由志園(ゆうしえん)
由志園(ゆうしえん)は、島根県松江市八束町波入にあります。
由志園(ゆうしえん)の創設者は故人門脇榮さんです。門脇榮さんは「決して利己を目的とするものにあらず、大根島の観光産業の推進こそ天恵に応える郷民の務め也。その布石となればと願うなり」と志しをたて、土地の買収、造成、庭石や樹木の搬入など多くの困難を乗り越え、昭和45年から5年の歳月を経て第1期工事を完成させたそうです。
すばらしい庭園に、殿様のお庭だったのかと思ったくらいです。
しじみで有名な宍道湖(しんじこ)の東側には、中海(なかうみ)があります。その中海には大根島(だいこんじま)があり、その真ん中辺りに由志園はあります。由志園は、寒牡丹と高麗人参などが有名です。
由志園(ゆうしえん)の様子
2010年2月中旬に由志園を訪れました。みぞれ混じりの雨が降っていました。島根県松江の冬を感じることができて良かったです。松や石が濡れてしっとりとした雰囲気をかもしだしてくれました。
また、池に降る雨が、中海の波を思い出させてくれました。ここは、大根島楽天 だということを忘れてしまいそうでした。陸続きでバスで乗り入れられるので島という感覚が無くて当然ですが。
色々な寒牡丹・かんぼたん
みぞれ混じりの雨が降って来て、正に寒牡丹を見ているのだという実感を持ちました。傘をさしながら、足元に気をつけてゆっくりと園内を歩きました。
実家に植えてあった牡丹を思い出しました。この色に近かったです。5月頃には決まって大輪の花をたくさん見せてくれました。こども心にも牡丹のあまりの華やかさに圧倒されそうでした。
白い牡丹も華やかに咲いていました。大輪が二輪も咲いて待っていてくれました。他の色が鮮やかであればあるほど、白に惹かれるのはどういうわけでしょうか。
寒牡丹は、二季咲き性の牡丹の変種で、11月から翌年の2月に咲かせるように、春につく蕾をつみ取り、夏の終わり頃には葉をつみ取って花期を遅らせます。藁の霜囲いをして保護すると、冬に開花します。
わらで作ったこもが、寒牡丹を霜や雨や寒風から守ります。丈の長い餅米のわらが使われています。
わらを天日に干す時にも雨に濡れて色が悪くならないようにとか、少し籾を残すなどの細やかな配慮がされています。そして、あくまでも寒牡丹を美しく見せるための裏方として目立つことなく、さりげなく美しくわらごもはそこにありました。
牡丹は、鮮やかで、華やか、あでやかです。香りもとてもいいです。冬の花の無い時に寒牡丹を見ると、ますます圧倒されてしまいますね。この寒い時期に咲いてくれてありがとうという気持ちになります。
白、濃い赤、濃い桃色、薄い桃色、黄など種類が豊富です。
正月咲き牡丹は、二輪咲きで5000円、三輪咲きで6500円(送料無料)などもあるようです。
また、大根島のおみやげには、牡丹を使ったぼたんせんべい、牡丹かんてん、ぼたんジャム、ぼたんまんじゅうなどもありました。
牡丹と假屋崎省吾展
由志園では、假屋崎省吾展が開かれていました。幸運にも假屋崎省吾さんをこの目で見ることができました。テレビ出演で見かけるのと同じ雰囲気で、お客さんへの細かいサービスをされていて好印象でした。
假屋崎省吾展での写真撮影は禁じられていました。これは、展示場を出てからの写真で、雰囲気が少し伝わると思います。
今回のテーマは人生の喜びで、牡丹で表現されたそうです。期間は2010年1月22日~3月28日までです。
假屋崎省吾さんとサイン会
「写真撮影はご遠慮ください」と言われました。が、遠くから一枚だけ記念に撮らせてもらいました。假屋崎さん、いいですよね。
假屋崎省吾さんのデザインしたカレンダーや薔薇の紅茶などが売られていました。買うとサインと握手と一緒に記念撮影ができるようでした。
假屋崎省吾さんは、細くってどこからパワーが出てくるのかと思いました。若い男性スタッフも3人ほど付いていました。
假屋崎さんは、華道家で、假屋崎省吾花・ブーケ教室を主宰されています。結婚披露宴の会場装飾、日仏交流150周年フランス広報大使、「歴史的建造物に挑む」という花と建造物とのコラボレートとなる個展もやっておられます。
大根島と高麗人参
由志園でも高麗人参が売られていましたが、大根島の特産品は高麗人参のようです。立派な高麗人参が瓶詰めにしてありました。
高麗人参には、人参サポニンという成分が含まれていて、疲労回復、解熱、血圧調整,消炎抗菌作用、健胃整腸作用、肝機能強化作用、止血,強心作用、抗腫瘍作用、糖尿病治療などの幅広い効能があるようです。ここでは、高麗人参入り石けんなどがよく売れているそうです。
これは、高麗人参の成長の様子です。薬効がすごいのですが、育てるにも年月がかかるのです。だから、よけいに貴重品、高級品となりますね。
高麗人参は11月~2月頃に種をまきます。1年目の秋にはマッチ棒の太さに、2年目にはエンピツの太さに、3年目には万年筆の太さに、4年目から急に太くなり30gに、5年目で50~60gに、6年目でやっと100gになるそうです。
高麗人参を使ったお土産には、しま漬け、高麗人参コーヒー、高麗人参しじみのり、高麗人参ようかんなどもあります。
由志園では、高麗人参の天ぷらが735円で、七代目藩主・松平不昧公(ふまいこう)が好きだった鯛しぐれが1575円で食べられるようです。
島根県、宍道湖七珍(しんじこしっちん)
宍道湖七珍(しんじこしっちん)は、「すもうあしこし」(相撲足腰)と覚えるとよいそうです。
すは、スズキで、晩秋から初冬にかけて、脂がのって旬を迎えます。一匹を丸ごと奉書紙に包んで蒸し焼きにした「スズキの奉書焼き」は、七代目藩主・不味公(ふまいこう・松平治郷)好みの一品として有名です。『古事記』の国譲り神話で国譲りの和議成立の折の酒宴に出された、出雲を象徴する魚と言われています。
もは、モロゲエビで、クルマエビの一種で、体長は10cmくらいです。中海では、ホンジョウエビとも呼ばれています。くせのない上品な味わいで、殻が薄く丸ごと食べられ、旬は秋です。
うは、ウナギで、宍道湖のウナギの特徴は、身がしまって歯ごたえがあり蒲焼きが最適で、旬は夏です。
あは、アマザキで、ワカサギのことです。宍道湖はその南限と言われています。天ぷら、南蛮漬け、しょうゆのつけ焼きもおいしいです。1月から3月にかけての産卵期が旬です。
しは、シラウオです。ダシ(出汁)いらずの例えがあるように、すまし汁はシラウオだけで美味しいダシが出ます。ほろ苦さと香りもあり、旬は初春です。
こは、コイです。宍道湖のコイを細く切り、塩ゆでした腹子(卵巣)と和えて煎り酒というタレで食べる「鯉の糸造り」は、代表的な郷土料理だそうです。旬は冬です。
しは、シジミです。粒が大きく身は肉厚で、松江の代表的な味覚の1つです。漁獲高は全国一で、塩分の薄い汽水域に棲むヤマトシジミが主で、大粒貝は湖北で、小粒貝は南岸で獲れます。
松江の観光
- 松江城のお堀めぐり
- 船で、松江城を取り囲むお堀を約50分かけて周遊するものです。船上から見える松江市の町並みは、誰もが忘れかけた懐かしい日本の風景を思い起こさせます。川面を渡る風は時間を忘れさせ、水辺を彩る水鳥や樹木が四季の移り変わりを映し出します。松江城をいろんな角度から見られるのも魅力の一つですね。
- ぼてぼて茶
- 松江名物、ぼてぼて茶というのがあります。番茶を煮出したものに、少し塩を加えて茶筅(ちゃせん)でよく泡立てます。そこに、細かく切った様々な漬物、黒豆、ごはんを少しずつ入れて具の少ないお茶漬けのように作ります。これは、江戸時代に殿様が鷹狩の際に、片手で飲んだり、食べたりできるようにと考案されたものと言われています。味はふんわりとして、泡がおいしいそうです。日本風のカプチーノのように感じる人もいます。
- 松江・ゴースト・ツアー
- 松江には、1890年頃に英語教師としてラフカディオ・ハーンが赴任しました。昔話から「怪談」などを再話したことで有名です。この怪談話にちなんで、松江・ゴースト・ツアーが企画されました。一人1500円で、夜の怖いツアーが楽しめるそうです。忘れられない記念となりそうですね。
島根県の板わかめ
板わかめは、わかめをきれいに水洗いし板状にして干したもので、島根県の特産品です。そのまま又は焙って食べます。ごはんの上に乗せて食べるとおいしいそうです。よい香りがしそうですね。今度島根県へ行ったら、板わかめを買います。
板わかめは乾燥する前に湯通しをしていないので、フコイダンやアルギン酸(わかめのヌルヌル)が他のわかめの加工品に比べて残っているそうです。