歯科インプラント治療のトラブル

2012年1月18日のクローズアップ現代では、「歯科インプラント 急増するトラブル」と題して放送していました。歯科インプラントと聞けば、費用は高そうだけれど、口元が綺麗で入れ歯と違って便利そうと、良い事だけ思い浮かびます。しかし、実際にはいろんなトラブルが起きているそうです。

これから、歯科インプラントをしようと考えておられた方は、必読ですね。

歯科インプラントとは

歯科インプラントとは、抜けて無くなった自分の歯の代わりに、あごの骨に人工の歯根を埋め込み、その上に1本の人工の歯を結合して歯を入れ、噛み合わせを回復する治療法です。

最近では、入れ歯を入れる人の10人に1人がインプラント治療を受けているそうです。しかしインプラント治療は、健康保険が使えない自由診療となっているために、高額の治療費が必要となります。

歯科によって自由に料金が決められ、1本約22~40万円と言われます。

歯科インプラントの利点(メリット)

部分入れ歯や総入れ歯の費用は

歯を1本失った場合、部分入れ歯をすると、保険診療での3割負担の人で約5,000~14,000円のようです。総入れ歯の場合には約10,000~15,000円となります。

また、保険で入れ歯を作った場合には、一度作ると6ヶ月経過しないと病院を変えても次の入れ歯の作り直しはできません。

自費での入れ歯もあるようで、150,000円~300,000円程度が多く、この上に、組み込む装置の値段が上乗せされるようです。金属床の入れ歯、インプラント併用入れ歯、アタッチメントタイプの入れ歯、ノンクラスプデンチャー入れ歯、コーヌスクローネの入れ歯、マグネット式の入れ歯などがあるそうです。かかりつけ医に相談されると良いです。

入れ歯は、虫歯治療よりももっと職人芸のような繊細な技巧が必要となります。口コミなども重視して、入れ歯作りの上手な歯科医を選ぶことも大切となります。

歯科インプラントのトラブルとは

痛みが出た、噛めない、唇や歯茎の麻痺、激しいものではインプラントの歯が上顎を突き抜けて副鼻腔まで入った人もいます。

また、インプラント楽天 が奥に入りすぎて動脈を傷つけ、手術中に亡くなった方もいるようです。

消費者センターには、歯科インプラントについての相談件数が5年間で2000件以上となりました。そして、2年半で2700人以上が大学病院などの医療機関を受診しています。

歯科インプラントの治療を受けた、ある患者さんの場合

ある患者さんは、自宅近くの歯科へ、右の奥歯2本を入れ歯にしてもらおうと思って行きました。2本の歯だけをインプラントにしようと考えましたが、歯科医師からはさらに8本抜くことを勧められました。

インプラントにしたほうが長もちするというのです。ところが、手術は失敗し500万円の治療費は無駄になってしまいました。患者さんは、立派な歯を抜いたことを悔やむとともに、歯科医師のモラルを疑うと言います。

インプラント治療を受けた後に、右の顎が痺れて感覚が無くなりました。食べる時に口を手で抑えなくてはならない状態でした。知らないうちに唇をかんで出血することもありました。

原因は、インプラントによる神経の圧迫でした。神経の圧迫によりしびれをおこしていました。生活を向上させるために行ったインプラント治療で、大事な歯を失ってしまいました。

大学歯学部にNHKがアンケート

インプラント治療での不具合で大学病院を訪れた人が2700人でした。

そのうちの86%が最初の医師の技量不足をあげています。

そして、難しいケースへの無理な治療は76%と言います。なぜ、無理な治療が行われているのでしょうか。

歯科インプラントの治療技術等について

現在では、歯科インプラントのルールも作られていません。歯学部では、10年前からインプラント治療の講義はしていました。が、実習が伴っていませんでした。

インプラントのメーカーによる4日間の授業のみだそうです。メーカーでは、インプラントの不利な面は出さず、どうしても利点のみを強調しがちです。

顎の骨などは、個々の人によって違います。硬さや大きさ、骨粗鬆症、糖尿病などの既往症も関係してきます。インプラント治療を失敗したケースでは、「難しいケースの患者さんにもインプラント治療をしようと無理があった」と歯科医は反省していました。

歯科インプラントは、経営の救世主(やればやるほど、儲かる)

現在、都市部では特に歯科医院はコンビニの1.7倍もあり、患者の数が限られている中で患者の獲得競争が激しくなっているようです。保険診療だけでは、経営が成り立たないという経営環境の悪化が、インプラント治療に走らせているとも言えます。

そんな中で、インプラント治療は治療費を自分で決められるので儲けが大きいとのことです。インプラント治療をすることで、歯科医院の経営が安定した歯科医院も多くあるそうです。

1本のインプラント治療で40万円の治療費をもらい、年間2500万円を稼いでいる歯科医もいます。インプラントを打てば打つほど歯科医は潤うとも言われます。

歯科インプラントの安全性を確保するには

歯科インプラント治療は、自由診療であり患者と歯科医との契約になります。そして、歯科インプラント治療は死亡例もあるほどで、今までの歯科治療を超えて口腔外科的な処置がなされます。

そのために、体全体に関わるために骨粗鬆症や糖尿病、心臓病などの疾患を持っている人を治療する時には、主治医との連携も必要になってきます。

一人一人、全部違うので、歯科医は患者は何を求めているのか、インプラント治療の良い点、悪い点をよく説明する必要があります。

歯科学会が主導権を持ってインプラント治療のルールを作る

現在、インプラント治療の標準的なガイドラインがありません。5つの学会が集まり、2013年度に治療のルールを作ることを決めました。

良い歯科医とは
  1. 事前の検査を行う・・・アレルギーの有無や病気(骨粗鬆症、糖尿病など)の有無
  2. リスクの説明をする・・・骨粗鬆症などの歯質が弱い人ではインプラント治療は難しい。インプラント治療は歯周病になりやすいそうです。子どものインプラント治療はまだ勧められません。(大学病院で相談してください)
  3. 治療を急がせない・・・インプラント治療は緊急性がないので、患者自身でよく利益、不利益を考えること。セカンドオピニオン、サードオピニオンを利用しても良いです。

インプラント治療を日本に広めた小宮山歯科医の発言です。

東京歯科大学では

東京歯科大学では、学生にインプラント治療で求められる技量を教えたり、インプラントの実習をしたりしています。事故が起こらないようにするための実習です。

あえて、薄い顎の骨を使って実習します。失敗することで、無理な診療をしないように学習させているそうです。また、インプラント治療を患者が受けられるかどうか見極めることが大切です。

唾液検査(歯周病菌の多少を調べる)、CT検査(骨の厚みや血管の位置を調べる)、血液検査(全身の健康状態)をしてその人の体の全体像を見ます。

また、インプラント治療で金属を体に入れるとアレルギーを起こす人もいます。検査した人の半分に、糖尿病や骨の厚みの薄い人がいました。

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更新日:2020/03/15