親子の会話

子どもが中学生、高校生と成長すると親子の会話ができにくくなる時期があります。この反抗期を通り抜けると、また自然に会話が成り立つことが多いものです。しかし、何を考えているか分からない時には、親は心配でなりません。

この難しい時期をどのように過ごせばよいのか、読売新聞の親子abcを中心にまとめてみました。

父親が話かけても答えない、中学生女子の場合

中学生が親と口をきかないのは、成長の通過点で珍しくありません。しかし、無視されれば、こちらも寂しいです。

そこで、「悲しいなあ」の一言を忘れないようにと、東京学芸大学の相川充教授は言われます。心配で大切な存在なのに話もしてもらえないなんて、と伝えることがミソだそうです。

「きょうは学校、楽しかった?」などと漠然と開いた質問をするとよいそうです。イエスかノーの閉じた質問は、尋問調になるので避けます。答えが返ってきたら、説教や反論はぐっと我慢して聞き手に徹します。そうすれば、子どもとの間で次第にコミュニケーション楽天 が芽生えるそうです。

母が相談に乗ろうとすると、小6男児とけんかになる

母が相談に乗ろうとすると、小6男児とけんかになるのは、聴き手に徹しきれていないのではと、思われます。親子のコミュニケーションは、話を聴くことからですが、それにはスキル(技術)が必要と相川充教授は言われます。

聴き手に徹するには
  • 話をさえぎらない
  • 感情を否定しない
  • 「今は聴き手」と心に言い聞かせる
  • 合いの手を入れる
  • 「そうだね」と共感を示す
  • 体全体で聴く(子どもの正面か斜め前で、目の高さを子どもに合わせるなど)
  • 話に関連した質問・確認はOK
  • 説教や意見は最後まで聴いた後

すべて聴いた上で説教するようにすると、素直に耳を傾けてくれることがわかったそうです。じっと待つ姿勢が信頼感を培うようです。

父が我慢できずに、中2男子につい説教、会話にならない

現代ほど親が子どもの成長に責任を感じ、時間や手間をかけている時代はないそうです。つい説教は、その裏返しと、実践女子大学・広井多鶴子教授は言われます。

1970年代になって親子問題の大きな問題として従来の「親の権威低下」に代わり、コミュニケーションの重要性が指摘され始めました。そして、親は子どもと対話を密にし、厳しくも温かい理解者であるべきという理想像となって広がり、子どもはそんな親に反発しながらも成長し、乗り越えていく、というモデルが定着していったそうです。

あるべき姿を意識し、現状とのズレは、親の責任と親が自身を追い詰め、子どもを怒ったり説教しがちだと言います。

広井さんも、「言い分を聞き、あとは子どもの力を信じてあげればよかった」と振り返ります。親も失敗します。説教しそうになったら、自分の若い頃は?と自問してみると、子どもの声に耳を傾ける余裕が生まれるはずと言います。

高2女子、親との会話がうまくいかない

親ときちんと会話する方法の相談に対して「親の機嫌がよく自分も余裕のある時を見計らって話しかけてみて」と答えたけれど、うまくいかなかったそうです。

再び精神科医・岡田謙さんに助言を求めたそうです。

まずは、親の心身の状態を見極めることだそうです。思いが伝わらないのは、以下のことが、想像されます。

  1. 疲れていて子どもとかかわれる体調でない
  2. 何らかの病気の予兆
  3. 自分自身の悩みで手いっぱい
  4. もともとコミュニケーションを取りにくい性格

しかし、あきらめないで、「ながら族」で話かけることを岡田謙さんは勧めています。緊張感をほぐして本音の会話をするには、食事をしながらや、テレビを見ながらの「ながら族」が効果的だそうです。

サイクリングや散歩など戸外に出かけるのもいいそうです。

一方で、あきらめが必要な場合もあります。子どもと向き合えない親も、中にはいるからです。「でも、働きかけはムダではない。親とのかかわりを変えようとしたことは自身の成長に大きなプラスになる」と、岡田さんは励ましています。

高3男子が部屋へ閉じこもり、会話の糸口もつかめない

学校から帰るなり自分の部屋へ、出てこないとなると心配が募ります。しかし、あせりは禁物と、精神科医・岡田謙さんは言います。

何とかしなくてはと解決を急ぐと、子どもの感情を害し、悪い結果になりがちと助言します。「観察」「関わる」「伝える」の3段階のアプローチが効果的だそうです。

観察
何か悩みはないか、変わった点はないか、じっくりと見ます。顔色、服装、歩き方、言葉遣いなどを丹念にチェックします。
関わる
観察をもとに関わり方の手法を練ります。例えば、そろそろ部屋から出ようかと子どもが思っている時に説教をすれば、逆に反発を招き、せっかくの自立の芽を摘みかねません。
伝える
好機をつかんで何を伝えるか、です。が、簡単に妙案は見つかりません。「悩んでいる自分の姿をありのまま見せることで、子どもに胸の内が伝わることもあります」と岡田さんは励まします。

こうした努力を積み上げつつ、問題を一人で抱えこまない弾力的な姿勢も大切。学校や専門医との連携も大切です。

ふだんから、ざっくばらんに話せる環境があれば、それに越したことはありません。学校によっては、勉強会なども開かれています。

キキョウの花
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更新日:2018/06/07