確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)
確定拠出年金は、2001年から企業も導入し、417万人が加入しているそうです。
今、世界的な金融不安のせいもあり、元本割れを起こしている人も多いようです。また、本人も奥さんもあまり関心のない方も多いとか。しかし、老後の大切なお金ですから、少し勉強して運用することで、日本の経済や世界の動向も少し身近になると思います。
確定拠出年金とは
確定拠出年金(かくていきょしゅつねんきん)とは、私的年金の一つで現役時代に掛け金を確定して納め、その資金を運用し損益が反映されたものを老後の受給額として支払われる年金です。
確定拠出年金の特徴は、年金資産を加入者が自分で運用し、その結果の損益に応じて年金額が決定されるところにあります。
年金資産が個人別に区分され、残高の把握や転職時の資産の移行が容易に行えます。企業規模を問わず実施することが可能です。
自営業者等が各個人で掛け金を支払う「個人型年金」と、企業が掛け金を支払う「企業型年金」の二通りがあります。また、公務員と専業主婦等(第三号被保険者)は加入できません。
2001年から企業も導入し、417万人が加入しているそうです。従来型の企業年金は、会社が運用し年金として元社員に渡していました。
確定拠出年金(日本版401k)は公的年金に上乗せされる新たな制度として2001年の10月に導入されました。 制度導入後、加入企業と加入者は年々増加していますが、制度の大きな特徴である資産の移換手続きを行わない加入者が、2009年10月末で19万人、資産額が400億円を上回るという状況のようです。
確定拠出年金の特徴
拠出された掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額を元に年金給付額が決定される年金制度です。公的年金に上乗せされる部分の新たな選択肢として2001年の10月に導入されました。
確定拠出年金の特徴は、
- 資産運用楽天 の判断は加入者自身が行います。
- 離職、転職時に自分の年金資産を移換することが出来ます。
- 掛金は非課税です。
- 原則60歳まで途中引き出しが出来ません。
- 投資教育が必要です。
企業側の問題点とは
「投資教育」は企業の義務(確定拠出年金法第22条)ですが、導入時教育・継続教育も含めて加入者に対して十分に行っているかどうか検証されていません。
一度制度が導入されると「運営管理機関」に任せきりとなり、企業の努力が希薄となる傾向があります。
離、転職者に対する移換手続きの説明が十分行われておらず、運用放棄者が約19万人、資産額約400億円を上回る状況のようです。(2009年10月末現在)
加入者側の問題点
運用に対する自己責任は理解していますが、運用情報や運用アドバイスが少なく、自分の年金資産に関心を持つことが希薄になる傾向があります。
日本の年金制度は非常に複雑である為に、離、転職時の手続きについてどうしたらいいのか分かりにくい、という実態報告が多く寄せられているそうです。
加入と掛金限度額
2011年3月現在の加入と掛金限度額です。掛金は自由に決められますが、上限が定められています。
- 個人が掛け金を支払う場合
- 第一号被保険者は月額68,000円まで。ただし国民年金基金への加入があればそれと合算された金額が上限となります。
- 第二号被保険者のうち、勤務先に厚生年金基金、確定給付年金、適格退職年金、確定拠出年金(企業型)のいずれの制度も無い場合は月額23,000円。
- 企業が掛け金を支払う場合
- 第二号被保険者のうち、勤務先に厚生年金基金、確定給付年金、適格退職年金のいずれも無い場合、月額51,000円。
- 第二号被保険者のうち、勤務先に厚生年金基金、確定給付年金、適格退職年金のいずれかが有る場合、月額25,500円。(2011年8月に可決・公布された年金確保支援法により、2012年から従業員による掛け金拠出が可能となることが決まりました。)
社員が運用する、運用の仕方
確定拠出年金をどのように運用すればいいのでしょうか。
日本の株、外国株、国内債券、外国債券、不動産投資信託などに運用している人が多いようです。定期預金に預けてもいいですね。
140万人を調査したら、57.8%の人が元本割れをしていたそうです。世界的な金融不安のせいで仕方ありません。2年前に導入した社員の人達は、-8.1%、-2.1%、-5.9%、-7.0%の減額となっていたようです。あっという間に-20%になった人もいるそうです。
今は、株は下がり、円高の時代です。奥さんが、旦那さんを責めないでほしいと、ファイナンシャルプランナーの人も言っていました。
妻には知らされず
夫の会社が7年前に確定拠出年金が導入されましたが、妻は全く知りませんでした。夫は自分の給料でやるのだから、わざわざ妻に話すことはないと思ったそうです。
この夫の場合には、-96000円の減額となっていました。妻も確定拠出年金は、老後の大切なお金なので、今までは任せっきりだったけれど、これからは、自分の老後もかかっているので少し関わりたいと話していました。
こんな状態の人が多く、パスワードを使ってインターネットで確認しようとしても、そのパスワードを探すのに1時間30分もかかったようです。また、パスワードを忘れた人も、25.3%もいたのでした。
ファイナンシャルプランナーが勧める対策3つ
- 売る
- 投資信託を打って定期預金に返します。その代わり、損失は確定してしまいます。
- キープ
- 株は今下がっているけれど、元に戻るのでは?待つ時間があれば、様子を見るのも手です。放ったらかしはダメです。時を見ながらキープします。
- 買う
- 株が下がっている今がチャンスなので、定期預金をやめて株を買います。
見極めのポイント
- 20~30代の人は、新興国の回復が待てます。
- 定年退職間近の人は待てないから売ります。
- 定期預金だけを選ぶこともできます。
- 夫婦でよく相談されることが大切です。