介護保険
介護保険の利用が必要と認められる人で、介護保険を利用していない人が、約3万8000人いるそうです。全国の地域包括支援センターでのアンケート結果でそうですが、氷山の一角とも言われています。
40歳以上の人が、介護保険料を負担し、利用する場合には、1割を負担することになります。現在利用者は408万人だそうです。クローズアップ現代の放送をまとめてみました。
介護保険を利用しない理由
- 人に迷惑をかけたくない
- 利用しないと言う人の73%が、人に迷惑をかけたくないと思っています。これまで、ずっと一人で生きてきた人にも多そうです。
- 認知症のため
- 認知症のために、自分が介護を必要としていることが、分からないそうです。そして、介護保険は、自分で申請する必要があります。子どもさんに連絡しても、遠くだと今の親の現状がわからないなどと言われることもあるそうです。認知症の場合は、成年後見制度を使えばできます。
- 経済的な問題
- 利用料の1割が払えない。また、介護保険楽天 料を長い間支払って来なかったから、3割負担だと言われた。後からは、滞納期間の2年分しか支払えません。生活保護を受ければ利用料は無料になりますが、奥さんは借金を返すために働こうとしています。夫は認知症ですが、家で留守番となります。
介護保険創設時と今の社会状況の違い
介護保険の創設時には、本人を取り巻く子ども達や兄弟、地域の人達の力がうまく機能していました。そして、家族のケアをサポートするという形でした。
しかし、15年も経過し、家族や地域の力が落ちてきました。単身者や夫婦2人が中心のモデルとして考えていく必要が出てきました。モデルチェンジが必要となりました。
また、シングル介護という問題もあります。親の年金で暮らしている子どもが介護保険を受けさせないと言うこともあるようです。
新しい考え方
介護保険の利用を何度も勧めたけれども、断って孤独死した方もおられます。もう、介護保険制度だけではダメです。老人福祉制度という大きな枠の中で、公と民のコラボレーションによって、支え合わなければ、しのいでいけないようです。
民間ヘルパーさんやボランティアなどの連携も必要でしょう。
今こそ、国民的議論が必要だと言われています。
認知症で詐欺に合う
2010年10月27日にNHKのクローズアップ現代で放送していました。
認知症であるために、株券や債券を買わされたり、必要のない品物を買ったり、工事を頼んだりして、老後の資金をだまし取られた高齢者がたくさんいるそうです。半年で、1300万円が無くなったという人もいるようです。
ところが、本人はなぜお金が無くなったか覚えていず、株券を買ったこともよくわからないと言います。
詐欺グループの言い分
以前は、振り込め詐欺に関わっていた人達が、認知症の人をターゲットに電話して、詐欺を働いているようです。
認知症の人が載った名簿を持っていて、家に直接電話を入れるそうです。知人のふりをして「お久しぶりです。2年前にお世話になったタカハシです」と言うと、「ああ、タカハシさん」と来たら、しめたものです。と、言う。
一度に何度も振り込ませることもあるそうです。本人が振り込んだことを忘れているからです。
自分達がだまさなくても、誰かがだますからと、罪悪感を持っていないようです。
成年後見制度など
被害にあった後から、お金を取り戻すことは、非常に難しいそうです。過去の本人の認知度を証明することが難しいからです。
地域の民生委員、ヘルパー、ケアマネージヤー、近所の方などが、何かおかしいと感じたら、行政につなげて、親族がいなければ、日常生活自立支援事業(日常生活に不安がある人)、成年後見制度(認知症など)につなげて、安全の確保をしていただきたいと思います。
認知症名簿が詐欺グループに渡っている時に、福祉の現場では、個人情報を守るという意味で、知らされていないならば、認知症という弱者を守れないです。福祉の現場に広く共用して、みんなで被害防止に努めていく時期が来ているようです。
また、金融機関や証券会社の社員でも、自分のノルマ達成のために、認知症の高齢者に高額な商品を買わせていた人もいたようです。また。近所の知人に生活保護費のほとんどを取られ、食費にもことかく高齢者もいたそうです。
一人暮らしの人、身よりのない人には、民生委員、福祉事務所の人達の定期的な訪問が必要のようですね。