医療過疎対策

地方の公立病院などでは、産科、小児科などの診療科の閉鎖が相次いでいます。医師不足のせいです。今までいた医師も多忙のために転勤を余儀なくされている場合が多いようです。そんな場所に新たに医師を派遣してもらうのも無理があります。

少子化対策が叫ばれていますが、こういう命にかかわる難題を解決せずに口先だけの少子化対策では無意味だと思います。早急な対策をお願いします。 

医師の適正配置を提言(財政制度審議会)

財政制度審議会は、2009.6.3提出した意見書のなかで、地域や診療科間の医師不足、医師の偏在について、医師の適正配置などを柱とした医療改革の必要性を提言したそうです。

  1. 日本では医師は、自由に診療科や勤務地を選ぶことができ、激務である産科、外科など、また不便な過疎地域が避けられる傾向にあります。
  2. ドイツでは、保険医の開業に際しては、地域ごとの定員枠をもうけています。これを日本でも参考にしたいようです。
  3. 医師の職業の選択の自由も守らなくてはいけませんが、医師養成には多額の税金が投入されていることや、国民医療費のほとんどが公費負担であることなどから、完全に自由であることは必然ではないだろうという考えもあります。
  4. 病院勤務医の負担軽減につながるように、病院の診療報酬を手厚くするように診療報酬配分の見直し、看護師ら医療従事者間の役割分担の見直しを掲げています。

研修医を地方へ誘導

厚生労働省は、医師臨床研修制度で全国に配置される研修医が都道府県別の定員充足率に最大で倍以上の格差が生じていることがわかった。この偏在状態が地方の医師不足を招いているとみて、研修医の多い都道府県の病院を中心に、来年度から受け入れ定員を削減する方針。地域によっては定員の1割超をカットする。

研修医は大学病院などで2年間の研修を受けるが、スタッフや設備の整う都市部の病院を希望する傾向がある。

東京都(86.6%)、京都府(81.5%)などで高く、13都府県で70%を超えた。

一方、島根(42.1%)、鳥取(42.8%)、富山(42.7%)など8県は定員の半分に満たなかった。

同省は各厚生局に対し、「研修医が多く、医療施設の医師数が多い都道府県にある研修病院は定員削減に努める」と通知。

人口比で医師数の多い東京や大阪など25程度の都道府県が対象になる見通しで、同省は、研修病院の新規指定や研修医の定員増を認めないことも決めた。

近畿厚生局は、昨年度約2000人だった管内の総定員を約260人削減する方針。

同省医事課は「都市部集中を是正し、相対的に地方での定員を増やすことで、研修医を地方に誘導したい」

地方の厚生局は「定員の適正化は必要だが、同じ府県内でも賭し郡部があり、一律には定員を減らせない」

地域医療に詳しい本田宏・埼玉県済生会栗橋病院副院長は「問題は医師の絶対数の不足であり、小手先の定員調整では都市と地方の格差は解消できない。地方にも医師が行き渡るよう、医師数を増やすのが先決だ」と指摘。

2008.6.29 読売新聞から

なぜ医療格差楽天 がひろがったか

2007年5月9日、政府・与党は、地方の医師不足を解消するため、地域の拠点病院(国公立病院など)から、半年から1年程度の期間を区切り、地方の病院・診療所へ医師を派遣する新たな制度を整備する方針を固めた。

2004年度から、医師臨床研修制度が義務化され、若手医師たちは上下関係が厳しい大学病院楽天 を敬遠し、待遇のいい国公立病院などに殺到し、大学病院中心の医師派遣は、事実上崩壊した。

厚労省の2004年の13都道府県の調査では、都道府県庁所在地と周辺地域で人口10万人当たりの医師数が3倍以上開いていた。

拠点病院医師を地方派遣へ 

2007.5.10読売新聞、第一面から

へき地医師確保へ特別枠

2007年5月12日、政府・与党は、へき地や離島など地域の医師不足・偏在を解消するため国公立大学などの医学部に、卒業後10年程度はへき地など地域医療に従事することを条件とした「医療地域枠(仮称)」の新設を認める方針を固めた。

2007.5.13読売新聞、第一面から

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更新日:2018/06/07