山陽歌壇へ載った私の短歌2
山陽歌壇のコーナーは、毎月5日前後に山陽新聞に掲載されます。第一席から第三席まで、各一名です。第四席が五名、佳作が十名となっています。なかなか、ここへ入るには、ハードルが高いです。
そして、これ以外に今月の入選歌が約50首選ばれます。これは、毎月十日前後に山陽新聞に掲載されます。投稿したからには、せめて入選歌に選ばれたいと願っています。が、これも難しいです。
今まで聞いたことのある短歌ではなく、独自の視点で捉えた短歌が良いそうです。単語の選び方も重要だと思います。自分の感情や心もあふれるような短歌が良いと思います。挑戦あるのみ。
山陽歌壇、今月の入選歌
大蒜の 若芽Vの字に 表れり 伸びするごとく バンザイのごとく
選者 東直子先生 2017.3
私は家庭菜園で野菜を作っています。にんにくも植えています。寒い冬を越すとにんにくの芽が、本当にVの字に開いて出てきます。それを見ていると、春になって伸び伸びと大きくなってきているのを実感しました。殆どの野菜は真っ直ぐに芽を出しますが、にんにくは、珍しく開いて芽を出します。
陽に誘われ ふかふかの土に 溝をつけ ほうれん草の 種を蒔きおり
選者 原けい子先生 2017.5
三月になると、お天気の良い日には、ぽかぽかとして気持ち良いものです。冬の長い間、野良仕事は休みでした。そろそろ 種楽天 を蒔く時期だと思うと、やる気が出てきます。よく耕した土に蒔いてやると、ほうれん草も感謝して、大きく育ってくれそうです。
大き花を 天に開きし 泰山木 何を受くるか 何を放つか
選者小池光先生 2017.7
友人の庭には大きな泰山木が植えてあります。その花を初めて見た時には、その大きさに驚きました。そして、泰山木の花を見る度に、花が上を向いているなと思いました。不思議な花、白くて大きな人を引き付ける花について、短歌を作ってみたいと思って作りました。失敗しながら、この形となりました。
久々に 夏草覆う 畑に入り ひたすらに刈りて 土の色を見る
選者 東直子先生 2017.9
真夏は、暑すぎて熱中症になってもだめだし、マムシに噛まれてもだめだし、と思ってなかなか草取りをする気になりませんでした。そうすると、夏草は膝下まで伸び、一株が大きく成長しました。一株抜くのに大変な力がいります。毎年、草は小さいうちに抜かなきゃあだめ、と思いながら毎年こんな状態です。だから、草の種もたくさん土へ落ちたということです。こんな、野菜作りの人もたまにはいるでしょうか。
ヌートリアの 爪跡残る 西瓜なり この猛暑には 身に染む甘露
選者 東直子先生 2018.9
猛暑が続くと、高齢者のいる家庭では、脱水症にならないように気をつける必要があります。高齢者はなかなか喉が乾いたと、実感し難いそうです。そして、クーラーの風を嫌う人が多いようです。家の母も、夏は食欲が落ちますが、自家製の西瓜やアイスクリームを欠かさず食べて貰い、何とか脱水症にならずに過ごせました。
コンバインで 半日ですむ 稲刈りは 子や孫の声 ひびくことなし
選者 小池光先生 2019.10
私が子どもの頃の稲刈りは、鎌で刈り、藁で束ね、はぜに干すという、大変手間のかかる作業でした。それが、バインダーという、稲を刈ってから、すぐに束ねてくれるという画期的な物が出ました。それから、機械は進化して、コンバインが普及してきました。刈り取って、すぐ籾にして出てくるという物です。こうなると、人手がなくてもできるようになりました。辛い、キツイ農作業は、短縮されて嬉しいです。が、機械は高価になり、子や孫も手伝わなくてもよくなりました。少し寂しい気がしています。いつの間にか稲刈りが終わっているという感じです。
畑に咲く クリスマスローズは 寒風に耐え 臙脂色の 花芽を増やす
選者 東直子先生 2020.03
ホームセンターで、クリスマスローズの苗を見つけ畑に植えました。名前の通りにクリスマスの頃に花が咲くのかと思いきや、花期は1月から4月のようです。園芸雑誌でよく見かけるようになり、色んな色の花があるので、興味がありました。花の少ない時期に華やかな花を咲かせます。花がうつむき加減になっているので、清楚な感じがもりもりです。寒い季節に、本当に寒風に耐えて咲いてくれる姿に感動しました。