ギャンブル依存症
NHKの「あさイチ」という番組で、ギャンブル依存症について特集をしていました。ギャンブル依存症の中では、パチンコ・パチスロの依存者が多いそうです。ギャンブル依存症の特徴やギャンブル依存症からの脱却法について、放送していました。ギャンブルから、はまってしまう人が多いようでした。
ギャンブル依存症の例
「あさイチ」では、視聴者1766人のうち148人が自分はギャンブル依存症だとアンケートで答えたそうです。
148人のうち、パチンコ・パチスロが133人、宝くじ10人、競馬・競輪5人だったようです。
40歳代女性のギャンブル依存症
40歳代女性は、夫と子どもの5人家族でした。600万円を消費者金融から借りてしまいました。1日15万円も使った日もあったそうです。家計費もパチンコにつぎ込み、カードローンを使うようになってしまいました。
「1万円なんて紙と思った」とギャンブル依存症になっていた時の心境を語っていました。
30歳代女性のギャンブル依存症
30歳代女性は、家事や育児の悩みを聞いてもらえる人がいなくて、子どもに当たったり、怒ってばかりで、イライラしていたそうです。
子育てについて夫に相談しても趣味のパソコンばかりで、誰にも分かってもらえない状態でした。そんな折に3人目を流産し、手術という時に主人はついて行きませんでした。言いたいことも言えず、悲しく、寂しく、帰り道に昔パチンコ店で楽しかったことを思い出しました。
2000円の元手で、大当たりして50000円になりました。寂しさや孤独感が消え、ワクワクした高揚感が溢れました。
夫からは、気晴らし程度ならと言われ、月2回行くようになり、それが週3回に増えて行きました。そして、大損をするようになったそうです。
町工場をしている夫は、好きなものを買ったり、趣味の物を買ったりしているので、自分もこのくらいはいいと考えたそうです。会社名義のお金を管理していた30歳代女は、会社のお金を使っていました。
会社の借金に気づいた主人は、離婚か、パチンコを止めるかと迫りました。しかし、まだその時には、自分が悪いとは思っていなかったそうです。
周りが早くギャンブル依存症に気づかないと、本人は嘘をつくのでわかりにくいそうです。
ギャンブル依存症とは
ギャンブル依存症は、依存症の一種で、ギャンブルによって得られる精神的高揚に強く囚われ、自分の意思で止めることができなくなった状態を言い、強迫的にギャンブルを繰り返す精神疾患のことです。
30~40歳代に多く、結婚し子どももできた頃がギャンブル依存症に罹りやすいそうです。子どもは小さくて手がかかり、夫は役職で忙しい時期だからです。
ギャンブル依存症、男性と女性の違い
男性は、趣味としてパチンコなどもじわじわと楽しむ人が多いようです。男性はギャンブル依存症になるまでに、17~18年かかるそうです。が、女性の場合は10年以内にギャンブル依存症になるそうです。また、若い人がはまると半年とかでギャンブル依存症になるようです。
女性は、ストレスや人間関係を解消するためにパチンコなどにはまり、当たるとごほうびが出るので快感を感じるそうです。
取り返せる、今は運が悪い、今は判断ミスと思って、なかなか止められないようです。
ギャンブル依存症の人の家族の思い(兄)
30歳代男性の妹がギャンブル依存症になったそうです。介護ヘルパーをしていた妹は、パチスロで270万円の借金をしました。
10年前に妹と同居している父親が仕事を失い、職を転々としているということで、できる範囲で貸していたそうです。2月15日2万円、19日14万円、23日5万円、3月25日5万円と貸したそうです。その後、「50万円貸して」とあっさり言われ、「わかった」と言わない自分に逆切れした妹に、愕然としたそうです。
パチスロにはまり、消費者金融から借りていたそうです。妹は自己破産をし、借金も肩代わりしたそうです。
ヤミ金にはまったり、自殺をするのではと、家族は心配もし、家族だから変わってくれると期待します。そして、妹さんは、1年後にはヤミ金に手を出しました。
お金は、振込にしていました。が、貸す時には手渡しをすることが大事だそうです。家族が自分の愛情を伝えることが大事だそうです。
家族は、ギャンブル依存症という病気だと腹を決めることが大切だそうです。本人は罪悪感が強いそうです。
ギャンブル依存症の人の家族の思い(母)
娘がギャンブル依存症になり、300万円の借金をしました。50歳代の母親は、家庭に波風を立てたくなかったので、自分だけで処理しようとしました。
しかし、なおらなかったので、医療機関を訪れました。その場合は、ギャンブル依存症を専門にやっている所が良いそうです。 心療内科楽天 やメンタルクリニックが良いそうです。
この人の場合には、婦人科の病気と夫のDVが原因だったそうです。3年前に夫に離婚届を見せられ、施設に行くか、離婚をするか、と迫られたそうです。
そこで、「私は、やっぱりおかしい」と思えたそうです。そして、専門医による診療を受けました。うつ病も発症していました。抗うつ剤をもらい、病気と言われてホッとしたそうです。そして、こんなに借金したのに罪悪感がないのはおかしいと思っていたようです。
家事や育児からくるストレスも原因でした。そこで、夫や義母が家事を協力しました。夫がお金を管理して、2日に1度施設に通うお金を1000円渡すそうです。
ギャンブル依存症の原因
ギャンブル依存症の人は、抑圧された感情をうまく吐き出せず、ギャンブルで発散しているケースが多いそうです。
摂食障害やアルコール依存症などは広く知られており、周囲も気づきやすいようですが、ギャンブル依存症はまだよく知られていないため、病気であることが認識されず症状が進行しがちだそうです。
「ノルアドレナリントランスポーター」とギャンブル依存症との関係、京都大学の研究
ヒトの脳の中には、不安な感情が高まるのを抑える特殊なタンパク質の「ノルアドレナリントランスポーター」というものがあるそうです。
このタンパク質「ノルアドレナリントランスポーター」の量が多い人ほど不安を抑え込み、ギャンブルにはまり込みやすいそうです。
この研究は、京都大学大学院医学研究科、精神医学教室の高橋英彦准教授などのグループが行いました。
高橋准教授は、「ギャンブル依存が病気という概念はまだあまりなく、依存度の客観的な診断につながれば、治療法の研究も進むと思う」と言われています。
ギャンブル依存症になりやすい性格
- コミュニケーションがうまくとれない
- 自分を表すことが苦手
- 自己評価が低い
真面目な人が多いそうです。負けた金額や理由を書いている人もいたようです。
30・40歳代のギャンブル依存症の人は、新奇性が高いそうです。
20・30歳代のギャンブル依存症の人は、リスク・損害回避性が低いそうです。
ギャンブル依存症への対処法
- 薬は
- 効果は少ないそうです。自助グループへ参加することの方が効果があるとのことです。GA(ギャンブラーズ・アノニマス)と呼ばれる自助グループに参加がおすすめのようです。新しい生き方や価値観などを発見することにより、ギャンブルからの脱却が可能になるそうです。
- 治療
- 専門医の治療から離れないことが大切です。
- 父親がギャンブル依存症の子どもに対して
- お母さんが一人でも生きていけるという姿を子どもに見せることが必要です。機械よりも人と遊ぶ方が楽しいことを教えましょう。
- 快感
- 気持ちが落ち着いた状態で大きな快感(パチンコなどの大当たり)が来ると気持ちが良く、高揚します。ギャンブル依存症が激しくなると、ドガーンという当たりを脳が渇望してくるようです。パチンコが大当たりすると、マラソンゴールに駆け込む時の快感に似ているそうです。