子育て、孫育て
2004年に初孫が生まれ、改めて子育て、孫育てについて考えるようになりました。
自分の子育ての時期には、日々の細かな世話に追われて大局的な目を持たずに育てていたように思われます。でも、赤ちゃんと言えども一つの人格を持った人間として接しようと思って育てました。
今では、時間的にも心理的にも余裕が生まれ、子育て、孫育てについても考えが少し変わってきたように思います。時代が進むとともに科学的な解明も進み、私たちの子育ての時には良しとしたことも今では反対に良くなかったということもあります。
赤ちゃんの離乳の問題などがそうです。私たちの時代には母乳だけでは栄養不足になるから、早い時期から離乳の練習として果汁を早くから与えていたように思います。今ではアレルギー対策のために7ヶ月以降からと言われています。
今ではかわいい孫との関わりから、こちらが学んだりまた癒されたりしています。こんな些細な日々の日常を忘れないためにも記しておきたいと思います。
そして、あまりにもデジタル化されて行きつつある現代社会の中で、どう育てたらいいのかと、悩んでいる子育て中の人たちに、ほんの一滴でも参考になればいいなと思っています。
私は看護師と養護教諭1級の資格を持っています。そして、看護師や養護教諭として保健室の先生として働きました。そこで、皆さんに保育・子育ての情報などを分かりやすい言葉でお伝え出来ればと思って書いております。
「子育て5つの誤り」
1998年に発行された 「健康は『呼吸』で決まる」 医学博士西原克成著 実業之日本社刊 1300円+税 の中から、とても興味深い「子育て5つの誤り」を見つけました。
日本人の子育てが、系統発生学と進化学に照らして、脊椎動物の哺乳類としての人類のあるべき育児法からはずれていると西原克成先生は言われています。
- 離乳食の開始時期の誤り
- おしゃぶりをはずす時期の誤り
- 寝相(うつぶせ寝と横向き寝をさせる)の誤り
- 舌による認識をさせない誤り
- 乳母車を早くやめる誤り
1.離乳食の開始時期の誤りについては
1歳未満の乳児の腸管は未完成で、早くから離乳を始めると素通りしたたんぱく質が抗原となって抗体を作るから、育ってから食品アレルギーになるそうです。生えび、そば、ピーナッツバターを離乳期の早期に与えると、これらの食品でアナフィラキシーショックを起こして死に至ることもあるので、注意が必要です。
生後5~6ヶ月から大人と同じ食べ物を与えると、体が丈夫になるどころか、ヘナヘナの病気持ちの子にしかなりません。
1歳未満の乳児にハチミツを与えると、ハチミツの中にボツリヌス菌の芽胞(胞子)が含まれていることがあり、腸管から吸収されて発症し、死に至ることがあるので、ハチミツは1歳すぎてから与えることが常識となっています。
ゴリラ、オランウータンなどは、人間よりも大型でも1歳から2歳までは母乳のみで育ちます。母乳が出にくいのは、人間が今のお産では胎盤を食べなくなったからだそうです。現在の日本にも自分の胎盤を食べるように勧める産科の先生がいると西原先生は書かれています。胎盤を食べると2~3分してお乳が出てきて、驚くほど元気になるそうです。胎盤に乳を出すことに関連したホルモンが入っているようです。
胎盤を食べることには抵抗がありますが、強い母性の持ち主は主治医の先生に相談されてみたらいかがでしょう。でも、「うちでは、そんなことはしたことがありません、必要もないでしょう」と、一笑にふされるかも。母子にいいことならなんでもやろうという先生は少ないかも。そうでなくても、産科小児科は、訴訟ざたが多くて、産科小児科医のなり手が少ないという今、多くを望んでいる時ではないかもね。もっと高度なものを求める時には、自分からそういう先生を探していくことが必要になりますね。
2.おしゃぶりをはずす時期の誤り
日本、韓国、中国などのアジア系の人々は、1歳でおしゃぶりをはずしていますが、早すぎます。このため、現在の日本のこどもたちのほとんどが口呼吸の癖をもっているのです。
欧米では、 おしゃぶり楽天 を早くはずすと口呼吸の癖、指しゃぶりによる歯や顔の変形に60年前に気づいたそうです。そして、3~4歳まで使うように医師が指導しています。鼻呼吸さえ身につけばおしゃぶりでわずかに開くかみ合わせは4歳くらいには自然に矯正され、丈夫で左右差のない顔になるようです。
おしゃぶりを1歳でやめるか、4歳まで続けるかで、脳、顎、鼻の発達にも大きな差が出ると西原克成先生は書かれています。
おしゃぶりを使うと歯の不正咬合やあごの形の変形が現れるという意見もあります。
*お子さんが歯の不正咬合になった方は、おしゃぶりは二歳までにやめること、清潔に使うこと、それからおしゃぶりをどうしても使う場合は一日一時間程度でやめた方がいいという意見を述べておられます。
3.寝相(うつぶせ寝と横向き寝をさせる)の誤り
うつぶせ寝の赤ちゃんの突然死がたくさん出たことから、現在はうつぶせ寝は推奨されていないと思います。むしろ、うつぶせ寝はしないようにと指導されていると思います。
この姿勢で寝かされて育つと、上向きでは眠れなくなるために歯列弓と顎と顔がゆがみ、鼻筋が曲がり、これが長期間にわたると起床時に習慣性の顎はずれになることもあるそうです。
4.舌による認識をさせない誤り
幼児は成長の過程でいろんな物をなめるが、舌による認識の方法を少しずつ外界に広げて応用しています。そして、次に指、立ち上がると目で認識するように成長します。
日本では汚いといってやめさせるが、間違いで、その頃の赤ちゃんは、なめることでワルダイエル扁桃リンパ輪で記憶すべき細菌を覚えるのです。なめさせてはいけない病院のスリッパなどには、十分ご注意ください。
掃除をした畳を舐めさせると良いと聞いたことがあります。どうなのでしょうか。昔の赤ちゃんは畳をハイハイしていましたから、畳をずいぶん舐めたことと思われます。
5. 乳母車を早くやめる誤り
赤ちゃんが歩けるようになったからといって、歩行訓練をするのはよくない。直立二足歩行はかなりの重労働で、免疫系が十分に発達していない幼児を疲れさせるほど歩かせることは将来にとってよくないそうです。
こどもが歩き疲れ道に座り込んだら、抱っこか、 乳母車楽天 に乗せるべきです。小さな子にリュックを背負わせてせっせと歩かせると、関節頭にある大事な白血球造血巣を力学的に痛める。3~4歳になるまで乳母車を使うとよい。小学生に無理なスポーツをさせるのも禁物です。
その他、口呼吸が免疫力を弱める、宿命的な人類の5つの構造欠陥、呼吸器の構造と役割、癖を矯正して免疫力を強化する方法、機能性疾患の症例と治療例などが書いてあります。興味のある方は、1998年に発行された 「健康は『呼吸』で決まる」 医学博士西原克成著 実業之日本社刊 1300円+税 を探して読んでください。
赤ちゃんの才能・知能を育てる育児
平成5年に発刊された、「赤ちゃんの頭がよくなる育て方」 櫻井正孝先生著 主婦と生活社 1200円+税 には、人間はは3歳までに脳のネットワークの70%が完成するので、この時期の育て方が重要だと説いておられます。3歳までの親子のコミュニケーションの取り方について細かく指導してもらえる本です。赤ちゃんの才能・知能を育てることに興味のある方はぜひ購読をお勧めします。
0歳児
- 赤ちゃんが気持ち良いと感じる刺激が必要です。赤ちゃんが目を覚ましている時には、話しかけたり、ガラガラなどのおもちゃであやしたりして、お母さんの優しい声とまなざしとスキンシップで赤ちゃんを育てます。
- お母さんは、おいしいおっぱいを赤ちゃんにあげられるように、食べ物に気をつけてください。バランスのとれた食事、地物の安全な野菜、食品添加物の少ない物など安全な食品を選んで摂取するように心がけてください。
- 抱き癖はかまわないので、十分にだっこしてあげてください。
- ハイハイは十分できるように工夫してください。音の出るボールなどで遊んであげてください。
- 胎教の時に聞いた音楽を聞かせてあげると赤ちゃんの心が落ち着きます。
- 赤ちゃんが喜ぶあやし方をいろいろと工夫してください。赤ちゃんが笑っている時に脳が育つそうです。
- おんぶ、抱っこ、高い高いなどをやってあげ、体を左右に傾けることで、赤ちゃんの脳の発育が早まるそうです。
- 赤ちゃんの離乳食はゆっくりと始めてください。一昔前に比べて1年くらいは母乳のみでいいという意見もあります。食物アレルギーの人が増えている昨今、離乳食の仕方については、小児科医の先生方の意見も聞いてお母さん自身もよく勉強して日々の離乳食を行ってください。
- 赤ちゃんが満足するまで、繰り返し遊んであげてください。
- 赤ちゃんに期待をかけてください。その期待に応えようと一生懸命育ってくれるようです。
1歳児
- 失敗が脳を育てるので、危険のないことは、どんどん遊ばせてあげてください。
- 幼児は繰り返しが大好きなので、言葉、あやすこと、絵本の読み聞かせ、音楽などをくり返してあげてください。
- 人見知りは脳が発達している証拠なので、お母さんは気にしないようにしてあげてください。
- 幼児水泳教室は、プール水殺菌の塩素、中耳炎などに気をつけてください。こどもの上達を競わないようにしてください。
- 声を出すことで脳がより発達します。親子で歌をいっぱい歌いましょう。
- 想像力をつけるには、折り紙や紙粘土で遊ばせましょう。工夫する力がつきます。
- こどもの服は作業着、水遊び、泥んこ遊びをしっかりさせてあげてください。
- 危険な物は、幼児の周りにおかないように、危険なことをしそうになったらきちんと叱りましょう。
- こどもにとってお母さんが全世界です。頼りがいのある態度をとってください。
- こどもには、お母さんが気づかない才能が隠れています。こどもに期待することと、一方的に押し付けることは違います。お母さんの冷静な観察力が必要です。
2歳児
- こどもは、みんなおっちょこちょいです。大らかに見守ってあげましょう。
- あまりにも落ち着きのない子には、夫婦でこどもの両手足を持って10秒から30秒宙ずりにするトレーニングをします。これを何回か繰り返すうちに、こどもは、自然に考えるということに気づきます。(体験したことがないので、ちょっと不思議な感じがします)
- こどもの話には、「すごい」「それから、どうなったの」と、声かけしてあげると、こどもは喜んでもっとおもしろい話をしてくれます。
- 目で見たものを絵に描くことは、脳を育てる最高の方法、うまい・へたは関係なくどんどん描く習慣をつけましょう。
- 幼児は、ひらがなよりも漢字に興味を持つので、家の壁に漢字や漢字カードを貼っておきましょう。
- おもちゃは多すぎると落ち着きのない子に、プレゼントは計画的にしましょう。
- 赤、黄、青など原色のおもちゃが脳を刺激して発育をよくします。
- 折り紙、粘土、積み木は、いつもこどもの手の届くところへおいておきましょう。単純なおもちゃほど、工夫して遊びます。
- 男の子にもままごとをさせましょう。父、母、こども、友達など役割の決まった人形セットは、自分と自分以外の人との人間関係を知るのに役立ちます。
- お母さんとこどもの間でルールを決めましょう。人付き合いの大事な第一歩です。
- 過保護、コミュニケーション不足など、お母さんの接し方で、強い子どもも泣き虫になります。
3歳児
- 正しい英語の発音は、真似る能力が旺盛な幼児期が一番身につきます。
- 食事のしつけは、ちゃんといすに座っていられる練習からします。
- 「いけません」と言われるとやってみたくなります。水遊び・どろんこ遊びは欲求不満解消に最適です。
- お父さんが細かいことにこだわりすぎると、こどもは情緒不安定になります。おとうさんは大らかに、こどもの逃げ場所を作ってあげましょう。
- 心配性、厳しすぎるお母さんのこどもは、いつもおどおどしているこどもになってしまいます。かといって過保護もいけません。
- こどもは、ほめられるといっそうやる気を出します。叱るのは、他人に迷惑をかけた時、危険なことをやった時、ルールを破った時だけにしましょう。
- こどもは、親が興味を持っていることに興味を持ちます。親は好奇心を失わず、教養を磨く習慣をつけてください。
- こどもに興味を持たせかったら、お母さんがまず興味を持ってください。お母さんが楽しそうにやっていると、自然に興味を持ってきます。
- おけいこは、こどもの年齢、性格、興味に合わせて選びましょう。
- 集中力をつけるなら、運動のおけいこ、とくに、リトミック教室が効果的です。
- 兄弟げんか、友達とのけんかは、思いやりややる気を出す大事なきっかけです。危険がなければ、ある程度自由にやらせてあげましょう。
- ほめる時には、大げさに「よくできたねえ」と声かけし、抱きしめてあげましょう。
- 遊園地より、山や海へ行きましょう。じっくり観察、耳をすまして自然の音を聞く、考えたり、情報を集めて整理する、疑問を持つ、などの基本が育ちます。