ライン川を下る(北へ)

TBSテレヒ「THE 世界遺産」で、ライン川を下る(北上する)コースを紹介していました。

アルプスの山奥から発祥し、北海へ出るまで1230kmの旅です。ライン川は6ヶ国を巡り、そこにはたくさんの美しい風景と歴史がありました。

ライン川の始まり(源流)はどこから

スイスのアルプスの山奥にあるトーマ湖から、ライン川が始まるそうです。海抜2345mの場所にあります。このトーマ湖から100km下ると巨大な湖・ボーデン湖へと出ます。

このボーデン湖は、ドイツ、スイス、オーストリアの3つの国の国境をなしています。また、ボーデン湖はコンスタンツ湖とも呼ばれるそうです。アルプス地方ではレマン湖についで第二の大きさで、面積は約540平方kmあります。ボーデン湖畔では、ぶどうが栽培されており沿岸地域ではワイン生産が盛んだそうです。

この辺りから人の気配がし初めます。そして、川は地元の人の足となります。ライン川は、年間4万そうの船が行き交う国際河川で、世界一の交通量を誇るようです。

世界遺産・ライヒェナウ島(ドイツ)

ライヒェナウ島は、「幸せな島・豊かな島」という意味だそうです。ボーデン湖(コンスタンツ湖)の中にあり、コンスタンツ市のほぼ西側約7kmの所に浮かぶ最大の島ですが、道路でつながっています。

人口3000人で、8世紀に修道士が住み着いたそうです。野菜とワインをつくって暮らしたそうです。25の修道院が建てられました。

ライヒェナウ島にある聖ゲオルク聖堂は、壁の漆喰の下からフレスコ画が表れました。10世紀のオットー朝時代の鮮やかな宗教壁画でした。

ストラスブール旧市街・世界遺産・ストラスブール大聖堂(フランス)

ライン川楽天 を使って商売をしていた商人たちが作った街と教会です。ストラスブール旧市街には、当時の商人たちが住んでいた木組みの家があります。この町はドイツ領であった時代の面影が色濃く残っているそうです。

ストラスブール大聖堂(ノートルダム大聖堂)は、聖母マリアに捧げられた教会です。外壁に赤砂岩が使われているためにとても華やかな感じで、「バラ色の天使」という呼び名がついています。

ロマネスク時代の大聖堂が12世紀だけで4度も火災にあい、全面的に建て直されました。現在の建物は全長が110m、身廊部分の天上高は32mという規模で、142mの尖塔があります。

中部ライン渓谷(ドイツ)・2002年文化遺産登録

世界遺産に登録されているのは、マインツからコブレンツにかけての中部流域の65kmとなります。古城とラインワインのブドウ畑が織りなす美しい風景には、ドイツの歴史と伝説が彩られ、何世紀にもわたって多くの作家、芸術家、作曲家を魅了し、影響を与え続けてきたと言われています。

エーバーバッハ修道院(エルトヴィレの町の郊外)

ドイツのエーバーバッハ修道院(エルトヴィレの町の郊外にある)では、修道士が高級ワインを作り出し、ライン川を使ってヨーロッパ中へ運びました。(エーバーバッハ修道院は、12世紀に創設されたシトー派の修道院で、ショーン・コネリー主演の映画『薔薇の名前』のロケ地ともなったところです)

建物の主な部分が完全に残されている修道院は、ドイツでエーバーバッハ修道院だけだそうです。

リューデスハイム

リューデスハイムのつぐみ横丁は、夜になると賑わいます。144mの路地にワイン酒場ができあがります。世界中のワイン愛好家が集まるのです。

ニジマスの料理もおいしいそうです。そして、必ず歌われる歌があります。

「もし、ラインの水がワインなら、私は魚になりたい。好きなだけ飲めるから、ワインを買う必要がない。ラインの水は枯れることがないから。・・・」こんな詩でした。

ワイン愛好家が、ワインを飲みながら歌うのにぴったりの曲ですね。

川岸のブドウ畑

古代ローマ人がワインを作り始めたそうです。この辺りワインの北限のようです。10月の初めがブドウの収穫の時です。すっきりとした甘口のワインができるとのことです。

たくさんの城

古城や見所がもっとも集中しているのは、リューデスハイムとザンクトゴアール間のおよそ30kmです。この辺りの渓谷には、たくさんの城が残されています。

ビンゲンからライン川を下ると、ねずみの塔が見えます。このねずみの塔は、中世に税関として建てられた後に船の信号灯として利用されたそうです。内部の見学はできません。

それから、ラインシュタイン城、ライヒュンシュタイン城、シュターレック城、シェーンブルグ城が見えます。そして、うねるように続くライン渓谷の中洲にあるプファルツ城は、派手な壁の色で目立ちます。

関所だった、プファルツ城

このプファルツ城には20人ほどの役人が暮らしていたそうです。ここには金庫や井戸があります。金庫は、ここの役人が船から通行税を取ってしまっておくためのものです。この城は関所なのでした。盗賊から船を守ってあげるから、通行税を納めなさいというものでした。

深さ9mの井戸は、通行税を払わなかった悪質な人を捕まえ閉じ込めたこともあったそうです。ねずみの塔、エーレンフェルス城もあります。美しく見える城ですが、関所という仕事をこなしていたのですね。

シェーンブルグ城

さて、関所の仕事を終えて、ライン川一番の美しさを誇るシェーンブルグ城は、50年前から高級ホテルとして使われています。この城の中は、迷路になっているそうです。敵が侵入してきても襲われにくくするためのようです。1泊2人で350ユーロだそうです。城の高い場所からライン川を見下ろしてティータイムも過ごせるそうです。

ローレライ(妖精の岩)

それから、ローレライというライン川に突き出た岩山があります。「妖精の岩」とも呼ばれ、水の妖精が美しい歌声で船乗りを惑わせ、船を転覆させると言われる場所です。

ライン川の川幅が急に狭くなり、急カーブ、川底の岩礁、目の前に高さ130mの岸壁があるという難所だったために、こういう伝説が生まれたと言われています。

そして、ラインフェルス城、ねこ城、ねずみ城、マルクスブルク城、シュトルツェンフェルス城、そして、コブレンツの町へと入ります。

マルクスブルク城

山の上にあるマルクスブルク城は、13世紀前半に作られました。中部ライン川地域で、唯一破壊をまぬがれた城だそうです。中世の姿を完全に残している名城として知られています。

ケルン・世界遺産・ケルン大聖堂(ドイツ)

ドイツのケルン大聖堂は、フランスのストラスブール大聖堂よりも15m高いそうです。高さなどを競いあっていたのですね。ゴシック様式の建築物としては世界最大であり、現在はカトリック教会の管理下にあるようです。

ケルン大聖堂は、石材で600年かけて作られたそうです。大司教の権威の象徴と言われます。大司教とは、クレメンス・アウグスト大司教です。離宮まで作っています。ライン交易で設けた商人からの寄付金などお金がたくさんあったのでしょう。

ライン川はオランダへと続く

ライン川はオランダでいくつもの支流に分かれます。オランダの土地の4分の1が海抜0mにも満たない土地と言われます。

世界遺産・キンデルダイクの風車群(オランダ)

キンデルダイクの風車群は、ロッテルダムの南東約13kmの位置にあり、レク川とノールト川に挟まれた地区のことです。

ここの風車網は1997年に「キンデルダイク=エルスハウトの風車網」としてユネスコの世界遺産に登録されました。

キンデルダイクの風車群は、低い土地から水を組み出す働きをしています。多い時には、10000を超える風車が動いていたようです。現在1000基程残っています。川を遊覧船で巡り、風車に迫る川下りツアーや、風車の内部見学もできます。

「世界は神が作ったが、オランダの土地はオランダ人が作った」という言葉にオランダ人の誇りをみるようです。

そして、河口の街ロッテルダムでライン川は、1230kmの旅を終えて北海へと着きました。しかし、ここから、また次の旅が始まります。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2018/06/07