子どもにかかる費用
子どもにかかる費用は、いったいいくら位かかるのでしょうか。学費や食費、衣料費、塾に通う費用などの大まかな費用を知っていると、計画的に学費などを用意できると思います。
また、私立と公立学校の費用の違いもあります。幼稚園の入学前からじっくりと検討しておくことが必要のようです。
大学卒業までの生活費用・約1640万円
民間の保険会社の調査結果(2006年)だそうです。生まれてから大学を卒業するまでの22年間の基本的教育費です。
- 食費 約671万円
- おこづかい 約451万円
- 保健医療・理美容費 193万円
- 衣料費 141万円
- 子どもの私物費 93万円
- 出産・育児費 91万円
22年間の基本的 教育費楽天 の総計は、約1640万円となっています。
幼稚園入学から大学卒業までの学費(公立・私立別)
- 幼稚園・2年 公立約64万円/私立約147万円
- 小学校・6年 公立約308万円
- 中学校・3年 公立約229万円/私立約525万円
- 高校・3年 公立約252万円/私立約479万円
- 大学・4年 公立約492万円/私立文系約604万円/私立理系約720万円/私立医薬系約2965万円
幼稚園から大学まで、全て公立学校へ行った場合は、教育費が1345万円で、基本的教育費1640万円を足すと、総合計2985万円で一番少なくて済みます。
私立幼稚園から小学校のみ公立学校で後は私立へ進んだとしたら、大学が私立文系の場合は、総合計3703万円となります。大学が私立理系の場合は、総合計3819万円となります。大学が私立医歯系の場合は、総合計6064万円となります。
学校別の教育費
幼稚園から高校まで、全て私立だと1662万6432円で、公立の約3倍となるそうです。
慶応幼稚舎では、153万6480円で、入学年度の支払いとなっています。内訳は入学金340,000円、 授業料 [年額] 940,000円、施設設備費 [年額] 130,000円、教材費 [年額]16,480円、 文化費 [年額]20,000円、給食費 [年額] 90,000円となっています。
インターナショナルスクールでは、年額約200万円かかります。
パブリックスクール、イギリスの王子が通う学校では、年額約375万円かかるそうです。
2010年8月の調査、高校卒業生の進路
2010年春、高校を卒業した107万人のうち、大学・短大に現役進学した生徒は、7年連続で増加し、過去最高の54.4%に達したそうです。
- 今春の高校卒業生の進路
- 大学・短大進学は54.4%、専門学校進学15.8%、就職15.8%、その他14%となっています。
大学進学率が上がっているのは、少子化が進んでいる一方で、新しい大学や学部が開設され、合格しやすくなっていることもあるようです。加えて、就職難が進学率を高めているそうです。
医療・福祉系の学部は、大卒と国家資格の両方の取得を目指せるため人気があるそうです。
景気は混迷を続け、大学生の就職戦線も厳しく、大学へ行けば何とかなるという思い違いは、親自身が正した方がよいそうです。
学校外活動費(習い事)は親の年収で格差あり
2009年3月のベネッセ教育研究開発センターの調査によるものだそうです。3~17歳の子を持つ親1万5450人の回答をもらったようです。
親の年収により、子どものスポーツや芸術、学習塾、学校外教育活動の費用のかけ方に格差が出ているそうです。
親の年収400万円未満の場合は、月額8700円
親の年収800万円以上の場合は、月額26700円
上記のように、月額18000円の差があったそうです。その内訳は、以下の通りです。
スポーツでは、2400円(親の年収400万円未満の場合)と4900円(親の年収800万円以上の場合)で2500円の差が出ました。芸術では、1100円と3600円で2500円の差が出ました。通信添削などの家庭学習では、2200円と4600円で2400円の差が出ました。学習塾などの教室学習では、3000円と13600円で10600円の差が出ました。
習い事の費用
7歳の男の子の習い事では、
- 水泳
- サッカー
- 英会話が人気だそうです。
女子では、
- ピアノ
- 水泳
- 英会話だそうです。
私立に通っている子どもの学校外の習い事の費用は、年間56万4300円だそうです。
児童手当
2012年3月末で「子ども手当て」は廃止され、2012年4月から「児童手当」になりました。(子ども手当は、平成22年6月から実施され、2010年度は子ども1人当たり月1万3000円を6月と10月と2月の年3回、手続きした銀行に振り込まれました)
児童手当
0歳~3歳未満・・・月額15000円
3歳~小学校修了前・・・月額10,000円(第1子・第2子)月額15,000円(第3子以降)
中学生・・・月額10,000円
支払い時期は、10月分~1月分(4カ月分をまとめて)2月に、2月~5月分は6月に、6月~9月分は10月の各自治体の決められた日に支払われます。
所得制限の目安は、* 所得制限960万円が線引き(夫婦二人子供二人のモデルケース場合)。* 夫婦二人の収入を合算したものではなく、どちらか一人の年収が高いほうでみる。* 子ども手当の所得制限世帯には5,000円支給。となっています。
奨学金活用のススメ
親の給料が上がらない今、大学に上がる子をかかえると経済的に大変です。大学生の約3人に1人が利用する日本学生支援機構(旧、日本育英会)を活用することも考えたらよいと思います。
- 第1種(無利息)
- 学力基準は、平均3.5以上、年収・所得の上限(4人世帯の目安)は、国公立の場合は、給与所得者で951万円・自営業で465万円となっています。私立の場合は、給与所得者で998万円・自営業で512万円となっています。貸与月額は、国公立・私立ともに3万~6万4000円となっています。
- 第2種(利息付き)
- 学力基準は、平均水準以上、年収・所得の上限(4人世帯の目安)は、国公立の場合は、給与所得者で1292万円・自営業で757万円となっています。私立の場合は、給与所得者で1344万円・自営業で809万円となっています。貸与月額は、国公立・私立ともに3万~12万円となっています。
*年収・所得基準は2011年度に改定する予定です。第1種を受けるには、高校3年の春に申し込む必要があります。大学入学後に改めて申し込むことも可能ですが、親の失業といった不測の事態を除いては、申し込みは毎年春だけです。
第2種の利息の利率は、昨年3月に卒業し10月から返し始めた人の場合の固定利率は、年1.52%で、銀行で借りるより低めに抑えられています。最近は、就職が決まらない場合も多く、最長5年間返済猶予できる仕組みもあります。
4年間で借りられる最大額は、第1種が307万2000円、第2種が576万円です。大学2~4年生の時にかかる学費は、各年とも平均153万円にのぼり、機構の奨学金だけでは賄いきれません。
地方自治体が行う奨学金、大学独自の授業料減免制度、新聞配達の奨学生制度なども検討してもよいと思います。中には返済義務のない奨学制度もあります。
国の教育ローン、民間の教育ローンについて
- 日本制作金融公庫
- 日本政策金融公庫が融資している国の教育ローンは、返済期間が15年以内(交通遺児家庭または母子家庭は18年以内)と長く、学生1人につき300万円まで借りられます。日本学生支援機構の奨学金と重複して利用することもできます。申し込みは入学月の翌月末までなので、早めに申し込みましょう。合格発表前でも申し込めます。
- 民間銀行
- 無担保型で保証人不要の場合、最高300万~500万円まで、返済期間は最長10年というのが一般的です。インターネットで申し込みができる銀行もあります。
奨学金の返済について
国の事業として奨学金を貸し出している「日本学生支援機構」が行った、奨学金の返済についての調査を、テレビニュースで発表していました。
奨学金の返済が6か月以上滞っている約 3500人と、奨学金を返済している約9100人からの回答結果でした。
正社員として働いている人は、70%でした。
アルバイトや派遣で働いている人は、16%でした。
無職の人は、4%でした。
この内、アルバイトや派遣で働いている人の奨学金の滞納者は、37%でした。
無職の人の奨学金の滞納者は、19%でした。
そして、奨学金の支払いが滞っている人の年収は、300万円までの人が90%で、その内の半数近くが年収100万円未満だそうです。
日本学生支援機構では、厳しい経済状況が奨学金の返済を難しく しているとして、経済的に苦しい人に対しては、一定期間返済の猶予を認めているほか、2011年1月からは、返済期間を延ばすことで毎月の返済額を減額する新しい制度を始めることにしています。