PM2.5(微小粒子状物質)
テレビニュースで北京の様子が映し出されましたが、日中であるのに映像は霞んでいました。この大気のかすみは、PM2.5楽天 (微小粒子状物質)の増加の影響もあるそうです。
ここに来て、一気にPM2.5(微小粒子状物質)の存在が、注目をあびてきました。PM2.5(微小粒子状物質)について調べたいと思います。
PM2.5(微小粒子状物質)とは
大きさで分けられている
浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter, SPM)は、大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が10μm以下のものを言います。
その中でも、粒子径が約2.5μm以下のものをPM2.5(微小粒子状物質)と呼びます。
日本以外では相当する熟語はなく専らPM2.5と呼ぶそうです。
ちなみに、髪の毛の断面の粒子径は70μm、スギ花粉は40μm、細菌は5μmだそうです。1μmは1000分の1mmです。
PM2.5は何からできている
- 石炭や石油を燃やすことで発生した微小粒子状物
- 粉塵
- 土壌粒子・・・黄砂など
- 海塩粒子・・・海面から発生
- タイヤの摩耗による粉塵
- 花粉
- カビの胞子
- ディーゼルエンジンの排気ガスによるディーゼル排気微粒子
- 石綿
窒素酸化物、有機化合物、発がん性のある微小粒子状物質であれば、健康への悪影響も大きくなります。
ゴビ砂漠の黄砂+中国の工場などから出る微小粒子状の付着で、ニッケルアレルギーの人の中で、肌が痒くなるという症状が出ている人もいます。また、黄砂+微生物(カビなど約500種以上)の影響で喘息の症状が悪化している人もいます。その中でもベルカンデラ菌が喘息を悪化させるそうです。
真菌や細菌成分がアレルギーを悪くするようです。喘息の持病がある人は、PM2.5の濃度が低くても注意が必要です。
環境基準は
日本の環境基準では、PM2.5(微小粒子状物質)1年平均値が15μg/m3以下、かつ1日平均値が35μg/m3以下であることと、なっています。(2009年)
中国では、この基準の20~30倍出ているようです。2013年2月中旬現在。
日本では、今、都市部の1年平均値が15μg/m3ぎりぎりの状態だと専門家が話していました。
中国の現状と日本への影響
2013年1月、福岡市でPM2.5(微小粒子状物質)が52.6μg/m3が測定され、基準の1.5倍もありました。偏西風に乗って中国からPM2.5(微小粒子状物質)がやってきたと推測されました。
中国では、北京で700μg/m3と一時的に高い値を示しました。この値では健康な人でも咳き込んだり、息苦しくなるようです。中国では、10年前より車は10倍に増え、石炭の利用も2.5倍増えたそうです。そこで、一気にPM2.5も増えたようです。
日本から出たPM2.5と中国から来たPM2.5との区別は今のところできないそうです。しかし、5割が中国から飛んできたと推測されています。
健康への影響
PM2.5(微小粒子状物質)が鼻から吸い込まれると、せん毛運動で肺の奥へ奥へと運ばれ肺胞にたまります。そこで、炎症が起きるとぜん息や呼吸器疾患、アレルギー性鼻炎を悪化させることになります。
- 短期の影響
- 呼吸器などの疾患のない健康な人には、ほとんど影響はないとみられています。しかし、ぜんそくなどの持病を持っている人は要注意です。
- 長期の影響
- 米国での1980、1990年代の研究によると、濃度が上がると肺気腫、肺がんや循環器系の疾患(不整脈など)自律神経失調症、アレルギー疾患のリスクが高まるという結果が出ているそうです。また、幼い子は、大人に比べると悪影響が出やすいようです。
PM2.5(微小粒子状物質)への対策法
- マスクをする・・・鼻との隙間、頬の隙間をなくし、顎の下まで下げると50~80%防げるそうです。防じんマスクは、息苦しくなるので普通のマスクを隙間なくつける方が現実的です。
- 肌の露出を避け、外出後は洗い流すことも必要です。ニッケルアレルギーの人は、肌が痒くなることがあるからです。
- 数値が高い日は外出を控える空気清浄機 は、信頼性のあるものは0.3μgまで防げるそうです。メーカーに確認すると良いようです。また、フィルターの目詰りに注意すること、外から空気が入る場所に置くことなども重要です。
- 洗濯物は、あまり考慮しなくて良いそうです。それは、呼吸から入ることに注意が必要だからです。
- 屋外が30~40μg/m3の値だと、家の中は20μg/m3ぐらいだから、窓は閉めておくことが重要です。
国の緊急対策
- 健康への影響を調べる
- 国民への情報提供・・・地域の数値を公表する。データだけ示されても判断に困るので細かい指導が必要
- 国内観測網の充実
- 中国への技術協力
専門家は、目に見えないやっかいなものなので、これから、わからないことを明らかにする必要があると言っていました。