豆腐
豆腐は、畑の肉と言われるほど良質のタンパク質を含んでいて、消化しやすく子どもからお年寄りまで食べやすい食品です。健康効果も高脂血症や骨粗しょう症の予防、脳を健康に保つなどの働きがあります。
豆腐は価格も安く、日々の料理に使いたいものです。
豆腐の歴史
豆腐は、中国の漢の高祖の孫、淮南王劉安(わいなんおうりゅうあん)が考案したそうです。日本には、遣唐使から伝わりお寺の精進料理の材料として重宝されたようです。
庶民の食べ物になったのは、江戸時代だそうで、1782年に「豆腐百珍」という豆腐料理の本も出されています。
豆腐の作り方
豆腐は、大豆が原材料です。大豆を一昼夜見ずに浸けます。これを細かく砕きドロドロにした物を煮ます。煮た物を濾過して豆乳を作り、ニガリ(塩化マグネシウム)を加えて固まらせ箱に入れて形を整えます。
この豆腐楽天 から、油揚げ、がんもどき、湯葉、凍り豆腐(高野豆腐)なども作られます。
豆腐の栄養・効能
豆腐の栄養としては、植物性たんぱく質と脂質が多く含まれています。豆腐の80%は水分ですが、タンパク質は6%含まれています。
- タンパク質
- 木綿豆腐1丁(300g)のタンパク質を他の食品で摂るとすると、卵では、3.5個、豚肉では124g、鶏もも肉では118g、魚(ひらめ)では約1切れ、ご飯では茶碗6杯となります。こうしてみると、豆腐に含まれるタンパク質は驚くほど多いのですね。
- 脂質
- 豆腐に含まれる脂質は、不飽和脂肪酸が8割で、リノール酸が5割、リノレン酸が1割となっています。不飽和脂肪酸は、コレステロールをあまり含まず成人病予防に良い脂質と言われます。これに反し、動物性脂肪は飽和脂肪酸が多く、コレステロールを多く含んでいます。
豆腐の健康効果
- 血圧、コレステロールを降下させ、動脈硬化を予防
- 豆腐に含まれるタンパク質の一つペプチドが、血圧上昇を抑えます。豆腐に含まれる不飽和脂肪酸は、善玉コレステロールを増やし高血圧、コレステロールを下げ、結果的に脳出血や心筋梗塞などの予防効果もあります。
- 脂肪代謝を促進
- 豆腐に含まれるレシチンは、血管に付いたコレステロールを溶かし血流の流れを良くします。レシチンの脂肪代謝機能は、肝臓の脂肪分を減らす働きもあり、酒を飲む人に多い脂肪肝の予防効果もあります。
- 健脳・脳の活性化
- レシチンは健脳・脳の活性化にも効果があります。レシチンとその構成成分の一つコリンの働きによるものです。レシチンは、脳の情報伝達に関わる神経細胞の重要な材料となり、コリンは、食物と一緒に摂られたレシチンが腸内で分解され独立したもので、脳に運ばれ「アセチルコリン」という情報伝達物質に変わります。だから豆腐は、記憶力や集中力を高め、物忘れなど脳の老化やボケ予防に効果があります。
- 成人病や老化防止
- 大豆サポニンは、食感として咽喉に残る不快感(渋み、苦み、えぐ味)の原因となるそうです。しかし、大豆サポニンは、脂肪の蓄積を防ぐ、血管に付いた脂肪を洗い流す、老化の元になる脂肪酸の酸化を防ぐ、活性酸素の働きを抑える、腸を刺激し便通をよくする、血栓を予防するなどの成人病や老化防止の効果があります。
- 骨粗鬆症、乳がん、動脈硬化予防
- イソフラボノイドは、女生ホルモン(エストロゲン)と似た働きをするので、植物エストロゲンとも言われます。更年期障害などの女性ホルモンの減少によって起きる諸症状にも効果が期待されます。骨粗鬆症の予防効果、乳がんや前立腺がんの予防効果もあります。また、更年期障害等で起こる高血圧・コレステロールの抑制、循環器疾患のリスク軽減などにも効果があります。
- 腸内の善玉菌・ビフィズス菌を増やす
- オリゴ糖は、豆腐の甘みを引き出す大豆の糖質です。ビフィズス菌は、腸内の悪玉菌を抑える、腸の運動を活発にする、免疫力を向上させる、発がん物質を分解するなどの働きがあると言われます。オリゴ糖は、そのビフィズス菌の栄養源・エサとなります。
- カルシウムが、骨や歯、ストレスに効果
- カルシウムは、骨や歯を作っている重要なミネラルです。また、カルシウムは精神の安定にも関与しています。不足するとイライラし神経過敏になるといわれています。日本人の力ルシウム不足が指摘されていますが、豆腐にはカルシウムが木綿豆腐100g中120mgも含まれています。
- 豆腐のビタミン類で美肌効果
- 豆腐は、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンを含んでいます。ビタミンEには血行をよくする作用があり、美肌、肩こり、腰痛に効果があります。また、活性酸素や脂肪の酸化を抑制、がんや成人病を予防する効果も指摘されています。ビタミンB群は皮膚や粘膜の健全化、ナイアシンは皮膚や胃腸の健全化に効果があります。
- おからの栄養
- 大豆を細かく砕いて加熱した後、豆乳を絞りとった残りり絞りカスがおからです。おからには、大豆の皮や胚芽部分などの繊維質がありす。食物繊維は、便通を良くし有害物質の腸内滞留を防ぎます。高コレステロール、肥満予防効果もあります。
豆腐の消費期限と賞味期限の違い
- 消費期限のついた豆腐
- 製造してから3日後に消費期限が設定されているようです。値段は136円~294円の辺りのようです。風味が豊で、生でも食べられます。3日を過ぎると急激に風味が落ちます。冷奴、湯豆腐、白和えなどに適しています。
- 賞味期限のついた豆腐
- 製造してから1週間後が設定されているようです。値段は78円~118円の辺りのようです。豆腐をパックした後に、77℃で20分間加熱殺菌しています。7日間は風味が落ちないそうです。消費期限の豆腐よりも長持ちしますが、風味は落ちるようです。買い置きして使うには、こちらが便利です。
- 充填豆腐
- 充填豆腐は、豆乳を一旦冷やしてから凝固剤と一緒に1丁ずつ容器に充填、密閉してから、加熱して固めた物です。日持ちが良いのが特徴です。
豆腐の水切り方法
NHKのあさイチで取り上げていました。豆腐の悩みで一番多かったのが、豆腐の水切りがうまくいかない、というものでした。
- 豆腐をパックから出し、軽く水を切ります。そして、耐熱皿の上に割り箸を3膳ほど少し間を開けて、平行に置きます。
- その上に豆腐を置き、豆腐1丁を600wの電子レンジで約2分30秒かけます。
豆腐ハンバーグを作る場合には、水切りの代わりにサケとひじきを豆腐の中へスプーンで混ぜながら潰す方法もあります。サケとひじきが豆腐の水分を吸うので、水切りの必要が無くなります。
余った豆腐の料理法
冷やっこ、味噌汁などを作った後に、豆腐が半分ほど残ることがよくあります。どのようにしたら保存も効いて、豆腐が使いやすくなるのでしょうか。
- 味噌どうふ
- 熊本県五木村に伝わる「味噌豆腐」は、保存食の一つです。木綿豆腐の4倍の固さの豆腐をオーブンで焼きます。その上下に味噌を塗って、半年かけて熟成させたものです。まろやかで、クリーミーな味わいがあるそうです。
- コチュジャン漬け
- コチュジャンに他の調味料を加えた中へ豆腐を漬け込みます。7~10日は持つそうです。
- ハーブオイル漬け
- オリーブオイル、ローリエ、ローズマリー、粒こしょうを入れた中へ7~10日は持ちます。
- 醤油漬け
- しょうゆ、みりん、にんにくなどの調味液の中へ豆腐を漬け込みます。
冷凍豆腐の料理
豆腐を冷凍することで、水切りの効果があります。冷凍豆腐は、弾力があり、味がしみ込むとジューシーで肉っぽくなります。
冷凍豆腐を自然解凍し、卵液をつけて、フライパンで焼きます。豆腐のピカタです。外はパリッとして、中は弾力があり、さっぱりとして食べやすいようです。
豆腐ペースト
豆腐で作るマヨネーズ風味のペーストです。
豆腐200g、酢小さじ3、塩小さじ11/3、コショウ少々、白味噌小さじ2を混ぜます。生野菜につけて食べます。
豆腐のディップ
豆腐のディップは、クラッカーの上に乗せて食べたりします。
アンチョビペースト小さじ1/2、マヨネーズ大さじ1、塩1つまみ、コショウ少々、レモン汁小さじ1、バジル、又はシソを適量入れて混ぜます。
とろとろ温泉豆腐
温泉の大好きな親子が考案したものだそうです。水1リットルに重曹12gを溶かして沸かし、そこへ絹豆腐を加えます。すると、表面が溶けてきます。頃合いを見計らって、すくい上げ、醤油に砂糖等の甘みを足したタレで食べるそうです。
温泉に行って、豆腐を食べているような味だそうです。私も試してみたいです。