ネット詐欺にご用心

NHKの「あさイチ」という番組で「ネット、サクラ詐欺」について放送していました。初めて聞くものでした。出会い系サイトにより行われていて、30、40、50歳代の女性が被害に会い、100億円の詐欺に合っていると言うのです。

その巧妙な仕組みをよく知っておいて、「ネット、サクラ詐欺」に引っかからないようにしたいものです。

「まさか、自分が」と言う

出会い系サイトと言うと、男性がエッチを目的にして登録するというイメージが強いですが、最近は変わっているそうです。

30、40、50歳代の女性が被害に会い、100億円の詐欺に合っていると言うのです。騙された女性は、「まさか、自分が騙されるとは」と言うそうです。巧妙なしかけのために、最初は騙されているとは気づきにくいようです。

消費者生活センターへの相談では、全く出会い系サイトだとは気づかずに利用してしまったという女性からの相談が急増していて、その数は相談数の半数を超えているようです。

国民生活センターの調べによると、高額請求の被害額は、2006年には約34億円で、そのうち女性の被害が30.5%、男性の被害が68.4%、でしたが、2010年には約100億円に大幅に増えて、そのうち女性の被害が50.3%、男性の被害が48.8%と、女性の被害がとても増えてきました。

ネット詐欺に合った、ケース1

30歳代女性は、登録後10日で17万円騙されたそうです。

自分は騙されないと思っていたと、言います。この女性は、夫と子ども2人で暮らしています。教育費もかかるようになるので、自分も何かアルバイトを始めたいと思って仕事を探しました。

悩んでいる人にメールで相談にのり、その相談相手からお礼をもらう仕事が見つかりました。口コミでは,時間的な拘束もなく儲かると書いてありました。登録無料も魅力的でした。

メールを1日5~10分やり取りして、月に10万円になると言います。、相手はほとんどが男性で、社長や医師という職業だそうです。

飲食店を経営している男性とのメールが始まりました。当初、、部下とのコミュニケーション楽天 が取れなくて悩んでいるというものでした。人間関係の悩みでうつ病に罹っているとも言います。

この女性は、以前医療関係の仕事についていたので、うつ病の悩みもよくわかったようです。そして、兄との対立なども打ち明けられました。

自分も気分が良くなって、この男性のことを信じてきました。

なぜ、抜け出せないのか

登録したサイトから、1回の送信に200円かかり、1回の受信に250円かかると言って来ました。そして、未払い分として5000円を請求して来ました。

そこで、男性からアドレスを交換して二人だけでメール交換しようということになりました。そして、男性は一時的に5000円を負担してもらえないかと言ってきたので、負担しました。この頃には、メール上での信頼関係が出来上がっていました。

男性は、サイトから交換券3万円が必要と言われたと、言ってきました。そして、必ず払うから3万円も立て替えて欲しいと言います。すでにその時には、15000円以上も費やしていました。

損をしたくないという思いが、深みへとひきづりました。その後、入金操作のタイミングが悪いのでもう一度3万円、操作ミスで3万円、打ち合わせのための通信費としてとして1万円などと騙されて17万円になってしまいました。

ちょっとしたミスのために何回でもお金を支払ってしまうのは、なぜでしょうか。メール上のことで、人が見えない分、こういう自分でありたいと、いい格好をしてしまうそうです。

騙されたら恥ずかしい、元を取りたいという心理が働き、自分が騙されたという事実を認めたくないようです。

ネット詐欺に合った、ケース2

40代女性は、127万円騙されたそうです。しかし、そのほとんどの会話のデーターを保存していました。

騙されたと思って、国民生活センターに連絡したとたんに、サイトにアクセスできなくなり、記録を消されてしまいました。

この女性は、クレジットカードで電子マネーを買った時の明細書を印刷して残しておきました。そこで、弁護士さんに相談した折に、この2つが貴重な資料となり、121万円を返還してもらえました。

メールのやりとりを残す、お金のやりとりについては、振込伝票をとっておく、被害にあったら、すぐに国民生活センターや消費者センターと連絡をとるようにします。そうすれば、お金が返ってくることがあります。

専門家の話

ゲームサイトに入って騙された人もいます。登録させるために、いろんなエサで勧誘すると言います。最近はSNSを通じてメッセージを送信し、招待状などと称してサイトに登録させようと言う手口も見られるようになったそうです。

一旦お金を払ってしまうと、払ったお金を取り戻そうと深みにはまってしまいます。

無料で占いができる、当たりました、ミクシィなどどこにでも落とし穴が開いているようです。常に心しておかなければいけないようです。

ネット詐欺の手口を把握することが、犯罪の抑止につながると、立正大学の西田公昭さんは言われます。

ネット詐欺では、プロのカウンセラーのように、相手を受容し、信頼させます。最初はただだから、入ります。そして、信頼するまで、お金の請求はしません。

わかっているけど、やめられない。マインド・コントロールされてしまいます。心の隙間をうめてあげるので、幻想を抱くと言います。その夢から覚めたくない、100%騙されたとわかればやめるけど、絶対だまされたと分かるまで続けるという人もいるようです。

自分が弱くなっている時に、魔が差すということもあります。辛い時に救ってもらったという気持ちも出てきます。被害が大きくなると、サクラの人も捕まります。詐欺の罪は、懲役10年になります。

サクラ(ネット詐欺実行犯)の経験者

20歳代の男性で、6年間サクラをやっていた人に取材していました。

きっかけは
給料が良くて、月一番多くて70万円にもなり、出勤が自由で楽そうだったから、と言います。会話が長引けば長引くほど儲かると言います。
女性のあこがれの職業になりすます
医師や社長になりすまし、高級車に乗っているといいます。女性は、ブランドや芸能人に弱いと言います。いき過ぎたメール、現実離れした男性キャラクターに恋するからと、言います。
女性の弱みを握る
日常会話から、女性の弱点、弱みを握ります。真に求めていることは、日記・メールに書いてあると言います。「晩ご飯を1人分作った」「僕は家事もするのに、こんなステキな奥さんを放おって置いてダメな旦那さんだね」とか、書くようです。女性はSOS的なことを発しているので、日常の不満をバーチャルで満たしてあげます。「僕はハニーと呼ぶから、君はダーリンと呼んで」女性は甘いメールを信じる。話を聞いて、本当に優しくしていれば信じると、言います。

サクラは若者のアルバイト

東京、渋谷で若者に、ネット詐欺のサクラについて知っているかどうか、聞いていました。

ネットのサクラのバイトについて、「高校生だったら、楽しく稼げると思うかも。学部に2人ほどやっている人がいた」「騙される方が悪い」などなど意見があり、身近にサクラのバイトがあるようです。

地方から出てバイトをしていた、どこでも手に入る無料の求人誌に、たくさんサクラのバイトが載っていると言います。

「データ入力スタッフ募集」「データ入力、タイピングができる人、時給1200円」などです。24時間メールを送るので、24時間シフト制だそうです。その雑誌の中に20件もありました。

経験者は「内容は、人を騙しているが、パソコンの画面越しなので、相手がどんな表情で悲しんでいるのかわからないので。・・・」と、言います。ネット越しで相手の顔が見えないので、気楽にやってしまう危険があります。

本当に悪いこと、犯罪だと知らせなくてはなりません。詐欺の罪は、懲役10年になります。

「ネットサクラ詐欺」に注意するポイント

国民生活センターでは、「ネットサクラ詐欺」の注意点として以下のポイントを示しています。

  1. 「簡単に高収入」「お金をあげる」等のメールがくる。
  2. 「将来利益を得るための費用」等のメールがくる。
  3. メール交換のたびに利用料が発生する。

もしも、騙されたら

もしダマされた場合は、直接、最寄りの消費生活センターに行くとよいです。すぐに行動することが大切です。

消費者ホットラインで消費生活相談窓口につないでもらえます。

全国統一電話 消費者ホットラインは、0570-064-370

消費者問題に積極的に取り組む、小田典靖弁護士によるとダマされた場合、

  1. やり取りの記録を残しておく。
  2. 支払い明細を残しておく。

上記の資料を残しておくと、消費生活センターや弁護士が被害回復のための交渉を有利に進めることができるそうです。交渉を始めた瞬間に相手が連絡のやりとりを消すケースもありますので注意が必要です。

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更新日:2020/03/15