電気エネルギー

2011年3月11日に起きた東日本大震災によって起きた福島第一原発事故により、福島第二原発もふくめて運転できなくなりました。また、東海地震に備えて、静岡県の浜岡原発(中部電力)も運転を止めました。

今まで電力の約30%を原子力発電でまかなっていた日本は、電気エネルギーの作り方を今後どのようにするか、大きく転換をせまられています。

この際、電気エネルギーについて詳しく学びたいと思います。

発電電力量の内訳

2009年度の発電電力量の内訳です。これは、電気事業連合会調べの資料です。

原子力発電・・・29%

火力発電・・・61%(天然ガス・・・29%、石炭・・・25%、石油・・・7%)

水力発電・・・8%

その他・・・2%(再生可能エネルギーなど)

風力発電について(鳥取県東伯郡北栄町)

鳥取県東伯郡北栄町では、平成17年に約28億円をかけて9基(ドイツ リパワー社製、出力13,500kW×9基)の大きな風車を設置しています。このうち国の支援が約7億円とか。この経費は約14年で返済できる計画だったそうです。北栄町5200世帯分と1000世帯分をまかなえる計算でした。

ところが、落雷による故障が、6年間で164件も起こりました。落雷により風車の羽にひびが入ったり、穴が空いたりしました。この修理には専門家が必要で、修理に2ヶ月もかかったこともあったそうです。その間、発電が止まりますから問題です。

風車の大きさは、高さ103.5m、羽根の直径は77mです。そして、年間推定発電電力量は26,600MWh、年間推定売電電力量は23,900MWhのようです。 

バイオマス発電について(岡山県真庭市)

岡山県真庭市では、バイオマス発電に力をいれています。間伐材や廃材をチップにして火力発電の燃料にします。出力2000KWhwで一般家庭400世帯分を賄うことができています。

銘建工業株式会社では、木材加工製品から排出されるかんな屑やヒノキの皮を利用して自社発電を行なっています。これにより従来、廃棄コストが掛かっていた廃材を自家消費した上に、工場の所要電力を100%まかなう事ができたそうです。さらに余剰電力は電力会社に販売もしています。

また、バイオマス・ストーブを使って野菜の温室を温めている農家では、灯油ボイラーと比べて燃料費が1/3に減ったところもあるようです。

月別の最大電力

私たちの生活は便利になり、どんどん使う電気製品が増えています。そのせいで、電気の使用量も50年前の10倍以上になっているそうです。

エアコンなどの冷房空調機器の著しい普及により、全国的に夏季の7月~9月に年間の最大電力のピークが出るようになりました。2000年度には、年間の最大電力の山が8月中旬で1.731億kWでした。2004年度には、年間の最大電力の山が7月中旬で1.743億kWでした。

春と秋には電力量が少し下がり、1.2~1.3億kW程度でした。冬場にも小さな山ができますが、この時期1~3月には、1.5億kW程度でした。

夏季の1日の中で一番の最大電力は、12~17時の1.7~1.8億kW程度でした。(1995年~2005年)

電気が家庭に届くまでの流れ

原子力発電所楽天 や火力発電所や水力発電所から作られた電気は、超高圧変電所へ送られます。

超高圧変電所から、送電線で1次変電所へと送られます。

1次変電所から、中間変電所へ送られます。また、鉄道変電所や大工場へも送られます。

中間変電所から、配電用変電所へと送られます。また、大工場へも送られます。

配電用変電所からは、柱上変圧器へと送られます。また、ビルや中工場へも送られます。

柱上変圧器からは、引込み線を通って家庭、商店、小工場まで電気が送られてきます。

(変電所では、電圧を下げながら送っています)

発電の仕組み

原子力発電
原子炉の中でウランを核分裂させ、その時に発生する大量の熱で水を沸騰させて蒸気をつくります。その蒸気を発電機につながった巨大なタービン(羽根車)に吹き付けて、発電機を回します。蒸気でタービンを回して発電することは、火力発電と同じです。
火力発電
燃料(天然ガス、石炭、石油など)を燃やして水蒸気を発生させ、その蒸気の力で蒸気タービンを回転させて電力を発生させます。蒸気タービンを回転させた後の蒸気は、復水器で冷やして水に戻し、またボイラー内に送られて蒸気へと変わります。復水器の冷却用水として大量の水が必要ですが、多くの場合「海水」を利用して冷却用水とします。
水力発電
水が高いところから、下へ落ちるときの力を利用して発電機を回して電気をつくるのが水力発電です。ダム式発電所の場合、ダムに貯められた水は、取水口から導水管を通り、発電機と直結した水車を回します。

家庭での電気の使われ方(資源エネルギー庁「2004年度電力需給概要」から)

エアコン・・・25.2%

冷蔵庫・・・16.1%

照明器具・・・16.1%

テレビ・・・9.9%

電気カーペット・・・4.3%

温水洗浄便座・・・3.9%

衣類乾燥機・・・2.8%

その他・・・21.7%

一世帯で使う電力量

一世帯で使う電力量は、4734kWh/年で、そのうち待機電力は6%を占め、285kWh/年となります。

待機電力の大きなものは(省エネルギーセンター「2008年度待機時消費電力調査報告書」から)

待機電力は、285kWh/年となり、そのうちの大きなものは以下の通りです。

ガス温水機器・・・20%

エアコン・電話機・・・各9%

HDD・DVDレコーダー・DVDプレーヤー・・・6%

温水洗浄便座・・・5%

ビデオデッキ・パソコン・石油温水機器・・・各4%

テレビ・一体型オーディオ・・・各3%

みんなで行う節電法

福島第一原発事故により、福島第二原発もふくめて運転できなくなりました。そこで、作られる電力量が大幅に減ってしまいました。そして、2011年の夏も昨年のように夏日が多くなると言われています。特に東京電力管内では夏場の消費電力の増大により、大規模な停電が起きることもあります。そうなると、工場などの操業が難しくなったり、電車が止まったり、家庭の電気が使えなくなったりします。

今までの快適な生活に慣れている私たちには、停電は数時間でも大変不便なことです。大規模な停電を避けるためにも、みんなの力を結集しなければなりません。政府は家庭や会社で使う電力量を、去年の夏に比べ15%減らしてほしいと、要望しています。

以下の節電法などを参考にして、今から節電法を身につけておきたいものです。じりじりと熱い日々は、そこまで来ています。

エアコン

照明器具

テレビ

冷蔵庫

洗濯機

温水洗浄便座

パソコン

電気ポット

スイッチ付きタップは、プラグを抜かないで、こまめにスイッチをオン・オフできるので、待機電力を節約できます。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2020/03/15