出産費用

今、出産費用はいくらかかるのでしょうか。

2010年8月、厚生労働省の実態調査で、赤ちゃん1人当たりにかかる出産費用が、全国の医療機関平均で47万3626円だったことがわかりました。

出産に関わる費用、出産育児一時金、児童手当などをまとめてみました。

妊婦検診費用

一方、妊娠から出産まで、妊婦健診を14回ほど受けるのが望ましいとされますが、この費用は合計で11万円ほどかかります。

妊婦楽天 検診の費用は各々の検査でかかるわけではなく、病院や地域によって差がありますが平均的に5000円前後です。地方自治体によって費用の補助がありますので確認してみるとよいです。

諸検査の費用は
  1. 子宮頸ガン検査は、妊娠初期行なわれます。費用は3000円前後です。
  2. クラミジア検査は、妊娠初期、または中期に行なわれます。費用は4000円前後です。
  3. 妊娠初期の血液検査は、病院や検査項目によって差があり、6000円~20000円くらいです。
  4. 妊娠中期の血液検査は、病院や検査項目によって差があり、6000円~20000円くらいです。
  5. 妊娠後期の血液検査は、病院や検査項目によって差があり、6000円~20000円くらいです。
  6. 心電図は、妊娠中期、または妊娠後期に行なわれます。費用は2000円前後です。
  7. 細菌培養検査 [GBS(B群溶血性連鎖球菌)検査]は、妊娠中期、または妊娠後期に行なわれます。費用は2000円前後です。
  8. ノンストレステスト(NST)は、胎児の心拍数や子宮収縮の状態を確認するもので、妊娠後期に行なわれます。費用は1000円前後です。

出産と医療費控除

出産に伴う一般的な費用が医療費控除の対象となるかの判断
  1. 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用、また、通院費用は医療費控除の対象になります。(注)通院費用については領収書のないものが多いのですが、家計簿などに記録するなどして実際にかかった費用について明確に説明できるようにしておいてください
  2. 出産で入院するときにタクシーを利用した場合、そのタクシー代は医療費控除の対象となります。それは、入院が出産という緊急時のため、通常の交通手段によることが困難だからです。(注)実家で出産するために実家に帰省する交通費は医療費控除の対象にはなりません
  3. 入院に際し、寝巻きや洗面具など身の回り品を購入した費用は医療費控除の対象になりません。
  4. 入院中は病院で支給される食事を摂ることになることからこの費用は、入院代に含まれますので医療費控除の対象になります。しかし、病院の食事が気に入らず他から出前を取ったり外食したりしたものまでは、控除の対象にはなりません。

健康保険組合や共済組合などから出産育児一時金や家族出産育児一時金又は、出産費や配偶者出産費などが支給されますので、その金額は医療費控除の額を計算する際に医療費から差し引かなければなりません。

医療費控除の手続きで、平均1万6千円が返金されているそうです。

医療費控除
  • 申告条件・・・1世帯の医療費が1年間で10万円超えた又は所得が200万円未満で1年間の医療費が所得の5%を超えた人※1年間は1月1日~12月31日
  • 申告先・・・住んでいる市区町村の税務署
  • 申告期限・・・ 翌年の確定申告
  • 必要な物・・・(1)1年間の医療費の領収書(2)病院にいったときの交通費の領収書など(3)健康保険や保険会社などから支給された金額の証明(4)申告者名義の通帳 (5)印鑑 (6)源泉徴収票(7)確定申告の用紙 (8)医療費の明細記入用紙

帝王切開での出産は

帝王切開は、産科手術となり「異常分娩」扱いになるため、治療の対象として手術や投薬、注射などに健康保険が適用されます。

保険診療部分が一定額以上となった時は高額療養費の対象になります。しかし、出産そのものに対する介助料は自費になります。

また、自然分娩と同様に、出産育児一時金も支給されます。

なお、同じ帝王切開でも、施設や地域、大部屋か個室、入院日数や時期(お正月、お盆休みなど)によって費用にかなりの幅があります。また、入院が長引いた場合は自己負担が増えます。この場合、加入している生命保険、簡易保険(郵便局)、共済などの医療特約から給付金が支払われることがありますので、よく確認をしてください。

出産育児一時金(平成23年4月以降の)

1.引き続き、支給額は42万円です。

*在胎週数が22週に達していないなどの産科医療補償制度加算対象出産でない場合は、40万4000円です。

2.「直接支払い制度」となり、出産育児一時金の請求と受取りを、妊婦に代わって医療機関等が行います。そのために、妊婦は退院時に窓口で出産費用を全額支払う必要がなくなります。が、この「直接支払い制度」を使うかどうかは、分娩施設が決めることになります。自分で直接健康保険組合へ請求したい妊婦さんは、そうもできるそうです。

小さい産科や助産所などでは、厚労省に届け出をした施設は「受取代理制度」となり、妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産一時金の請求する時、出産する医療機関等にその受取を委任することで、医療機関等へ直接出産一時金が支給されます。

出産手当金

出産手当金
  • 受給条件・・・仕事をしていて産休後も仕事に復帰するかつ勤務先の健康保険に加入している
  • 申請先・・・健康保険の加入先
  • 申請期限・・・出産した日から57日目以降
  • 必要な物・・・(1)健康保険出産手当金請求書 (2)印鑑 (3)振込先口座 (4)健康保険証 (5)出生を証明するもの(母子手帳の出生届出済証明 等)

乳幼児の医療証

市区町村によって乳幼児の医療費助成は異なっています。住んでいる地区の乳幼児の医療費助成を調べてください。

乳幼児の医療証
  • 受給条件・・・健康保険に加入している赤ちゃんかつ市区町村によって所得制限あり
  • 申請先・・・住民票のある市区町村の役所
  • 申請期限・・・出産後できるだけ早く
  • 必要な物・・・市区町村に異なります。※以下一般的なもの(1)健康保険証(赤ちゃんの名前があるもの) (2)印鑑          

児童手当(子ども手当からの変更)

平成24年4月から、今までの子ども手当が児童手当に名称が変わりました。

対象者は0歳~中学卒業までです。この対象児童を養育している養育者に支払われます。児童手当を受け取るには、自治体から送られてくる「現況届」を提出します。この書類は一般的には6月中に来るようです。

手当の金額(月額)は、0~3歳未満は15000円、3歳~小学校修了前は10000円(第一子と第二子)15000円(第三子以降)、中学生10000円、所得制限世帯(年収約960万円以上)5000円となっています。所得制限世帯の条件は、他にもあります。

今までもらっていない人、出産してお子様ができた人は、申請が必要です。

赤ちゃんの考えられない血液型

台湾で実際にあった話だそうです。お母さんがAB型で、お父さんがB型でした。生まれてくる可能性のある赤ちゃんの血液型は、AB型、B型(BB、BO)、A型(AO)だけですが、O型の赤ちゃんが生まれて来ました。

何かの間違いだろうと、赤ちゃんの血液型の再検査をしましたが、O型でした。今度は、父、母、赤ちゃんの3人の血液型の再検査をしましたが、間違いありませんでした。

そこで、今度は病院を変えて調べましたが、結果は同じでした。そこから、夫は妻の浮気を疑うようになり、お酒を飲むようになりました。妻は、夫に「もう、DNAを調べるしかない」と言いました。そこで、3人のDNAを調べました。

お母さんの血液が、10万人に1人あるという「シスAB型」というものでした。

普通なら二つの染色体に分かれているA遺伝子とB遺伝子が、シスAB型は、一つの染色体に同時に持っています。そうすると、配偶者がO型でも子どもがAB型になることがあります。AB型がやたら多い家系は、シスAB型のことがあるかもしれません。日本では中四国地方にこの血液型が多いそうです。

そして、不幸にもこの夫婦は2年後に離婚したそうです。あらかじめこういう情報を知っていたら、離婚にならなかったと思うと、とても残念です。

日本人では、A型が約40%、O型が約30%、B型が約20%、AB型が約10%となっています。

Rh-の母と、Rh+の子の場合の出産の問題

1937年頃に、オーストラリアで、第二子を死産する人が多くいたそうです。原因がなかなか分からなかったそうです。ところが、帝王切開をしたO型の女性が、大量出血をし、O型だった夫の血を輸血しました。が、容態が悪くなりました。すぐに輸血を止めて妻と夫の血液を混ぜてみたら、普通はあり得ない凝集反応がありました。

それで、妻の血液をよく調べたら、ABO式とは別の血液型判定方式のRh-だと分かりました。オーストラリアでは、20%の人がRh-だと言います。

お母さんがRh-で、第一子の赤ちゃんがRh+だと、第一子を出産した時に血液が混ざり、母親の体内に抗D抗体ができます。そして、第二子がRh+だと、抗D抗体が働き、赤ちゃんの赤血球を壊して、新生児溶血性貧血を起こしてしまいます。

Rh+の人の赤血球の周りには、D抗原というものがくっついています。Rh-の人の赤血球の周りには、D抗原はありません。そこで、D抗原を持たないRh-型の人にRh+型の血液を輸血すると、血液の凝集、溶血等のショックを起こす可能性があるのです。

日本人では、99%以上はRh+です。(0.5%という人もいます)まれな血液型を除いて日本で最も少ないとされるAB型のRh-は、2000人に1人の割合です。

抗Dヒト免疫血清の利用

抗D抗体を持つ人の血液から血清を作り、第一子出産後72時間以内に母親に注射することで、抗D抗体が作られなくなります。

ところが、この血清を打つと、抗D抗体を持つている人が少なくなり、血清を作るのに困った事態になりました。

そんな折りに、献血した男性に抗D抗体を持つ人が現れました。この男性は、13歳の時に気管支拡張症になりました。風邪を引きやすく、肺炎にもなりやすかったそうです。左肺が機能していなくて、切除することになりました。

その時に3Lの輸血をしましたが、その時に抗D抗体を持つようになったようです。この男性は、自分も献血で助けられたので、他の人の役に立ちたいと思っていました。

医師から抗D抗体を持っていることを告げられ、血清作りに協力することにしました。現在73歳の男性は、985回の献血をし、世界中の200万人を救ったそうです。自分の娘もRh-で一人目の出産後血清を打ったそうです。

胎児エコー検査の光と影

クローズアップ現代で、妊婦さんの超音波検査・エコー検査について、放送していました。

妊婦検診では、胎児の発育が順調かどうか、超音波検査・エコー検査が行われます。最近では、機械の進歩により、胎児の姿が昔よりはるかに明瞭に見えるようになりました。

そのことが、新たな問題を起こしているそうです。100人に2~3人のが赤ちゃんが、何らかの異常の疑いがあると言うのです。

赤ちゃんの異常かも、という現実に対して、母親は産むか、産まないかの決定権があると言います。が、その苦悩はいかばかりでしょう。天国から地獄へと表現される妊婦さんもいました。

胎児エコー検査で、重度の心臓病の発見

胎児エコー検査で、赤ちゃんの重度の心臓病の発見ができることがあります。この場合には、それなりの対応をして出産に望んだり、出産後に手術を受ける赤ちゃんもいます。

早めに分かることで、その対応策が打てるそうです。

胎児エコー検査で、染色体異常が見つかる

妊娠6ヶ月で、赤ちゃんに脳や消化器に疾患があり、赤ちゃんの染色体異常と言われた妊婦さんは、赤ちゃんをあきらめました。

その後、赤ちゃんをやむなく失くした人たちの集まりに出かけ、交流を深めています。

胎児エコー検査で異常があるかも、しかし無事に出産

ある妊婦さんは、赤ちゃんの首の後ろの部分のむくみが8mmあると言われ、染色体異常の疑いがあるかも、と言われました。

悩み抜きましたが、もしも異常があっても育てようとの意志で、産みました。そうしたら、元気な男の子でした。大喜びでしたが、もしも、産まないという選択をしていたらと思うと、怖いなと話されていました。

胎児エコー検査は、100%病気を特定できるものではありません。そして、一方で重大な判断を妊婦さんにさせるのも酷な気がします。

エコー検査の位置づけ

  1. 出生前の調査です。
  2. 元気であるか、確認します。
  3. 受けたいか、受けたくないか、妊婦さんの選択によります。
  4. 妊婦さんを支える専門チームを作る必要があります。
  5. スクリーニングという側面があります。

生命倫理の議論を深めることが大切

胎児エコー検査は、胎児に異常がある時には、赤ちゃんの命の選択を妊婦さんは迫られてきます。

そして、命の選択は、障害を持っている人たちに対して、偏見がなされるのではないかという危惧があります。

新しいテクノロジーに対して、生命倫理の議論が追いついていません。胎児エコー検査だけでなく、今後いろんな生命科学が進んでいる今、生命倫理について議論を同時にやっていくことが大切と訴えていました。

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更新日:2020/03/15