アスベストによる健康被害

岡山市、4浄水場からアスベスト検出(国基準超す)

岡山市は、2009.2.4に、4浄水場の発電機室など6室の壁面に使われた吹きつけ材から、国の基準(0.1%)を上回る1.1~3.0%のアスベスト(石綿)を検出したと発表しました。空気中の飛散は基準値以下で、健康被害、水道水への影響はないとして言っています。

2005年8月~2008年2月にJIS法に基づいた調査では検出されていなかったそうです。

2008年9月、三野浄水場の耐震工事に伴い義務づけられている調査で判明し、水道局は15施設を再調査しわかったそうです。

基準を超えていた岡山市浄水場

三野浄水場、山浦浄水場、矢原浄水場、紙工浄水場です。

岡山市は、同じ吹きつけ材を使った、市営駐車場、下水処理場など約100施設を再調査するそうです。2009.9

ニチアス羽島工場周辺で、肺がん死が3倍

2008年10月28日の読売新聞によると、大阪府立公衆衛生研究所の熊谷信二・生活環境部長が、アスベスト(石綿)を扱っていた建材メーカーのニチアス羽島工場周辺で、「肺がんの死亡率が全国平均に比べて3倍になっている」とする調査結果をまとめたようです。

調査は、1992年1月1日時点で、工場の半径400メートルいないで生活していた住民ら577世帯が対象。502世帯の1907人から回答を得た。

その結果、中皮腫での死亡はなかったが、27人が肺がんで死亡。男性22人、女性5人。男性の死亡率は全国平均の2.15倍だった。風向きによって石綿相対濃度が最も高いと推定された工場南東地区では、男性9人、女性4人が肺がんで死亡。男性は全国平均の3.31倍、女性は4.70倍と高かった。

石綿作業7ヶ月「労災」異例の認定

新日本製鉄(旧・八幡製鉄)の構内で約7ヶ月間、溶鉱炉の補修作業などに携わり中皮腫になった男性について、北九州西労働基準監督署が発症とアスベスト(石綿)との因果関係を認め、労災認定をしていたことがわかった。

認定された男性は、1963年12月~1964年6月、旧・八幡製鉄の下請け会社で勤務した。アスベストは、溶鉱炉につながる配管の断熱材などとして使われていた。

2006年11月、せきやくしゃみをすると右わき腹が痛むようになり、医療機関を受け、中皮腫と診断された。2006年12月右肺摘出の手術、2007年9月に労災申請。2008年4月に認定された。

中皮腫の患者が労災と認められるには、(原則)

1.アスベストを吸ったために肺が繊維化する「石綿肺」の所見がある

2.アスベストを扱った作業歴が1年以上

のいずれかが条件。

上記の男性は、どちらにも該当しないが、北九州西労働基準監督署は、「作業実態や病状などを総合的に考慮した」としている。

「新日鉄八幡アスベスト問題を考える会」野沢代表は、「作業期間が基準以下という理由で申請をあきらめている人は多い。今回の認定は極めて異例で、被害者救済に道を開く」と評価している。

環境省、ずさんなアスベスト(石綿)大気調査

環境省は発がん性の高いアスベスト(石綿)の飛散状況を監視するために全国で行なっている大気調査で、6種類あるアスベストのうち白石綿しか調べずに「問題なし」と公表していたことがわかった。

アスベストの6種類とは、クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、クリソタイル(白石綿)の他に、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトという種類がある。

2006年11月に山口市の建物解体現場近くで行なわれた環境省の調査で「問題なし」とされた同じ試料を、環境省の「大気濃度調査に関する検討会」の小坂浩委員が別の方法で分析。

白石綿より発がん性の高い青石綿が、大気汚染防止法の工場周辺の大気基準(大気1リットルあたり全アスベスト10本以下)の5倍以上(同56本)見つかった

環境省は「6種類調べるべきだった」としており、調査結果について公表を見直す考えだ。2008.3.30 読売新聞

厚生労働省がアスベスト認定事業所を公表

厚生労働省が2008.3.28日に、アスベスト(石綿)による従業員の健康被害が発生した事業所名を公表した。事業所の近隣に住んで健康被害を受けた患者や団体からは、遅すぎる公表への批判や事業所の周辺に広がる被害の詳細な調査を求める声が相次いだ。

前回公表の事業所は対象にしていないが、全快より労災認定者が増えているようであれば、周辺住民にも被害を及ぼしている可能性があり、対象外にしたのは問題だという意見もある。 厚生労働省職業病認定対策室 03-5253-1111 内線5569

全国の労働省、労働基準監督署へ

*労災やアスベスト新法に基づく特別遺族給付金に関する相談は

労働基準監督署、

*健康相談は

最寄の産業保健推進センター、保健所、労災病院へご相談ください。

アスベストに関する労災認定事業所(岡山県内、65事業所)

建設事業を除く
岡山 倉敷 玉野 笠岡 和気
同和鉱業岡山工場
(現・DOWAエレクトロニクス岡山)
川崎製鉄水島製鉄所
(現・JFEスチール西日本製鉄所)
山本船装 古賀野工業 鴨川工業岡山工場
大建工業岡山工場
(現・岡山大建工業)
ユニチカ常盤工場
(現・ユニチカテキスタイル常盤工場)
神島化学工業神島工場
栄古工業岡山出張所 朝日石綿工業玉島工場
(現・エーエンドエーマテリアル)
岡山積水工業 朝日石綿工業水島工場
(現・エーエンドエーマテリアル)
花房木材産業 クラレ玉島工場
(現・クラレ倉敷事業所)
クラレ岡山事業所 ジャパンエナジー水島製油所
中村工業所 ヤマサキ水島営業所
協和工業 丸進工業
芝田運輸 三恵工業
正和工業 三幸工業
山根船舶工業 三菱自動車工業水島製作所
八鉱産業 大栄電装水島事業所
中国電力水島発電所
東海メンテナンス玉島事業所
フォセコジャパンリミテッド岡山工場

建設事業
岡山 倉敷 玉野 津山 和気 新見
オゴー開発 ニチアス岡山支店 花岡電機 大土井工務店 吉房建築 中西工務店
クラレエンジニアリング 益屋塗装店
井上建築 岡設備
羽衣工業 向陽鐵工水島事業所
あらい建設 大和工事
サンツウ 高島組
吉原塗装店
山陽断熱
浅野商店
難波尚憲工務店
橘高工業
斎久工業岡山支店
山陽技研
上田建築
新山建築
神崎建設
中西建設
島田工業
米原建築
木村組
小野甚商店
鳩場建設
立花建設

船員保険の災害補償認定
岡山
三井造船玉野事業所

アスベスト被害に関する問い合わせ、相談窓口

2008.3.28日に厚生労働省が発表したアスベストの労災認定を受けた事業所のうち、岡山県内分は65事業所だった。その中で30事業所では、肺ガンまたは中皮腫で各1人が死亡。

 厚生労働省は、発表リストにある事業所で働いていた人は、胸部レントゲンなどの健康診断を受けるよう呼びかけている。 アスベストは30~40年の潜伏期間を経て発症するため、警戒が必要という。

岡山 086-225-0591
倉敷 086-422-8177
津山 0868-22-7157
笠岡 0865-62-4196
和気 0869-93-1358
新見 0867-72-1136

岡山労災病院 086-262-0131

2008.3.29日 読売新聞から

身近な所にもアスベストの健康被害者がいる

アスベスト楽天 (石綿)は、肺線維症、肺がんの他、稀な腫瘍である悪性中皮腫の原因になるとされている

最近、私の身近に、アスベストが原因の肺がんで亡くなられた方がいる。50歳代後半の方でもう少しで定年を迎え、両親の居る田舎で農業をしながらのんびりと暮らす計画でした。年老いた両親の悲しみは想像にたえない。まじめにこつこつと会社勤めしてきた結果が、こういう悲しいことになった。

工場で働いている人たちは、まさか、そんな危ない所で働いているとは、夢にも思わなかっただろう。制服を家に持ち帰り、パパの制服で遊んだこども、夫の制服を洗濯した妻、工場の近くにだだ住んでいただけの主婦までも、健康被害を受けていたのだ。

アスベストと肺がん楽天 の関係について、1938年にドイツの新聞が公表したそうだが、第二次世界大戦の影響もあり、このことは無視されてきたそうだ。

多くの方が健康被害を受け、今になってわずかな補償を受けても、その方の命、人生は取り戻せない。会社はもちろんのこと、国、地方自治体も、公害について日頃からアンテナを張り巡らせ、早期に対策できるようにして欲しい。 

アスベスト(石綿)の繊維は、髪の毛の5000分の1ほどの細さで大気中に舞い上がり、その工場で働く人はもちろんのこと周辺に住む住民にまでも健康被害(肺がん等)を与えたことで、人々に衝撃を与えた。

アスベスト(石綿)は、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ安価であるため、日本では「奇跡の鉱物」などと珍重され、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきた。

日本では、昭和50年、9月に吹き付けアスベストの使用が禁止された

2005年、クボタやニチアスで、アスベスト原料やアスベストを使用した資材の製造に携わっていた従業員、その家族など多くの人間が死亡していたことが報道された。クボタについては工場周辺の住民も被害を受けている

アスベスト(石綿)製造企業の健康被害に関する実態調査によれば、健康被害者は59社・557人に上り、このうち451人がガンの一種である中皮腫やじん肺で死亡している。(2005.8月)

学校、病院など、まだ、アスベストを使った建設資材がたくさん残っている。アスベスト撤去作業の危険性もあるので、十分な配慮がされて撤去されているのかどうか、監視の目を怠ってはならない。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋

元国鉄職員、ご遺族の方へ

石綿(アスベスト)による健康被害の救済に関して

旧国鉄の業務に起因して、石綿による中皮腫、石綿による肺がん、石綿肺、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水により亡くなられた元国鉄職員のご遺族で時効により遺族補償給付の支給を受ける権利が消滅したご遺族に対して、殉職年金及び遺族一時金の支給を行なっています。

請求期限は、平成21年3月26日まで。

石綿に関する健康診断等も引き続き実施中です。

国鉄清算事業本部 管理部 職員課 03-3506-2327 http://www.jnrsh.jrtt.go.jp/2007.7.23読売新聞

本「終わりなきアスベスト災害」宮本憲一 他編・岩波ブックレット 500円

阪神淡路大震災から16年経ちました。しかし、これからも被災者の増える可能性は大きいと言います。

問題はアスベストです。震災は多くの建物を壊し、震災後は建物の撤去に追われました。住民、作業員、ボランティアの人たちは、アスベストの飛沫をマスクすらせずに吸い込む者が多かったからです。

9.11のアメリカでも大差はなく、アスベストなどの有害物質の飛沫を吸って苦しむ人は多く、増える事態が予測されるそうです。

アスベスト禍による発症は遅く、被害者自身気づかぬことが多いからです。

本書は震災後の現場を調査してきた専門家と医師が現状を報告し、この「終わりなき」災害に警告を発し、今後の震災時の対応を十の提言にまとめたそうです。

大気汚染防止法におけるアスベスト除去等作業に関する規制強化について

対象となる建築材料(特定建築材料)

特定建築材料の例

*石綿を1%以上含有するものに限る。
吹付け石綿 吹付け石綿、石綿含有吹付けロックウール(乾式・湿式)、石綿含有ひる石吹付け材、石綿含有パーライト吹付け材
石綿を含有する断熱材 屋根用折版裏断熱材、煙突用断熱材
石綿を含有する保温材 石綿保温材、石綿含有けいそう土保温材、石綿含有パーライト保温材、石綿含有けい酸カルシウム保温材、石綿含有ひる石保温材、石綿含有水練り保温材
石綿を含有する耐火被覆材 石綿含有耐火被覆板、石綿含有けい酸カルシウム板第2種、石綿含有耐火被覆塗り材

規制対象の作業

  1. 特定建築材料が使用されている建築物を解体する作業
  2. 特定建築材料が使用されている建築物を改造し、又は補修する作業

作業実施の届出

規制対象の建築物の解体等を行なう施工者(元請け業者)は、原則として作業を開始する日の14日前までに作業実施の届出を行なわなければならない。

岡山県の場合は、岡山県生活環境部、環境管理課へ問い合わせ

作業基準の遵守

  1. 見やすい箇所に次に掲げる事項を表示した掲示板を設けること。(省略)
  2. 作業基準(省略)

その他関係法令

  1. 労働安全衛生法及び石綿障害予防規則
  2. 廃棄物の処理及び清掃に関する法律
  3. 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律
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更新日:2020/03/15