発達障害
子どもの発達障害にも、いろいろあります。その特性をよく理解して、その子どもに対応していく必要があります。まず発達障害についてよく知ることから始めたいと思います。
ASD・自閉症・アスペルガー症候群
ASD・自閉症・アスペルガー症候群は、特に対人関係に障害が起きます。
- ASDの子どもの様子
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- 保育園では一言も話さず、表情もないそうですが、家では会話もちゃんとできます。
- 相手の気持ちやその場の状況が読めないそうです。
- たとえ話や皮肉がわからないそうです。
- こだわりが強いそうです。
- 聴覚、視覚、触覚などが敏感だそうです。
- アスペルガー症候群の様子
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- 人の視線が気になるそうです。集団や多くの視線が苦手です。
- 先生やリーダーに視線が気になるということを話しておき、何らかの対応をしてもらう。
対応の仕方
- 小2男子の場合
- 知的水準テストの結果5歳程度。支援学級でも社会性は養われます。特別支援学級で、安心できることがよいです。本人に合わせて、ゆっくりと教えてもらうことがよいです。
- ASDの小2男子の場合
- 通常の学級にいます。掃除をさぼったり、給食の時間に順番を抜かされ、大声を上げて、友だちに殴りかかりました。そういう場合は、「目で見える化」が大切です。掃除の順番シートを作り、机を運ぶ、はく、ふくなどの手順がわかるようにします。また、給食の並び順マークを作り、配膳台にも貼っておきます。先生の働きかけが大事です。本人や周りの子も具体的にほめることが必要です。4~5人のグループを作り、分担をはっきりと決め、班の一員としての自覚をさせます。
- 2歳3ヶ月
- 自閉症で睡眠障害があります。こだわりが強く、日常生活に支障があるが、入園させたいか? 小児神経学会HPwww:child-peuro-jp.org/visitor/sisetu2を参考にしてください。保健所では、療育センターや発達支援センターなどへの連絡もしてくれます。
- 高3の息子の場合
- 息子はアスペルガー症候群ですが、学校で周囲の人に告知すべきか迷っています。事前の準備が必要です。告知するかどうかは専門医へ相談すべきです。事前の準備は、原稿を作成し、親と先生専門家にチェックしてもらいます。
ASDのソーシャル・スキル・トレーニング
社会との関わりを学ぶ「行動レシピ」を作ります。
例エレベターに他人が乗るのを拒絶します。説明してもガマンできずに暴言を吐きます。視線もいやがります。
「ぼくが先に乗っているのに」→他者の理解が苦手です。
「見んといて」→視線や触られるのが怖いのです。
そこで、エレベーターは、どういうものか、どうすれば安心して乗れるか、教えます。
- エレベーターに乗る
- エレベーターに乗ると、行きたい階に疲れずに行けます。エレベーターには、たくさんの人が、乗り降りします。降りる階のボタンを押して、「降ります」と言います。
カウンセラーや言語療法士の方などから、具体的、簡潔に書いて教えることを学びます。
ADHD・注意欠陥多動性障害
ADHDの5歳の娘を叱ることが多く、自分が嫌になる、親としてどうしたら良いか?
- ADHDの5歳の娘の場合
- 廊下は走らない!、静かにしなさい!と言うよりは、廊下は右側を歩きます。今はお話はしません。今はこのぐらいの声でね。と、具体的に言います。ダメ、止めなさい!と言われても、どうすればいいのか、分からないでいるのです。順番を待ちなさい!と言うよりも、今は2番目だから、もう少し待とう。と具体的に言います。
- ADHDの小2男子の場合
- 授業中に教室を出る。立ち歩くなどします。トヘクン・エコノミー点数表を使う方法があります。目標になる行動を設定して、それができたら点数を表に書き込みます。(この点数に当たるものを「トークン」と呼びます)、トークンが一定点数たまったら、子どもの好きなごほうびと交換する、というものです。子どもが楽しんでがんばれるようにします。
- ADHDの中3の男子の場合
- LD(学習障害)もあり、音読や漢字が苦手です。全ての教科で黒板に書かれた漢字にかなをふってもらうとよいです。
発達障害楽天 の原因
自閉症は多因子疾患であると言われています。遺伝子の変化と、環境的要素とが複合して自閉症が起きるとしています。兄弟姉妹(主として兄弟)での発病率を2%と推定しています。一般の発病率0.1%と比較すると数十倍の高率になります。
環境的要因として推測されているのは、有害ミネラル、環境ホルモンなどです。 有害ミネラルは、砒素、カドミウム、水銀、アルミニウム、ベリリウムなどです。これらが体内に蓄積して脳神経の生成、情報伝達の阻害をもたらすとするものです。
環境ホルモン説は更に複雑で、かつ種類が膨大なようです。
薬物療法
- ASDの場合
- リスペリドンは、パニックを抑えます。まだ、保険適応になっていません。
- ADHDの場合
- メチルフェニデート、アトモキセチンが使われます。効果は集中力が増す、多動性、衝動性を抑えます。症状が8割は軽くなるか、消えます。副作用は、食欲不振、不眠などで、重篤な副作用はありません。