サトイモ栽培
サトイモの煮っころがしは、柔らかくねっとりとしていて好きな人にはたまらない味ですね。おばあちゃんの味、おふくろの味としても思い出しそうです。サトイモ栽培は初めてですが、芋の力を信じて豊作を祈り栽培したいと思います。
サトイモのタネイモを用意
3月になるとホームセンターには、いろんな種類のサトイモのタネイモを売っています。8℃以上で保管し、寒風に当てないように注意します。
セレベス、ヤツガシラ、石川早生、大野芋、土垂れなどです。
(食用のサトイモを植えると、生育が悪く病気に罹りやすいようです。少しだけ植えてみたい人は、芽がつぶれたり痛んだりしていないか、腐敗、病気、カビが無いか調べて、大きくて形の整った サトイモ楽天 を植えてみてください。)
サトイモの品種別特徴
- セレベス
- 育てやすくたくさん収穫できる品種だそうです。歯ごたえがよく煮崩れしない。
- ヤツガシラ
- イモもすぐき(芋の茎)も食べられます。煮物に適しています。
- 大野芋
- 福井県大野の品種でねっとりしているが煮崩れしない品種。
- 土垂れ
- 昔から関東地方で作られていて、収穫が多く作りやすい品種。
- 石川早生
- 小型でねっとりした食感、皮離れが良くふかし芋に適します。(芋が充実すると粉質が強くなる)衣かつぎ、煮物などに。
植え付け1ヶ月前(サトイモの芽出し)
育苗箱などに土を入れて種イモを植え、暖かい場所に置き、芽出しをします。
発芽の適温は、15~30℃です。
- 芽が出る期間は、20~25日です。
- 育苗箱などに土を入れ、種イモを並べ3cmくらい土をかぶせ、ワラを1cmかけて水をやった後に、箱の上からビニールをかぶせます。
- 芽の長さは地上2~3cm程度とし、そのくらいになったら、畑に定植します。
我が家では、温室に入れて育苗しました。2013年は、初めてサトイモの芽出しに挑戦しましたが、なかなか芽が出ませんでした。種イモが腐ったかなと心配でしたが、やっと左の写真のように元気な姿になりました。
ちなみに、種を植えたのが3月31日で、5月中旬にやっと芽が出ました。写真は5月28日に撮りました。もう早く畑に植えないといけませんね。
サトイモは、通常発芽するまでに約1ヶ月かかるそうです。芽が出ないのは、地温が低い、深く植えすぎ、種イモにカビが生えていた、植える時に芽の部分を傷つけたなどの原因があるようです。
畑の準備(植え付け1週間前)
- サトイモ栽培に適した畑
-
- 比較的排水が良好な壌土や砂壌土
- 耕土が深い所
- 潅水ができる所
- 畑の準備(植え付け1週間前)
- 堆肥2kgと化成肥料50~100g/m2をまいて、深さ約30cmほどをよく耕しておきます。(サトイモは酸性土壌に強いから苦土石灰はまかなくても良い。稲作の後に植える時には、2週間前に苦土石灰を約50g/m2まいてよく耕す)
タネイモの植え方
気温が十分上がってから植え付けをします。黒マルチを張れば地温を上げて、成長を早められます。
畝は幅60~70cm、高さ10cm程度に作ります。
芽出ししたサトイモを50~60cmの間をとって植えます。土を種イモの上から5~6cmかけられる深さに植えます。(サトイモは株間20cm、ヤツガシラは株間40cmと書いた本もあります)
小さい種イモは芽を上向きに、大きい種イモは斜めに植え付けます。
マルチは、透明なフィルム0.02mm、150~180cmのものを使うと良いそうです。
植え付けは、雨が降った後が最適です。雨が降らない時には、植え付けの前日に畝に水をたっぷりかけておくと良いそうです。
追肥と土寄せ
6月頃に1回目の追肥と土寄せをします。畝の肩に化成肥料を30~50gまき、土寄せをします。が、土が多すぎると酸素不足になり小芋の成長が悪くなると言います。梅雨明け後なるべく早く行います。
7月頃に、2回目の追肥と土寄せをします。1回目と同じ作業です。
8月頃に3回目の追肥と土寄せをします。1回目と同じ作業です。7月中に終了する方が良いと書いてある本もあります。8月に入ってからの土寄せには、断根に注意が必要です。
マルチを敷いている場合には、土寄せはしません。
土寄せの要らない植え方
普通は、サトイモの芽を上にして植えますが、「逆さ植え」という方法があります。種イモを逆さに植えると、下向きに出た芽がUターンしてそこで親芋になるので、深い位置に子芋、孫芋ができるそうです。土寄せも要らないし、日焼けもしないです。発芽までに日にちはかかりますが。一度やってみてもいいなと思います。
サトイモの芽かきなど
親芋から2本以上の芽が出たら、親芋を大きくするために大きな芽を1本残します。他は芽かきをします。普通は、子いもの芽かきはしません。土をかぶせて芽が出ないようにします。芽を欠き取ると、形の整った大きめの子いもが取れます。
8月頃の最後の土寄せが終わったら、敷きワラをして乾燥を防ぎます。ワラの代わりにダンボールなどでも良いそうです。夏の乾燥時には、水やりも必要です。しかし、水が常にたまった状態はよくありません。
7月下旬から9月上旬は孫芋の肥大期なので干害を起こさぬように潅水が必要です。潅水後半日で水が完全に引くようにします。
サトイモの収穫時期
霜が降りる前に収穫を終えます。
株元から包丁などで葉を切り取った後、スコップで掘り上げます。
ジャガイモと違って、イモが緑色になっても毒成分は無いから安心して食べて良いそうです。
ズイキ用の品種やヤツガシラは葉柄も食べられます。
イモが思ったより小さかった時には、低温、夏場の乾燥、肥料不足、土寄せが不十分、土寄せが多すぎて酸素不足、葉が青いのに収穫したなどが考えられます。
サトイモの長期保存法
長期保存する場合には、葉が完全に枯れてから収穫します。枯れたらイモの水分が少なくなっているから、腐りにくいです。傷んだイモは外します。
深さ80cmの穴の底に藁を敷きます。茎の切り口を下にして、親芋、子芋を積み上げます。イモの上に藁を置いて、土を山形に盛り上げます。来年の種イモとしても使えます。
サトイモの病気、害虫
目立った病害虫は無いからとか。
ハスモンヨトウ、スズメガの幼虫は捕殺します。
たまにアブラムシが発生するようです。畑の周囲にソルガムをまくと防ぐことができます。
サトイモの栄養と効能・健康効果
サトイモは、デンプン、ビタミンB1、ビタミンB2、タンパク質が多く含まれています。また、ムチンやガラクタンも含まれています。
サトイモは、消化吸収が良く老人や子ども病人の栄養補給に最適です。消化促進、滋養強壮、潰瘍予防、解毒などの働きもあります。
また、健脳や気管支炎の予防や改善の効果もあります。
サトイモの皮をむく時手がかゆくなるのは、シュウ酸カルシウムのせいです。苦い味もこのシュウ酸カルシウムのためです。
サトイモは、田楽、塩ゆで、いも汁、炊き込みご飯などに入れて食べます。葉柄は汁の具、漬物にします。葉柄はずいきと呼ばれ、皮をむいて乾燥させ保存食品にします。