昆布
昆布と言えば、昆布の佃煮、昆布巻き、昆布飴、昆布だしを思い出します。昆布は海の栄養を凝縮していると思います。
日本人は、昔から昆布を大切に味わってきました。昆布の力・おいしさなどについて学びたいと思います。
昆布について
日本料理には、昆布はなくてはならないものです。その中でも京都の料亭にしかないという「幻の昆布楽天 」があります。
昆布の栄養
- カルシウムが多く含まれています。牛乳の6倍以上ですが、昆布は量をたくさんは食べられないので、毎日少しずつ摂るのが良いですね。
- 食物繊維も豊富です。ごぼうの5倍、さつまいもの8倍だそうです。
- ヨウ素・ヨードが多く含まれています。(ヨウ素は過剰に摂取すると甲状腺異常が起こる可能性があります。)
- 低カロリーですから、ヘルシーです。
「幻の昆布」とは
福井県敦賀の昆布問屋さんにある幻の昆布は、旨みだけでなく、香りがあるそうです。その香りは磯くささが半分で、後は醤油のようなキャラメルのような香りなど、200種類以上の香り成分が検出されたようです。
その甘い香りは、桃の3倍、メープルシロップの6倍で、この香りが優しい味わいをもたらし、昆布のうまみそのものが味わえる昆布ダシとして京都の料亭で珍重されていたのです。
北前船(きたまえぶね)で運ばれた昆布
江戸時代には、北海道でとられた昆布は日本海を通る「北前船」で敦賀へ運ばれました。秋に敦賀に着いた昆布は徒歩で京都へ運ばれますが、いつも冬が来て雪に阻まれ行くことができませんでした。
そこで問屋では、昆布を春まで敦賀に置いておきました。春になって荷を解いてみるとおいしい熟成昆布が生まれていました。
福井県敦賀昆布館
敦賀昆布館は、〒914-0038 福井県敦賀市坂の下小河田3番地1号にあります。電話 (0770)24-3070 FAX(0770)24-3177です。営業時間は、9:00~17:00です。機械点検日と年末年始12月31日~1月1日は閉館となります。
敦賀昆布館には、昆布入りのソフトクリーム、抹茶、昆布チップス、昆布餅、昆布ゼリーなどの食品があるそうです。
老舗の昆布屋さん宅にある「幻の昆布」
敦賀には、創業140年の老舗の昆布屋さんがあります。
ここには、とっておきの昆布(幻の昆布)があります。北海道産の10mもある昆布です。天然の「利尻長切」と言い、礼文島の香深浜で取れる昆布です。
2011年には、海水温が上がり昆布が根腐れを起こし殆ど流され、例年の5%しか収穫できなかったようです。100年に一度の不漁だそうです。
香深浜は、栄養たっぷりの海でよく日光が差し込むので、おいしい昆布が取れるそうです。
「幻の昆布」の特徴
昆布を寝かすと、磯くささが無くなり、新しい香りが出てきます。そして、マンニットという糖が出て白くなります。
老舗の昆布屋さんでは、蔵で昆布を熟成させるために、数年寝かせています。23年前の昆布があり、白い粉を吹いていました。昆布は、光と湿気がダメですから、保存には気をつけてください。
昆布を水につけておき切ると、ぬめりが出ます。そのぬめりは、1年ものの昆布で8cm、5年もので3cm、7年ものでは0cmでした。この昆布のぬめりは、多糖類です。
たくさんの糖が鎖のように繋がっているこの物質は、長時間蔵に置いておくうちに鎖が切れ、「糖の断片」が出現するそうです。そして、「糖の断片」が「昆布内のアミノ酸」と反応して「アミノカルボニル反応」が起き、メープルシロップやナッツなどの甘く香ばしい香りが生まれているそうです。
「幻の昆布」の作り方
材料 日本酒…適量、昆布…10g
- オーブンを110℃に余熱します。
- 昆布を2~3cmの角に切り、日本酒をかけよく混ぜます。
- その昆布を天板に並べます。
- 余熱が終わったら、1時間焼きます。
利尻・羅臼・真昆布のいずれかを使用します。
日高昆布などの薄い昆布は焦げ易いので注意してください。
まとめて作り冷蔵庫に入れておけば、2か月間は密閉保存が可能のようです。
とろろ昆布の利用
昆布を薄く削ったとろろ昆布は、味噌汁などに入れて手軽に食べられます。
この所海産物を摂っていなかったという時に、便利ですね。
うどんのトッピングに少し乗せると、雰囲気が変わります。のりの代わりにとろろ昆布を使って、巻きずしやおにぎりにしても合います。
自分なりの利用法も考えてください。くれぐれも摂り過ぎには注意してください。昆布ダイエットなどもあるそうですが、昆布にはヨードが含まれているので、昆布オンリーになるとヨードの過剰摂取になり、甲状腺の病気になる恐れもあります。