冷房病(クーラー病)

ここ数年、夏は猛暑続きで、昼間はもちろん夜もクーラーなしでは寝られない日が多いです。また、バスや電車、デパート、お店などでは、クーラーが異常に低い温度設定になっていることもあります。そこで、本人が自覚しないうちに身体が冷えて冷房病楽天 (クーラー病)になっていることも多いようです。

会社や病院などで寒いのをがまんしておられる方も多いと思います。冷えから頭痛を起こしたり、倒れることもあるようです。冷房病の対処法を学びたいと思います。

冷房病(クーラー病)は自律神経の乱れ

冷房病は、自律神経のバランスがくずれたことから起きるとも言われます。

室外に出れば、35度の真夏の世界に対応すべく体が夏型になります。室内でクーラーをよく効かしていれば20度の体は冬型に対応します。

体が、夏型冬型と激しい変化についていけず、自律神経の機能の乱れが出るそうです。

冷房病(クーラー病)の症状

冷房病(クーラー病)で自律神経のバランスがくずれると、肩こり、頭痛、倦怠感、風邪をひきやすいなどの症状が出ます。

自律神経の乱れを調べる

東洋医学では、問診、舌診、脈診、腹診などを行い自律神経の乱れを総合的に判断します。また、イリスコーダーという機械で瞳孔の動きを調べて、自律神経の乱れを調べます。

また、足の裏に保冷剤を置いて足を10分間冷やし、10度以下に足の温度が下がるかどうかを調べます。その後、20分後に足の温度が元の温度に戻るかどうかも調べます。この温度を調べることで、「自律神経が不安定で冷房病になりやすい」かどうかがわかるようです。

冷え症に効く5つのツボ

築賓(ちくひん) 頭痛・肩こりに効きます。5秒押してパッと放す。5回続けます。
ふくらはぎの下の辺りにあります。(内くるぶしの頂点の後ろ側と膝を曲げたときに出来るしわの内側先端の線上で、内くるぶしから数えて1/3に当たるところ)
胞膏(ほうこう) 足の冷えと腰痛改善に効きます。おしりの真ん中のくぼみの内側にあります。骨盤内の臓器の血流を増やし、下半身全体の血流を良くしむくみをとります。
三陰交(さんいんこう) 頭痛・肩こりに効きます。内くるぶしの最高部から4指の幅分上にあります。
風池(ふうち) 頭をスッキリさせます。後頭部の髪の生え際のくぼみを押します。
四白(しはく) 顔のむくみを取ります。鼻の横で、眼窩下孔のくぼみです。
肩井(けんせい) 肩こりに効きます。首の付け根と肩先の真中です。

漢方で治す冷え症

漢方では、冷え症は万病の元と、とらえられています。早めの対応が必要ということになります。

体に合った薬物療法
漢方では、証を診断する概念があります。実は体力が充実している、虚は体力低下、陽はほてりやのぼせ、陰は冷えという具合です。
生命エネルギーや精神状態の把握
気、血、水という生命エネルギーの状態を診断します。気虚は気力低下、気逆はいらいらの状態、気うつは気分の落ち込み状態です。血は、お血(血行不良)は肩こりやくまが表れ、血虚は皮膚や粘膜が乾燥します。水は涙、汗、消化液、尿などの状態で、水毒はむくみやめまい、下痢が表れます。

気血水の主な冷え症のタイプ

手足の冷えがある
お血、血虚の状態/当帰芍薬散(疲れやすい、めまい、むくみ)湯経湯(手足のほてり、月経不順)
冷えのぼせ
気逆の状態/加味逍遙散(いらいら、肩こり、めまい)/桂枝ぶくりょう丸(肩こり、頭痛、赤味のあるのぼせ)/桃核承気湯(のぼせ、いらいら、便秘)
全身が冷える
気逆、水毒の状態/人参湯(食欲不振、胃もたれ、下痢)補中益気湯(疲れやすい、気力低下、日中の眠気)真武湯(下痢、めまい)
足腰の冷え
八味地黄丸、牛車腎気丸(腎虚の状態で加齢に伴い起きます。夜間頻尿、下肢のむくみが出ます)甘草(多量にとるとカリウムが低下します)

漢方薬を飲む時の注意

漢方薬どおし飲む時にも、西洋薬と合わせて飲む時にも医師と相談して飲むことが大切です。

食前30分前が漢方薬の吸収がよいそうです。胃腸が弱い人は、食後でも良いです。

漢方薬の効果は、2~4週間で症状が改善されることが多いそうですが、2~3日で体が温まる人もいます。漢方薬は半年から1年2年飲む人もいて、保険適応されます。

冷房病(クーラー病)対策

冷房の設定温度に注意
冷房・クーラーの設定温度は、外気温より5度下が理想です。暑がりの人でも、24度~28度ぐらいが最適です。体のためにも省エネのためにも冷やしすぎは止めましょう。家庭では、扇風機との併用もお勧めです。
衣類で調節
会社などで、こまめに温度調節ができない場合は、自分の身を守るために、衣類で調節します。ベストやカーディガン、スカーフや靴下などを着用して、体の芯が冷えないようにします。冷たい風は下にいき、床下の方が冷えています。靴下やサポーターを使って冷えから守りましょう。
運動
運動をすることで、血行がよくなり冷房病が改善されます。ストレッチやウォーキング、散歩を日々の生活に意識して取り入れてください。筋肉は熱を出し、脂肪は冷えやすいです。
生活のリズム
夏場は日が長いことから、遅くまで活動しがちです。夜遅くの飲食も体によくありません。生活リズムが崩れると、自律神経も崩れてきます。規則正しい生活が、冷房病(クーラー病)の改善・予防になります。起床、3回の食事、就寝の時間をできるだけ一定にしてください。
入浴
夏場はシャワーだけで済ます人も多いようです。体を芯から温めるには、入浴が良いです。ぬるめのお湯にゆったりと浸かり、マッサージなどもおこなえば、心身共にリラックスできます。汗をかくことで、老廃物も出すことができます。
食事
夏野菜のきゅうり、トマト、なすなどは、体を冷やしますからカレーやシチューなどの加熱料理をすると良いです。夏は特に冷たい飲料やアイスクリーム、スイカなど冷やした物を食べがちです。水分の取り過ぎも冷えの元になります。しょうが、玉ねぎ、にんにく、根菜類、塩辛い加工品、豚肉などが体を温める食品です。生ものや水分摂取に気をつけてください。
就寝中
寝ている時にも冷房による冷えに注意が必要です。お腹や足元を冷やさないようにします。冷えすぎ予防のために朝方に切れるようにタイマーの活用をお勧めします。
腹式呼吸
自律神経を整えるためには、腹式呼吸が良いそうです。姿勢を正してからお腹いっぱいに空気を吸い込みます。そして、口から少しずつ空気を吐いていきますが、できるだけ長い時間吐くようにします。これを繰り返します。

連日35度を超す猛暑で今年、2010年の7月は、熱中症による死者が26日現在で81人とか新聞に書いてありました。冷房・クーラーを使わずには生活できません。冷房・クーラーの中にいる時間と外で汗をかく時間のめりはりをつけて、元気に秋を迎えたいと思います。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2020/03/15