天壇公園
天壇公園は、皇帝が五穀豊穣を祈願し、天帝に報告した場所だそうです。北京にある日壇、月壇、地壇の中で天壇は最も重要で、総面積が故宮の約4倍、中国最大最古の壇廟建築物です。
1420年に明の永楽帝天地を祀る大祈殿を創建したのに始まるようです。祈念殿は、清の末期に落雷で焼失し、1896年年に光緒帝が再建しました。1998年に世界遺産に登録されました。天壇公園の場所は王府井(ワンフーチン)から真南へ車で約25分です。
天壇公園の様子・特徴
天壇公園は、故宮から近く南へ約4kmの所にあります。北京楽天 市街地のど真ん中にあります。たくさんの市民の憩いの場所なのだと思いました。
故宮の3~4倍の敷地は、天と地を意味する「南方北円」の南が方形、北が円形の形となり、北へ行くほど勾配が高くなり天に近づくという演出になっています。
皇帝は、正月には祈念殿で五穀豊穣を祈り、初夏には「かん丘壇」で多雨を祈り、冬至には「かん丘壇」で天を祈る祭天大典を行いました。冬至は陰陽の節目といて最重視されていたようです。
天壇公園には、不思議な音を発する場所があり、有名なようです。「かん丘壇」の北側に、「皇きゅう宇」という小振りな建物があります。それを取り巻く回音壁は、壁の端で小声を出すともう一方の端まで伝わるというものです。前庭にある三音石や「かん丘壇」の最上段の中央の天心石などは、材質や構造の関係で不思議な音声現象を発するそうです。どれも、後世の訪問者が発見した現象と言われています。
- かん丘壇
- 漢白玉製の3段の基壇から成り、敷石や階段や欄干は、数の最高の陽数9か9の倍数でできています。
- 皇きゅう宇
- 藍瑠璃瓦で葺いた直径が15.5mの円形の建物です。皇帝がかん丘でお祈りする時には、先帝の位牌を安置しました。
- 九龍柏(きゅうりゅうはく)
- 九龍柏は、皇きゅう宇の西北西にあります。9匹の龍が昇るように見える木肌の檜で、樹齢500年といわれます。
- 天心石(てんしんせき)
- 「かん丘壇」の最上段の中央に立って声を出すと、まるで天の声のようなこだまが返ってきます。周囲の欄干に共鳴した音声が作り出す不思議な世界。中心の石を天心石と呼ぶようになりました。
祈念門
門前には、大きな広場があります。ここから、祈念殿を見上げて写真を撮るのが定番のようです。青空を背景に撮るとより、美しさが際立つようですが、あいにく青空とは言い難い、少しかすんだ空でした。
祈念殿
皇帝が正月に五穀豊穣を祈った場所です。屋根は瑠璃色に覆われ、建物は釘を使わず柱だけで支えています。
漢白玉の祈穀台の上に円形3層の藍瑠璃瓦を葺いてあります。
祈年殿は、金色の玉をてっぺんに持ち、高さは、9丈9尺という天数の最高である9の数で作ってあります。
竜井柱
祈念殿内部の4本の柱は、春夏秋冬を表しています。
皇帝の玉座らしき物も写っています。階段を上って高い所にあるようです。
取り囲んでいる12本の赤い柱は、時刻の表現と見られています。白く見えるものは牛のようです。何頭も並んでいるように見えましたが、どういう意味があるのでしょうか。
天壇公園で楽しむ
天壇公園は、庶民の広場として使われています。退職した人たちが体操をしたり、トランプや碁をしたりしてグループで集まって楽しんでいます。早朝からトレーニングする人も多いようです。
左の写真の人たちは、民族舞踊を踊って楽しみ、また人々を楽しませてもいました。他のグループも様々な踊りを踊っていました。
また、自分の得意な手芸品を作って、展示販売している人もたくさんいました。私たちのように外国からの旅行者が毎日たくさん来るので、それをあてにして商売をしているようです。
編み物のバッグなどもステキな物が置いてありました。中国の人は、手先の器用な人が多いですね。
たくさんの人々が思い思いに楽しんでいるのを見ると、天壇公園は正に北京市民の憩いの場なのだと思いました。6万本もある木々や草花の緑に囲まれ、友達と楽しむには良い場所でした。
1918年、天壇は公園として一般市民に開放されそうです。現在は世界遺産の認定(1998年)も受けて、世界的にも有名な観光スポットとなっています。