肥料について
野菜などの植物は、根から土中の栄養分を水分と一緒に吸収し、葉からは空気中の二酸化炭素を取り入れて光合成を行なっています。野菜などは光合成で作った養分で生長します。
そこで、土の中の栄養素はしだいに減っていきますから、人工的に肥料をやって立派な野菜や果樹などを育てます。
効果的な肥料のやり方などについて勉強したいと思います。
肥料の種類
肥料は有機質肥料と無機質肥料に分けられます。
- 有機質肥料
- 自然にある植物や動物から作られた肥料です。有機質肥料は、ゆっくりと長く効きます。量が多すぎる肥焼けの心配はあまりないそうです。土の通気、水はけ、水持ちがよくなります。土づくりの時の肥料の主体となるようです。
- 無機質肥料
- 有機質肥料は、化学物質を合成して作られています。速効性、遅効性、緩効性があります。足りない養分だけを選んでやることができますが、やりすぎると、野菜が腐ったようになったり、生長サイクルが変わりいつまでも収穫できなかったりします。化成肥料は、土壌の改良効果がないので、急速に酸性化します。
複数の成分を含む化成肥料楽天 、無機質と有機質を配合した配合肥料、液体肥料などもあります。
肥料の三大要素
野菜の成長過程で大量に使用する養分が、窒素・N、リン酸・P、カリ・Kで、肥料の三大要素と呼ばれています。
- 窒素
- 窒素は、葉肥えと言われ、茎や葉の生長を促進します。根菜類には欠かせない成分です。不足すると生長が遅れ、効き過ぎると軟弱になるので、適量を与えます。雨で流れやすいために、追肥をします。
- リン酸
- リン酸は、実肥えと言われ、果菜類、根菜類に必要な成分です。生育初期に多く必要で、不足すると根の生長が悪く、寒さにも弱くなります。花つき、実つきも悪くなり、収穫に影響します。雨では流れません。
- カリ
- カリは、根肥えと言われ、根の発育を促し、耐寒性、耐暑性、耐病性も高めます。不足すると根菜類の収穫が減ります。水に溶けやすいので、追肥をします。
元肥と追肥量の目安
- 堆肥や有機質肥料
- 元肥として全量をまきます。1m2当たり5~12kgまきます。多く栽培する時には全面にまき、少ない時には株元にまきます。
- 石灰
- 元肥として全量をまきます。1m2当たり100~150gまきます。全面にまき、土とよく混ぜます。
- 窒素・チッ素
- 元肥として1/2を、追肥として1/2を何回かに分けてまきます。栽培期間の長い野菜は、追肥の回数を多くします。
- リン酸
- 元肥として全量をまきます。土にはあまり混ぜないようにし、根のはる場所にまきます。
- カリ
- 元肥として1/2を、追肥として1/2を何回かに分けてまきます。栽培期間の長い野菜は、追肥の回数を多くします。
野菜の種類別、施肥量
1m2当たりの施肥量gです。
- チッ素:リン酸:カリ=30:20:25
- キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、セロリー、アスパラガス、レンコンなど
- チッ素:リン酸:カリ=25:15:20
- スイカ、イチゴ、キャベツ、レタス、カボチャ、トウモロコシ、ニンジン、ゴボウ、ショウガ、ホウレンソウなど
- チッ素:リン酸:カリ=20:10:15
- ダイコン、カブ、ジャガイモ、サトイモ、ヤマイモなど
- チッ素:リン酸:カリ=3~10:10:15
- サツマイモ、ラッキョウ、ニンニク、マメ類など
堆肥の作り方
堆肥は、植物などの有機物を微生物で分解したものです。
落ち葉や生ゴミなどを発酵させて作ったものです。未熟な堆肥は、病害虫の発生の原因ともなります。
堆肥には、三大要素の他にも微量要素があり、土に混ぜると通気、保水、排水がよくなり土壌を団粒構造にしてくれます。
コンポストでも作れますが、大量に必要な場合には、自家製堆肥をつくります。
自家製堆肥の作り方
- 大きめの木枠を用意します。中には刈草、稲わら、落ち葉、生ゴミなどを入れます。その上から水をかけて滲み出る程度に湿らせます。その上から足で踏みつけて潰します。
- その上に、発酵剤や米ぬか、油粕、鶏糞などをまきます。
- 1.2.を繰り返し、層を重ねます。全体をビニールシートなどで覆って雨よけをします。
- 10~20日後、発酵の熱が引いたら、いったん切り崩して空気をいれるように混ぜます。後で雨よけをしておきます。
- 切り崩しを2~3回して、臭いがほとんどなくなり、掴むとポロポロと崩れるようになったら出来上がりです。高温期なら2~3ヶ月、低温期なら8ヶ月以上かかります。
ぼかし肥えの作り方
ぼかし肥えの作り方の一例として、米ぬか3リットル、籾殻6リットル、赤玉土9リットル、鶏糞12リットルを混ぜあわせ、水を少しかけて水分が均等にしみ込むように混ぜます。
水は4~5回に分けてかけ混ぜて山にします。雨よけをして発酵させ、また混ぜあわせる作業を繰り返します。約1ヶ月後、臭いがなくなったら出来上がりです。
乳酸菌発酵液(液肥)の作り方
2リットルのペットボトルに牛乳30ccと黒砂糖30gを溶かして入れ、米のとぎ汁で満たします。8分目辺りが良いかと思われます。発酵して漏れ出さないようにします。
キャップは緩めて、温かい所で、2週間ほど置きます。ヨーグルトのような香りがしたら出来上がりです。
200~300倍に薄めて野菜に散布します。
砂糖と塩でも作れるようです。砂糖15gと塩5g、米のとぎ汁を500mlのペットボトルに入れます。吹きこぼれを防ぐために、米のとぎ汁を少し減らしておくと良いと思います。
日当たりの良い場所へ置いて、夏場は1週間、冬場は2週間ほどで匂いが甘酸っぱくなったら出来上がりです。100倍薄めて野菜の根元に使います。
簡単な「えひめAI」の作り方
材料は、ヨーグルト50g、納豆パックをぬるま湯ですすいだ物300cc、ドライイースト11g、三温糖40gです。これらを、500mlのペットボトルに入れ、キャップは緩めて日当たりの良い場所へ1週間ほど置きます。吹きこぼれにご注意ください。
上澄み液は、台所洗剤として使ったり、生ごみの消臭などに使えると言います。
下のおりは、1000倍液に薄めて葉面散布します。根元にかける時には、300~500倍に薄めて使います。
甘くて大きい大根が作れたり、うどんこ病の予防になるそうです。
わかめペーストの作り方
ワカメには、海のミネラルがたっぷりで、微生物の良い餌になるそうです。
乾燥ワカメを水に戻し、ミキサーにかけます。10リットルのバケツに大さじ1の分量で薄めて畑にまきます。