白血病ウイルス
2009年6月、元宮城県知事の浅野史郎・慶応義塾大教授(62)が自らの成人T細胞白血病(ATL)の発症を公表し、骨髄移植を受けられました。
この成人T細胞白血病(ATL)は、母親の母乳から白血病ウイルスが感染するということで、妊婦検診で必ず調べるようにと浅野史郎さん達も厚労省へ歎願されていました。
あまり知られていない成人T細胞白血病(ATL)について調べたいと思います。
成人T細胞白血病(ATL)
- 成人T細胞白血病楽天 (ATL)は、HTLV-1ウイルスによって起きます。
- 母乳を介して母親から子どもに感染する例が多いです。
- 発病すると白血球の一部T細胞ががん化します。治療は難しいが、感染力は弱いです。
- 発症率は3~5%で、約50年ぐらいの潜伏期間の後に発症します。
- 国内の患者数は108万人、2007年には1075人が亡くなっているそうです。
- 0.2%の人が神経の病気になります。
- 2009年に難病の指定を受けました。
- 特に九州に多く、近畿地方、関西地方がついで多いようです。日本では、患者のみならず、約100万人がこのウイルスのキャリア(保菌者)だそうです。このウイルスの分布を調べら、中国大陸や韓国では見つからなかったが、南米大陸を南北に走るアンデス山脈の先住民族の血液を調べると、日本と同じタイプのHTVL-1を持つ人がたくさんいたそうです。日本は世界的にもHTVL-1感染者が多い国で、その分布は南北に偏っています。
感染経路・症状
HTLV-1ウイルスは、母乳や輸血、性交渉でうつるそうです。母乳に冷凍,あたため,3ヶ月のみの短期間授乳でも感染率を低くなるなどの研究もあるようです。
症状は、リンパ節腫脹、肝脾腫、皮疹・紅皮症・小腫瘤、下痢、咳、肺病変などが現れます。
このウイルスは、目の病気や下半身の麻痺など様々な病気を引き起こします。HTLV-1関連脊髄症(排尿障害・下半身マヒ)の人は約1500人います。また、HTLV-1ぶどう膜炎(視界がくもる)なども起こします。
検査法
血液検査等が行われます。高カルシウム血症や血清LDH値が高い、血清抗HTLV-1抗体(ATLA抗体の陽性、末梢血中に異常リンパ球(ATL細胞)出現などが現れるようです。
治療法
抗がん剤治療や骨髄移植などが行われます。
HTLV-1、妊婦検診
主に母乳を介して母子感染する成人T細胞白血病(ATL)などの原因ウイルスHTLV1対策で、首相官邸の特命チームは2010年10月5日、ウイルス感染の有無を調べる抗体検査を、公費負担による現行の妊婦健診の項目に追加することを決めました。
検査項目にATLA、ATL、HTLV-1などの項目があれば、これが相当します。個人の自費では約2000円程度でした。16未満は陰性、16以上は詳しい検査が必要になります。
検査結果が陽性の場合は、年1~2回診察を受ける必要があります。
献血での検査
献血では、HTLV-1の抗体検査もしてあります。検査結果を求める項目に丸をすれば、結果が送られて来ます。