イタリア・エトナ山
イタリアのシチリア島にあるエトナ山は活火山で、2011年に16回も噴火(赤い溶岩が出たら数える)しました。「地球イチバン」の番組で、地球でイチバン噴火する火山として女優の東ちずるさんが取材していました。
イタリア・エトナ山とは
イタリアのシチリア島の東部にあるエトナ山は、シチリア島の玄関先に当たるカターニア(空港のあるシチリア第2の都市)の街から標高1900mの登山口まで車で約1時間で行けます。登山口からは標高2900mまでロープウエーと観光バスで登ることもできます。
エトナ山は、標高3300mで、50万年前から噴火を繰り返しています。3000年前からは毎年噴火していて、大きな噴火は200回もありました。火口はなんと300個もあるそうです。
エトナ山は2011年に16回も噴火(赤い溶岩が出たら数える)しました。観光客も多く、火山ガイドつきで山頂までピクニックに来る人もいます。観光客は年間100万人にもなります。2500mの地点までは、ロープーウェイで行くことができます。
東ちずるさんのエトナ山登山体験
特別な許可をもらっての取材で、東ちずるさんは火口を覗いていました。ガスが出て目も喉も痛くなるようです。
1時間火山灰でフカフカの山を登り続けたそうです。登るにつれて足元から熱気が伝わってきて、その辺りの空気も熱くなって来ます。その辺りの地面の約15km下にマグマがあるそうです。
東ちずるさんが訪れる3日前の早朝4時に噴火が起き、高さ500mまで溶岩が吹き上がったそうです。東さんが頭にコンと打ち付けていたのは、溶岩ではなく噴火の際に噴き出す「スコリア」と呼ばれる物で、ガスをたくさん含んだ軽石だそうです。
エトナ山の麓の人々の生活
エトナ山の麓には、20の町があり20万人が暮らしています。火山灰には悩まされているそうです。飛行機が運行中止になったり、傘をさして歩いたりします。
溶岩活用法・建設材料として
流れたばかりの溶岩は、熱をもっているので膨張していますが、冷えるとギュッと圧縮され大理石みたいに固くなります。そこで溶岩を、家の建材として利用しています。
溶岩プレートから、ブロック状に切り出して、家の壁に使います。溶岩プレートは、断熱効果があり、夏は外より10℃は涼しいそうです。家やホテルを作ったり、調理プレートとしても使われていました。
溶岩活用法・ぶどう畑として
標高1000mの土地にぶどう畑がありました。噴火したら危ない場所でもありますが、火山灰にはカリウムや鉄分などのミネラルが豊富だそうです。そして、味の濃いワイン楽天 が作られています。
このぶどう農家の家はぶどう畑から10km離れた場所にありました。そして、ぶどう畑が溶岩で流されたら、また違う場所にぶどう畑を作って代々暮らしてきたそうです。
火山ガイドとして
火山が爆発して起こる噴火物は、火砕流と溶岩流があります。火砕流は雲仙普賢岳で起こりましたが、猛烈な速さで流れます。溶岩流は、流れるのに時間がかかり、1000℃もあるようです。
1928年の大噴火の映像が残されていて、家やぶどう畑が流されました。
1979年の大噴火では、登山客9人が亡くなりました。火口には30人近くいて、1000mの高さまで溶岩が吹き上がったそうです。火山ガイドをしていたオラッティオさんは、これを機にガイドを止めました。が、その時に怪我をした少年が義足をつけて上りに来ました。そして、「エトナ山を恨んでいないよ」と、言いました。そこで、またガイドをする気になったそうです。
溶岩の流れを変えて、被害を少なくする
過去の噴火では、3ヶ月も溶岩が流れたことがありました。10kmも離れた町、3万人の暮らす3つ町が飲み込まれてしまいました。
そこで、世界初の作戦、ダイナマイトで溶岩の流れを変える作戦が行われました。1983年のことです。日々火山を観察していることで、どこを壊せばどこに溶岩が流れるか、溶岩の状態はどうか、知り尽くしていることで、成功しました。そして、人の命と家が助かりました。しかし、ブドウ畑、別荘などは流されました。
「溶岩の教会」を大事にして災害を忘れない
町の教会は、350年前に大噴火に飲み込まれ破壊されました。しかし、40年後に無傷のマリア像が見つかりました。そこで、町の人達は、「マリア像は災害を忘れてはいけないと教えてくれている」と言います。
みんな集まると、若い人達に昔の噴火や災害の話しをするそうです。