胆道閉鎖症

胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)は、生まれつきや出生直後に胆管が詰まり、胆汁が流れなくなる小児の難病です。1万人に1人の割合で発症するようです。赤ちゃんの便の色が薄くなるなどの兆候があり、早くに気づいて早期治療を受ければ生存率が高くなります。読売新聞のくらし欄に載っていました。(2011.1.30)

胆道閉鎖症とは

胆道閉鎖症は、ほおっておくと肝臓楽天 の中に胆汁が貯まって、肝硬変を引き起こします。そのために、早期発見が重要です。

生後2ヶ月までに手術すれば、10年生存率は約7割と言われます。手術が遅れると生存率は大きく低下します。便の他に尿検査でも見つかることがあります。

胆道閉鎖症で亡くなった娘の思い出を絵本に

胆道閉鎖症のことを知ってもらいたい、娘が懸命に生きた姿から、生きる大切さを感じて欲しいと、著者の石丸雄次郎さん(兵庫県川西市)は言われています。

10年前に次女、伸子さん(当時25歳)を亡くしました。娘さんの生活、見守る家族の思いを「のんちゃん空を飛ぶ」という絵本にまとめられました。

絵本には、5歳の頃1年間に及んだ入院生活の様子、友人と楽しく過ごした学校生活、母親からの臓器提供での生体肝移植手術を受けると決めるまでの揺れる気持ちなどが描かれています。

絵は、石丸さんが講演した時の、愛知県半田市立横川小学校の児童の作品だそうです。石丸さんと小学生との間には、とても良い交流があったのですね。

便色識別カードの普及を訴える活動

愛知県の主婦加藤さんは、一昨年、長女を生後2ヶ月半で亡くされました。脳出血を起こし、初めて胆道閉鎖症の疑いを指摘されましたが、4日後には亡くなってしまいました。

その後加藤さんは、早期発見の目安となる「便色識別カード」の存在を知りました。このカードを持っていたら、もっと早く娘の病気に気づけたはず、との思いにかられました。そして、同じ病気の子を持つ母親達と「肝ったママ'S」を結成し、「便色識別カード」の必要性を呼びかけておられます。

「便色識別カード」とは

「便色識別カード」は、17年前に国立成育医療研究センター病院長の松井陽さんが考案されました。

黄色がかった白から濃い茶まで7段階の便の色が印刷されています。赤ちゃんの便に近い色を選ぶむことで、異常に気づきやすくなると言います。

松井さんは、「現在、生後2ヶ月までに手術できた赤ちゃんは全体の4割です。便の色を言葉で表現するだけでなく、写真の色と見比べ、1ヶ月健診の際に示せば、早期発見に役立つ」と言われます。

このカードを配布しているのは、北海道、栃木などの全国8道県内の自治体に限られています。「肝ったママ'S」の活動のお陰で、神奈川県の一部でも配布が始まるなど広がりもみえています。

代表の酒井さんは、すべての親がカードを見られるようにと、母子健康手帳にカードを掲載するよう、国などにも働きかけています。

「胆道閉鎖症の子どもを守る会・東京」の竹内会長は、「早期に治療を受ければ、ほとんど後遺症なく成長できる人もいます。しかし、親だけでなく、産婦人科や小児科の医師にも、この病気が十分知られていないために発見が遅れているケースがあります」と言われています。

*「のんちゃん空を飛ぶ」は、1000部発行。1部500円。問い合わせは石丸さん(072-757-5578)へ。

*「肝ったママ'S」のホームページはhttp://kimottamama.info/です。

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更新日:2018/06/07