世界遺産・ソコトラ島
TBSテレヒ「THE 世界遺産」で、イエメンのソコトラ島を紹介していました。ソコトラ島は、「インド洋のガラパコス」「インド洋の赤い宝石島」とか呼ばれているそうです。2008年に世界遺産に登録されました。
私は、ソコトラ島のことを初めて知りました。地球上には不思議な島があるものだと思いました。そして、これからも、珍しい植物が人類を助けてくれると思うと、ありがたい島だと思います。
世界遺産・ソコトラ島とは
イエメンという国にソコトラ島はありますが、距離的にはアフリカのソマリアのソマリア半島の先(東側)の海の中にあります。ソマリアは、エチオピアの南に位置し、インド洋に面しています。
ソコトラ島は、人口は約42000人です。北側の平地に暮らしています。ヤギの放牧と漁業が主な生業となっています。
南側には岩だらけの荒涼とした風景が広がっているそうです。2世紀ごろの素焼きの器が洞窟で19世紀に発見されました。昔は、この洞窟で人が住んでいたようです。
乳香(にゅうこう)が取れるソコトラ島
乳香は、高貴な香り、甘い香りがし、儀式に用いられるそうです。ローマからインドへの航海をする船が、乳香を求めてソコトラ島へ立ち寄ったそうです。そこで、この航路は海のシルクロード楽天 とも呼ばれているそうです。
乳香は、雨季の1月に木の樹液を採り、それを乾燥させます。白い粒になります。この乳香をたく器も作られています。
乳香の樹脂を口に含んで、ガムのようにかむと、口の中を殺菌し虫歯予防になるそうです。
竜血樹(りゅうけつじゅ)から取れるシナバル
きのこのような形をした木の竜血樹(りゅうけつじゅ)の樹液は、真っ赤な色をしています。そこで、竜血樹(りゅうけつじゅ)という名前が付きました。
竜血樹の樹齢が200年を超えてから初めて樹液が取れるそうです。赤い樹液をナイフでそき取ります。この樹液がシナバルです。
シナバルは、貴重であることから、同じ重さの金と取り替えられていました。鎮痛、止血剤として使われていました。シナバルをよくすりつぶし、水で溶いて傷口に塗ります。島民は、血止めの薬として使うそうです。
また、シナバルを使った目薬はトラコーマにも使われました。また、地元では、シナバルは、お化粧や陶器の絵付けにも使われています。
竜血樹は、標高1500mの山脈の中腹にあります。ソコトラ島の年間雨量は、250mmと少ないです。12月~2月の間だけ雨が降ります。4~5月にかけて北から季節風が吹き、山にかかる霧や雲から竜血樹は、水分を取っています。このために、きのこの形をして水分を効率よく取っているようです。
近年、竜血樹の数が減っているそうです。増えた10万頭のヤギが竜血樹の新芽を食べ、枯れる木もあります。
竜血樹は、最初は葉だけ出ます。13年目で、やっと幹が伸び始めます。パラソル型に育ち、花を咲かせ、実をつけるには、200年の歳月がかかります。本当に貴重な木です。ソコトラ島の奥地では、竜血樹を守る活動もされています。
他にも珍しい木々がある
インド洋のガラパコスと言われるだけあって、300種ものこの島だけの特有種があるそうです。
デザートローズ、砂漠のバラ、キューカンバーツリーなどです。このキューカンバーツリーは、木に実る瓜で、世界で1つだけです。
ソコトラアロエは、その樹液をそのまま飲みます。マラリア、糖尿病、高血圧、便秘などに効果があるようです。
ソコトラ島は、アフリカのソマリアの先の島だけあって、アフリカ大陸から切り離された島です。アフリカ大陸では絶滅してしまった木々が、ここではいき続けているのです。ロストワールドが広がっています。
動物では、カニ、マグロ、ヨコシマサワラなどが採れます。雄ガニは砂山を作りメスを呼びます。マグロは、市場では日本円で300円くらいで売られているようです。
ヨコシマサワラは、切り身に黒コショウ、塩、サフランで味付けし焼くだけです。サフランライスの上にこのサワラと野菜を乗せて、手で食べます。3人前で1000円ぐらいだそうです。