噛む力と脳への影響

よく噛むことは、唾液の分泌を促し、消化吸収もよくなると聞きます。「ためしてガッテン」で「脳と身体を刺激せよ!やる気の源は○の裏に5分で記憶集中力UP、高齢者こそ」という題でした。

よく噛むことで、脳へ良い影響が与えられることがわかりました。

老いたロバに入れ歯で、元気復活

動物園の老いたロバが、食欲もなくなり弱っていたそうです。おかゆも残すほどだったそうです。

そこで、石上健次博士が、工夫に工夫を重ねて入れ歯楽天 金歯を作ってやりました。昭和38年のことです。入れ歯を入れて15分後に、ロバは草を食べ始めたそうです。

おかゆを残していたロバが、固形物も食べられるようになりました。腹部も締まってきて、気力が出て、草を好んでかみ切るようになりました。羊にも噛み付いたそうです。

入れ歯をいれたら、歩けた

77歳男性は、突然倒れ3ヶ月床に伏せました。75kgあった体重が55kgになりました。というのも胃ろうをつけていたからです。

口から少しずつ食べるようになったら、いろんな変化が表れました。

ぼーっとしていて、話しかけても口をきかないこともありました。ヒゲも伸びていました。介護していた娘さんも、最悪は寝たきりになるのではと不安だったそうです。

それが、今ではメールを始めたり、散歩もし、身だしなみもきちんとしています。記憶もはっきりとしています。

口から食べて、噛むことが、生きる力を呼び覚ますようです。

噛むことと脳の関係

生理学研究所の柿木りゅう介先生は、19歳男性とその祖母78歳女性で実験をしました。

ミントの香りを嗅いだ時、バシッと叩いた時、指の運動をした時、ガムを5分噛んだ時の後に、音を聞いてから、脳の反応時間を調べるというものです。

一番反応が早かったのが、両人ともにガムを5分噛んだ時の後でした。

カギは歯根膜

マウスの実験で、固形物ばかり食べていたマウスと粉末ばかり食べていたマウスとでは、粉末ばかり食べていたマウスは、脳の中の記憶を司る海馬の中の神経新生細胞数が、25%も減っていたと言います。

よく噛むことが、脳の活性化に必要ですね。

歯根膜
歯根膜は、歯と歯茎の間にあります。歯を噛むことで、歯根膜が刺激を受けて、噛んだ物の硬さや厚みなどを感じ、脳へ信号として送ります。とても、緻密なセンサーで、1000分の5mmの厚みの違いも分かるそうです。薄い紙を噛み比べるとわかります。手や唇よりも精度が高いのです。歯根膜は三叉神経に繋がり、脳へと繋がっています。歯根膜は、歯が抜けると取れてしまいます。しかし、粘膜などが、歯根膜の代わりをしてくれます。
三叉神経
その三叉神経は脳の感覚野、運動野、前頭前野、海馬(記憶)、線条体(やる気)に刺激を伝えます。噛むことは、生きるのに必要な力だとわかります。

入れ歯が大事

歯が1本でも無くなったら、入れ歯で補うことが大切です。80歳代の女性の実験で、入れ歯を抜いて歩くと、フラフラして真っ直ぐに歩くことが困難でした。握力も2割程度落ちました。入れ歯を入れないと、下顎の位置が安定しないために、他の姿勢にも影響をもたらすそうです。

虫歯があると片噛みになり、バランスが悪くなります。ちゃんと、自分に合った入れ歯を入れることで、何でもよく噛めるようになり、身体の健康を保てるようです。

どうしても入れ歯が入れられない人は、口の中を綺麗にし、口の中をマッサージすることが重要です。また、入れ歯は通常でも合わすのに3~4回の調整が必要です。根気よく通うことが大切です。

歯が抜けるほど記憶力にも影響を与え、アルツハイマー型痴呆との相関関係もあるようです。歯を大切にして自分の歯でいつまでもおいしく食べたいですね。

噛む回数を増やす

「一口30回噛むと良い」と、よく聞きます。が、なかなかできにくいです。噛む回数を自然に増やす方法として、ためしてガッテンでは、カレーライスなどを食べる時には、小さなスプーンを使って食べると効果的だと教えてくれました。

小さなスプーンと大きなスプーンとで、一皿食べる間に噛んだ回数を比べると、小さいスプーンの方が1.5倍多く噛んだことになりました。

お箸で食べる場合にも、少しずつ口に入れていくと良いことになりますね。早速試してみたいと思います。

「かみ合わせ」とアルツハイマー病との関係

岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授(予防歯科学)と江国大輔助教らのグループは、歯のかみ合わせに異常があると、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質の「アミロイドβ」が脳の海馬で増殖することを、ラットの実験で突き止めました。アメリカ神経科学誌の9月号に掲載されたそうです。

ラットの実験
ラット18匹を歯を削ったかみ合わせ異常、かみ合わせを4週間後に治療、かみ合わせの正常の3つのグループに分けました。8週間後、脳の海馬に発言したアミロイドβの量を特殊な薬品を使って測定しました。
実験結果
かみ合わせ異常のグループは、アミロイドβの量が正常群の3倍に増加していることを確認しました。かみ合わせを治療したグループは、正常グループとほぼ同じ量でした。

研究グループは、歯のかみ合わせ異常が身体にストレスを与えたり、記憶障害を引き起こすといった既存の研究成果に着目し、アルツハイマー病と噛み合わせとの関係を明らかにする狙いで実験に取り組んだそうです。

日本国内のアルツハイマー病の推定患者数は約100万人です。高齢化により患者数も増えると予測されています。かみ合わせが悪いと認知症も悪化する可能性が高いので、脳神経分野の医師らと連携し、治療や悪化予防に成果を役立てたいとしています。2011.9

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更新日:2020/03/15