痔は、場所が場所だけに出血や痛みがあっても少々のことなら大丈夫と思って受診をしないことが多いようです。

恥ずかしいから痛みがないからと放置していると、だんだんとイボ痔が大きくなり肛門の外まで出てくるそうです。こうなると、その痛みは凄いものになるようです。

痔は人間が二足歩行になってから、肛門周辺にうっ血が起きてできやすくなっています。だから、痔は人間の宿命と「ためしてガッテン」で言っていました。痔持ちの方は、早めの受診をお勧めします。早期だと簡単な治療法もあります。

痔でも病院へ行かない理由

排便時に出血があっても、痛くないから、恥ずかしいからと、とりあえず様子をみようと何年も放置している人が多いようです。

5年間楽天 を放置していた人は、肛門に4つの梅干状のイボ痔ができていたそうです。

痔の診察

「ためしてガッテン」での痔の診察は、肛門だけを見せる感じでした。これで、恥ずかしさも半減ですね。お尻の周辺を抑えたり、肛門の内部を見るために、内視鏡を入れていたようです。

この患者さんは、お尻の周りには異常がなく、肛門から3cm奥の場所の壁全体が赤く腫れていました。健康な人は、淡いピンク色で中心に穴がありますが、この痔持ちの人は、直腸の壁が腫れて穴が見えませんでした。

痔の種類

痔は大きく分けて痔核(イボ痔)、裂肛(キレ痔)、痔ろう(アナ痔)の3種類があります。肛門疾患の50~60%を痔核(イボ痔)が占めています。

痔核(イボ痔)
肛門付近にある、肛門を閉じる働きをするクッションのような部分への負担が重なると、組織が引き伸ばされてイボのようになり、排便時の出血や肛門の外に出たりします。肛門の内側にできる「内痔核」には痛みがなく、肛門の外側にできる「外痔核」にはひどい痛みがあります。
裂肛(キレ痔)
排便時に紙に付く程度の出血と痛みがあります。裂肛(キレ痔)が慢性化すると、強い痛みが排便後も続くことがあります。
痔ろう(アナ痔)
直腸と肛門の境目の小さなくぼみから、大腸菌などが腸の壁に入り込むと、肛門の周囲が化膿します。その後細菌を含んだ膿がお尻の筋肉を貫通し、皮膚や直腸粘膜から破れ出て、膿の通過道ができます。押すと痛みがあり、発熱があります。

痔と間違いやすい病気、大腸がん

大腸がんの初期症状の血便と、痔の症状の血便との違いが一般にはわかりません。症状があったら、早めに診察を受けてください。

イボ痔の特徴

イボ痔は、肛門部がイボ状に隆起したもので、豆粒から直径数センチのものまで様々あります。

排便時の過度ないきみなどにより、肛門管の粘膜下にある組織(肛門クッション)が緩んで脱出することが主な原因と言われます。

便の通り道は、直腸と肛門の二つがあります。この二つは、お母さんのお腹の中で貫通します。肛門は外側から凹んでいき中の直腸とつながれます。

直腸側にできたイボ痔は、痛みを感じ無いそうです。放置して肛門側にまで大きくなったイボ痔は痛いそうです。

痔の6割の人がイボ痔だそうです。そして、イボ痔は直腸の血管の病気です。

内痔核と外痔核

痔の発生する場所により、歯状線(直腸と肛門の境界)を境に内側にできるものを内痔核、外側にできるものを外痔核と言います。

内痔核
直腸の下部には血管が3本走っています。腹側を時計の12時とすると、3時、7時、11時の方向に血管が3本走っています。内痔核はその3箇所にできやすくなっています。内痔核は血管に富み出血しやすいです。粘膜には痛覚がなく通常は痛みがありません。大きくなり中から出る脱出を繰り返すうちに内痔核が戻らなくなると、激しい痛みを伴うことがあります。
外痔核
外痔核は血栓を作ると短時間で腫れ、痛みを伴うことが多いが、数日経つと痛みは軽減し脱出状態だけが残ります。

痔はなぜできやすいか

人間が二足歩行を始めたことで、肛門が心臓から遠くなり、また立つことで静脈血が心臓へスムーズに帰りにくくなりました。そこで、血液のうっ滞が起こります。

そこで、排便のおりにいきんだりすると、うっ血した血管が破れて出血します。それを繰り返すと、だんだんと血管が薄く伸びて肛門の外にまで出てくることになります。

イボ痔があると残便感があり、さらにいきむとイボ痔が大きくなるという悪循環に陥ります。

海外のデーターで、800人の肛門を無差別に調べたら、86%の人にイボ痔があったそうです。ちなみに、チンパンジーにはイボ痔がありませんでした。(1500匹の死体解剖の結果だそうです)

イボ痔の予防・改善法

長年痔の診療を行っている先生の指導です。

  1. 排便時、便座で3分以上いきまない。
  2. しっかりとした朝食を食べます。
  3. お風呂に入り、肛門の血行をよくします。
  4. おしりをきれいにします。(洗いすぎは要注意です)
  5. 便秘・下痢に注意します。
  6. 腰を冷やさないようにします。
  7. 座りっぱなしはよくありません。
  8. 思い込みは禁物、恥ずかしがらずに早めに診察を受けましょう。

朝は出勤や学校へ行く30分以上前には起きて、食事と排便を済ませることが大切です。起床後すぐに冷たい水を飲むと、目も覚めるし、腸も覚めるそうです。便秘や下痢を無くすことが、腸の負担も少なくてすみます。

シャワーだけで済ますのではなく、お風呂の浴槽に浸かり、肛門の血行をよくします。

日常生活で心がけること

痔の治療法・ALTA(アルタ)療法など

  1. 排便、食習慣の改善をする
  2. 薬物療法・・・座薬や外用薬が使われます
  3. 手術・・・ALTA(アルタ)療法が2005年から行われだしました。イボ痔に直接注射をし、イボ痔を小さくする方法です。しかし、直腸側のイボ痔には注射ができますが、肛門側のイボ痔には注射できないので、従来の手術になるそうです。
  4. ゴム輪けっさつ法
  5. 手術療法
  6. PPH(Procedure for Prolapse and Hemorrhoids)

「痔瘻」は、根治のためには手術が第一選択ですが、「痔核」「裂肛」は、よほど進行しない限り、手術の必要はありません。

内痔核の進行度は、一般的に4段階に分けられ、3度を越える場合、手術を行うという世界的な指針があります。

内痔核の分類

内痔核の進行度は、一般的に4段階に分けられ、3度を越える場合、手術を行うという世界的な指針があります。

1度
痔核の脱出はない。痛みはなく、排便時に出血することが多い。
2度
排便時に脱出するが、自然に戻る。出血があり、痛みも出てくる。
3度
脱出して、指で押し込まないと戻らない。
4度
指で押し込まないと戻らない。硬くなって痛みも出血もなくなる。粘液が染みだして下着が汚れる。

痔核の急性期

血栓性外痔核
肛門周辺に血栓(血の塊)がつくられたもの。皮膚が破れて出血することがある。激しく痛む。
嵌頓痔核
痔核内に血栓が多くでき、嵌頓状態(脱出して腫れ、戻らなくなる)となったもの。激しく痛む。

痔核が悪化すると、激しい痛みを伴う「嵌頓痔核」、痔瘻を放置し続けると「痔瘻がん」を引き起こすこともあります。気になる症状があれば、早めに診察を受けましょう。

痔の症状

  1. 排便時に出血・・・大腸に他の病気がないか受診することが大切です。1000人の受診者のうち、30人に癌が見つかり、30人にポリープが見つかったそうです。
  2. 排便時に異物感がある・・・長時間歩くと出てくる、立つと出てくる、そして常時出てくるという風に進んでいきます。早期に治療をすると簡単な手術で治ります。
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更新日:2020/03/15