山陽新聞の泉欄、ちまた欄への投稿集1

2016年1月6日の泉欄に掲載されたものです。私は2015年の4月より、「やかげ聞き書き人の会」に入りました。この会は前年度から開かれていて、「聞き書き集 やかげ」という冊子を出していました。その本を知人からいただき、この会へ入らないかと誘われたのです。田舎へ2011年に帰ってから、家事と野菜作りと義父母の世話で、何もしていなかったので、入ることにしました。

「聞き書き」を終えて

私は、今年の四月から「やかげ聞き書き人の会」へ入りました。前年度に出された「聞き書き集やかげ」という冊子を、友人からもらって読み感動したからです。

それは、矢掛町にお住まいの七人のお年寄りが、それぞれ長年携わってこられた事についてお聞きし、その方の話し言葉で文章にしたものでした。昔の様子や仕事や趣味などへの工夫、努力、思いが伝わって来ました。

九月になり、私の初めての「聞き書き」が始まりました。語り手は、 神楽楽天 太夫を三十年間続けられた方でした。その方が身振り手振りをまじえながら生き生きと語ってくださるのをお聞きし、録音しました。

次に、語り手の話し言葉のまま文に起こし、話が重複している所を削ったり、分かりにくい所は順番を変えたり、語り手に不明な所を聞きに行ったりしました。会の先輩達の前で何度も読んで、アドバイスをもらい訂正を何度もしました。

いよいよ二月上旬頃にはゲラが仕上がり、最終確認を終えたら印刷となります。今回は備中地域の匠の方々を、高校生・大学生・大人が聞き書きしたコラボ作品集となります。読んで頂く人たちに、語り手の思いが十分伝われば良いなあと思います。

2016年1月6日の泉欄に掲載

平和尊ぶ心守っていきたい

呉市楽天 にある大和ミュージアムを見学した。館内では、ボランティアの人が説明されていると聞き、私達のグループもお願いした。

10分の1の大きさに作られた戦艦大和の巨大模型の展示、呉海軍工廠として日本の戦艦の建造や修理を担った歴史、特攻兵器「回天」の試作型や零戦の展示などを見た。

展示や説明の中でも心に焼き付いたことが三つあった。一つは「大和」の乗組員たちが、沖縄特攻に際して家族へ書き残した遺書だった。若者が死を覚悟した気持ちが、心に刺さった。二つ目は、米軍は日本の艦船の動向を把握していて、次々に撃沈させたということ。三つ目は、日本の造船技術は素晴らしいということ。アメリカの「量」に対し、日本は資材も少なく「質」で対抗しようとしたからという。

平和を尊ぶ心と日本の科学技術の高さを、継続して守っていかなくてはならないと思った。

2019年3月3日の山陽新聞のちまた欄に掲載

使い切りカイロ 私も再利用

夫が突発性難聴になり、耳を温めると耳鳴りが減るらしく、毎晩使い切りカイロを使うようになった。すると、たくさんの使用済みカイロがたまった。

ある時テレビを見ていたら、再利用の方法として靴の中に入れておくと消臭になると教えてくれた。それで、家にある全ての靴の中へ使い切りカイロを入れた。でも、まだたくさん残った。

そこで、インターネットでも再利用の方法を検索してみた。クローゼットの湿度コントロールや土壌改良に使えるそうだ。使い切りカイロの原料は鉄粉、水、活性炭、バーミキュライト、吸水性樹脂、塩類となっている。土壌改良に使う場合には、この塩分が悪さをする場合もあるので、塩分を少なくするためにコーヒー用フィルターと水を使ってこしてから使うと良いらしい。

わが家でも早速、再利用してみたい。

 

2019年5月15日の山陽新聞のちまた欄に掲載

はみは きょうてかったで

7月20日の朝のことじゃあ。家ん外の流しで洗い物をしょうたんじゃあ。何気のう、そこらへんを見たら、蛇がおるが。よう見りゃあ、ころんとした肌色の丸い筒に、薄茶の丸い模様が付いとる。こりゃあ、はみじゃあ。

 

「おとーさん、はみじゃあ。はよーやっつけてえ」「ほんまか、蛇なら何でもはみじゃ言うけんな」と、出て来てくれたんじゃあ。

 

わたしゃあ、「そこ、そこ」と指さしてからに、すぐに鍬を渡したんじゃあ。「おる、おる。ほんまにはみじゃが」言ようる間に逃げたんじゃあ。

 

せえから、あれこれ物を避けてから、よおに探したら、ブロックの穴ん中え逃げとったがな。きょーてかったで。鍬で首んとこを押さえて棒を持ってきてやっつけたで。(夫が)それで、はみはとうとうご愁傷様になった。

 

朝からぼっけえ賑やかしじゃったで。せえでもこれで、安心じゃわ、やれやれ。

 

2019年8月2日の山陽新聞のちまた欄の「方言ばあじゃあ」に掲載

荒神様のお祭り続けたい

7年に1度といわれる地元の荒神様のお祭りが、1月19日に行われた。

 

準備は稲刈りの時から始まる。社を飾る蛇を作る材料のわらを確保するためだ。12月には6軒の男衆が集まって、このわらで蛇を作る。もう何度も作っているベテランたちだが、その年の気候の影響で藁の出来も違ってきて苦労も多い。約半日でかわいい蛇が出来上がり、当日まで社で保管した。

 

祭り当日は、女衆も総出で掃き掃除や拭き掃除をした。お供えの準備も整えた。出来上がると、たき火で暖をとりながらの世間話だ。そこへ宮司さんが来られた。サカキやササなどに御幣をつけるお手伝いもさせてもらった。いよいよ祝詞の開始となった。家内安全、健康、五穀豊穣などを祈ってもらった。前回は少し神楽も奉納したが、今回は省かれ、後の会食も止めることとなった。

 

わずか六軒での荒神様のお守りは大変だが、ご近所仲良く、末永く続けていけたらと思う。おかげさまで、風もなく晴れて良い日だった。

 

2020年2月12日の山陽新聞のちまた欄に掲載

キキョウの花
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更新日:2020/03/04