まる。安政東海・南海地震は32時間の時間差で発生した。両地震による死者の合計は約3万人との説もある。余震とみられる地震は9年間で3,000回近く。12月26日豊予海峡で地震M7.4。東海・南海と併せ、4日間で3つの巨大地震が発生。
- 1891年10月28日濃尾地震M8.0、死者・行方不明者7,273人。根尾谷断層の発生。
- 1896年6月15日明治三陸地震M8.2?8.5、死者・行方不明者2万1,959人。
- 1911年6月15日喜界島地震M8.0、死者12人。
- 1918年9月8日千島列島ウルップ島沖で地震M8、死者24人。
- 1923年9月1日大正関東地震(関東大震災)-M7.9、死者・行方不明者10万5,385人(日本災害史上最悪)。
- 1933年3月3日昭和三陸地震M8.1、大津波発生、死者・行方不明者3,064人。
- 1946年12月21日昭和南海地震和歌山県沖~四国沖、M8.0、死者・行方不明者1,443人、房総から九州にかけて津波。
- 1952年3月4日十勝沖地震M8.2、死者・行方不明者33人。北海道から東北に津波。
- 1958年11月7日択捉島付近で地震、M8.1、太平洋岸各地に津波。
- 1963年10月13日択捉島沖で地震M8.1、三陸沿岸で津波。
- 1994年10月4日北海道東方沖地震M8.2(旧M8.1)、北海道道東で最大震度6、死者・行方不明者は北方領土で11人。
- 1995年(平成7年)1月17日午前5時46分淡路島北部(あるいは神戸市垂水区)沖の明石海峡(北緯34度35.9分、東経135度2.1分、深さ16km)を震源として、M7.3、阪神・淡路大震災震が発生。死者は6434人、行方不明3人。被害額9.9兆円
- 2003年9月26日十勝沖地震、本震はM8.0、北海道で最大震度6弱、死者2人。同日発生の最大余震もM7.1、最大震度6弱。2mを超える津波が来襲し2人が飲み込まれ、後に1人が遺体で発見された。
- 2011年3月11日14時46分頃 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)Mw9.0(M8.4、日本の地震観測史上最大)。宮城県栗原市で最大震度7。その他の東北・関東地方の7県で震度6弱以上を観測。死者・行方不明者2万人以上。戦後最悪の震災。北海道から関東地方にかけて太平洋沿岸部への大津波で甚大な被害。福島第一原子力発電所事故を招く。3月11日以降の数日間に震源域から離れた場所で発生した地震も、誘発させた可能性が指摘。
Wikipediaの地震の年表から約M8以上を拾い上げました。1923年9月1日の関東大震災は、死者・行方不明者10万人以上という日本災害史上最悪の地震なので、特に取り上げています。
こうしてみると、東海・南海・東南海連動型地震は日本の長い歴史の中で何度も起きていることなのですね。北海道でも特に十勝沖地震も目立っています。
今年東日本大震災が起き、また福島第一原子力発電所事故の終息に力を注いでいる中で、東海・南海・東南海連動型地震が起きたら日本はどうなるのでしょうか。心配でもあります。事前に静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所の全面停止を菅総理大臣が要請し、中部電力が受諾したことを、安堵された方も多かったと思います。
この夏の猛暑を少ない電力で乗り切るには、国民みんなの智恵が必要となりそうです。今からゴーヤや朝顔などの緑のカーテンの種を植えれば間に合います。多くの人の、小さな努力の積み重ねが大切になってくると思います。元気でこの夏を乗り切りましょう。
地震保険楽天 に入っていた方の連絡先
地震保険に入っていた方で、どこの保険会社かわからなくなった方は、以下の電話窓口で相談にのってくれるそうです。
0120-107-808とりあえず、連絡して相談されてはいかがでしょうか。携帯・PHSからの連絡先は 03-3255-1306となっています。
保険会社への連絡は被災から3年までは認められるそうですが、早めに連絡しておいた方が安心できますね。
また、保険会社の方から被災者さんの方へ出向いていくこともあるようです。保険会社もまた保険に入っていますし、国の保証もありますから、保険金は受け取れるそうです、安心してください。
東日本大震災の地震保険の支払いなど
東日本大震災の地震保険の支払額は、5月12日までで、計6700億円となっているそうです。
地震保険は、1964年の新潟地震から始まったそうです。火災保険では、地震や津波の被害が補償されないことが問題となり、被災者の生活安定を目的に作られました。
当初は住宅と家財のの合計で150万円が上限でしたが、阪神大震災後に現行の住宅5000万円、家財1000万円に拡充されました。しかし、住宅や家財の価値の半額までという上限はあります。
日本損害保険協会によると、都内の平均的な新築一戸建てで、住宅本体の価値は2000万円程度で、住宅の契約上限は1000万円くらいになるようです。
被災者の住宅再建には、最大300万円を支給する国の支援制度もあります。これに、地震保険の支払いを足しても、全壊した住宅を建て直すのは難しいです。
また、地震保険は保険料が高すぎるとの声があります。木造住宅に1000万円の地震保険をかけると、地震のリスクが高い東京都や愛知県では、基本保険料は年3万円強となり、最も安い県でも1万円はかかるそうです。
この度のように多数の被害者を補償するには、民間損保だけでは限界があるので、支払い総額が1150億円を超えると、国の特別会計が保険金の50~95%を負担する仕組みが設けられています。
今回の支払い総額は9700億円にのぼる見通しです。この金額なら、民間の準備金と特会の積立金で十分に賄えるそうですが、原資は大幅に目減りします。次への震災へどう備えるかが、課題となっています。2011.5.14読売新聞社説より
巨大津波の被害、予測を超えた大津波(東日本大震災)
3月29日のテレビニュースでは、大船渡市の海岸から450m離れた場所では、津波の高さは23.2mにもなっていたと言っていました。海岸部から奥へ行くほど平野部が狭くなった地形だそうです。岩手、宮城、三陸海岸にも津波が20mを超えた所がありました。
2012年2月のNHKのニュースによると、福島県内の原発に近い地域で津波が21mにもなっていたことがわかりました。放射能警戒地域である富岡町では、津波の高さが21.1mでした。双葉町は16.5m、浪江町は15.5mでした。原発の近くでは、北からの津波と南からの津波が重なって大きくなったと見られています。
三陸海岸沿岸では、1960年のチリ地震(マグニチュード9.5)の時には、日本国内で142人の津波被害者を出したのを始め、多くの津波被害に見舞われました。そこで、次の地震に備えてギネス級の防波堤を整備するなど、先進的津波対策をしてきました。
しかし、世界最大級のマグニチュード9.0の猛威は、巨大な津波を起こし防波堤を超えて一瞬で多くの人々を、家を、仕事場を、田畑を飲み込んでしまいました。
「まさか、ここまでは津波は来ないと、みんなが思っていた」と、被災者の方は話しています。
東日本大震災被害情報、2011年12月22日現在(Wikipedia等参照)
死者 1万5843人
行方不明 3469人
建物 35万戸以上(全壊・半壊を合わせて)
漁船 2万2000隻以上、 漁港 300以上、 農地 2万3600ha
被害額 16兆~25兆円
ピーク時の避難者 40万人以上、 停電世帯 800万戸以上、 断水世帯 180万戸以上
比較として、阪神・淡路大震災(1995年1月17日午前5時46分)の被害
死者 6434人
行方不明 3人
建物 約25万戸(全壊・半壊を合わせて) 約46万世帯に及びます。
漁船 40隻、 漁港 17、 農地 213.6ha
被害額 9.9兆円
東日本大震災被害情報、2011年3月28日午後9時現在
被災者の方達は、氷点下になる場所で、灯油も少なく暖房も効かない寒い場所で過ごしておられます。食べ物も1日2食の所もあるとか聞きます。高齢の方が多いと思います。温かい食事、温かい寝床が早く実現できることを祈っています。
死者 1万1004人
行方不明 1万7339人
負傷 2778人
建物 14万7739戸
東日本大震災被害状況 2011年5月9日
死者 1万4919人
行方不明 9893人
避難者 11万8786人
東日本大震災募金について
東日本大震災の被災者の方々に少しでも役立てて欲しいと、様々な場所で寄付金や義援金の募金に参加されていることと思います。
そんな中、早々に義援金詐欺などと、寄付者の気分を損なうような卑劣な行為がニュースなどで伝わって来ました。
読売新聞に、街頭募金をする際の注意点やあやしい募金の見分け方などが出ていました。
東日本大震災の被災者の方々への支援は、本当の復興に至るまで長く続ける必要があります。これは、日本の再生でもあります。
街頭募金する際の主な注意点
- 募金の使途・寄付先を明示し、呼びかけの際にも説明する
- 実施主体の名称、所在地、電話番号などを掲示する
- 活動するスタッフ全員が、1、2について説明できるようにする
- 募金活動の日時、場所、結果などを可能な限り公開する
- 寄付先を適切に選択する
こんな団体に、募金すると安全のようです。
あやしい募金の見分け方の目安
- 上記の5項目ができていない
- 責任者が明確ではなく組織的な統制がとれていない
- 団体の名称などをインターネットで検索しても出てこない。ホームページがあっても、団体の収支などの基礎的な情報が掲載されていない
「ブレーンヒューマニティー」のブログを基に読売新聞が掲載した記事です。