膝(ひざ)の痛み

「中高年の女性が、膝が痛み膝関節の中の水を抜いた」という話をよく聞きます。

私も以前、階段の下りの時に痛んだことがあります。O脚気味なので知らず知らずのうちに膝に負担が来ているのかもしれません。膝の痛みの原因、治療法、これ以上進まないようにする対処法などを学びたいと思います。

膝(ひざ)の痛みの原因

〇けがが原因で起きる膝(ひざ)の痛み・・・靱帯損傷、骨損傷、関節軟骨損傷、半月板損傷

〇病気が原因で起きる膝(ひざ)の痛み・・・変形性膝関節症、関節リウマチ

膝(ひざ)の痛みで最も多いのが、変形性膝関節症だそうです。

そして、膝の痛みは、肥満の人(膝に過重がかかる)、O脚の人(膝の内側に過重がかかる)、女性(女性ホルモンが減ってきたら、軟骨の表面のみずみずしさを保てなくなり軟骨の老化につながる)に多いそうです。

体重と膝の痛みとの関係

体重を1kg減らすと、膝への負担が3kg減ると言われます。

太り気味の人は、標準体重に近づけるようにしてください。無理なら、1kgでも減らす努力をしてください。

変形性膝関節症の症状の進み方

下の記述のように、変形性膝関節症の症状が、段々と下の症状へと進みます。

〇膝の違和感・・・膝が重い、膝の関節がおかしいと感じる

〇膝のこわばり・・・長い時間座ると関節が固まる

〇膝の痛み・・・動き初め、起床時に痛みがある、進行すると動作中に痛む

〇膝関節に水がたまる・・・膝が腫れる(正常な関節液は、2cc~3ccだが、腫れている時には20cc~30ccもある)

〇膝関節の変形・・・膝の内側の軟骨が減り、重心が内側にずれていき、O脚が進んでいく

コアキャド(KOACAD)を使って診断

膝関節診断支援ソフト KOACADは、デジタルX線写真(レントゲン写真)から、膝関節診断をする上で必要となる骨の各測定値を自動抽出し、診断を支援するシステムだそうです。

特許申請中(2006-279562)の画像処理技術で、より信頼された評価を行う事が可能のようです。

東京大学大学院医学系研究科の岡敬之先生と(株)イノテックとの共同研究だそうです。

膝の痛み進行度チェック

1.起床時に膝がこわばる・・・初期型

2.動き初めに膝が痛む・・・初期型

3.膝に水がたまる・・・急性期型

4.階段の上り下りに膝が痛む・・・中期型

5.膝の曲げ伸ばしがしにくい・・・中期型

6.痛みにより歩くのがつらい・・・重度型

初期型の人は、生活上の対処で膝の痛みは改善可能です。

急性期型の人は必ず一度整形外科を受診してください。

中期型、重度型の人は、整形外科の治療と生活上の対処が必要です。

膝(ひざ)の痛みと進み具合

〇変形性膝関節症・・・片膝~両膝へと痛んでくる

〇関節リウマチ・・・両手・両足の痛み~両膝の痛みへ

〇骨壊死・・・片膝に激しい痛みがある

膝(ひざ)の痛みの治療法

〇生活上の注意

*運動療法は、毎日行う

*階段は慎重に上り下りする

*しゃがむ動作は避ける

*足の形に合った良い靴をはく

*良い足のアーチを保つ

*肥満を解消する

*重い荷物の時はカートを利用する

*椅子には浅めに腰掛ける

*椅子に座り、片足を膝をしっかり伸ばして上げます。この時、足首は上を向けます。大腿四頭筋を鍛えますから、この筋肉が固くなるのがわかります。交互に5回~10回行います。1ヶ月半位続けると膝の痛みが良くなったと感じられるそうです。

*寝たまま片足をあげる。もう一方の足は膝を立てた状態で行う。

*ハーフスクワット運動(腰を膝に直角まで下ろさず、半分くらいでとどめておく)

*ウォーキング(膝が痛い人は水中ウォーキングがよい)

〇温熱療法

*お風呂で十分に温まる、蒸しタオルなどで患部を温める、 温湿布楽天 を貼るなど。

*病院では、患部に赤外線やレーザーを当てて温めたりする。

〇装具

*足底板を使う(O脚の矯正)

*支柱つきサポーター(膝をまっすぐにする)

*機能的膝装具(グラグラの膝に対応、靱帯損傷時に)

〇薬

*非ステロイド性抗炎症鎮痛薬(軟骨のカケラや半月板のカケラが炎症を起こす)外用薬は、塗り薬、貼り薬があり、最も広く使われている。内服薬は、胃腸薬と合わせて飲む。(胃潰瘍、肝障害が起きることも)座薬も使われる。

*ヒアルロン酸の関節内注射(すべりをよくする、炎症を防ぐ)1週間に1回、3回~5回続ける。2~4週間に1回使うこともある。

〇手術

保存療法の約20%の人が症状がとれない人で、手術が必要となる

*関節鏡を使って手術(膝関節の中を洗う)

*高位けい骨骨切り術(O脚を矯正する)

*人工関節置換術

膝関節の手術法について

関節鏡を使っての手術(内視鏡)
生理食塩水を入れて関節をふくらませて、よく観察します。鉗子(かんし)を入れて半月板、軟骨のケバ立ちを取り、洗い流します。適応は、滑膜に炎症がある人、内臓病などがある人に行い、患者への負担が少ないが、持続効果が短いということもあります。
高位けい骨骨切り術
40歳~60歳台の人や骨が丈夫な人が適応となります。O脚で膝の内側にかかっていた力を分散するように、けい骨の上の辺りの骨をくさび形に切り取ります。12週間(3ヶ月)は、生活上の制限があります。
人工関節置換術
金属とポリエチレンでできた人工関節を自分の関節を取ってから入れます。適応は、65歳以上の人、眠れないほどの膝の痛さがある、軟骨が無くなるほどの変形がある、日常生活は歩けない、座れないという状態であることです。手術後は、120度以上の角度が曲げられるようになったとか。人工関節は、20年~25年と持つそうです。
手術後のリハビリ
膝の上げ伸ばしをし、筋肉をならしていきます。ボールを足裏でまっすぐ下に押す訓練をします。歩行訓練は、手術の翌日からます。人工関節の手術後は、3週間で日常生活ができます。骨切り術の後は、3ヶ月は生活上の制限があります。

膝の痛みQ&A

60歳代女性、膝の曲げ伸ばし時に音がするが

音だけの場合には、心配ないそうです。音に腫れと痛みが加わると、MRI検査や精密検査を受けた方が良いでしょう。

60歳代男性、農業、ヒアルロン酸を注射したが

ヒアルロン酸の注射を6回受けました。歩けますが痛みがあります。手術すべきでしょうか?

手術するなら、骨切り術になるそうです。若干X脚にするようです。

60歳代女性、膝を痛め治療中

10年前に変形性膝関節症になりました。現在膝を痛め治療中です。水泳と掃除の仕事をしていますが、痛みとの関係があるでしょうか?

膝に力がかかる掃除という仕事をしているから痛みはとれないかも。水泳は良いです。薬を使ったら良いそうです。痛みが強い時には座薬も使います。

抗炎症薬を飲み始めて1ヶ月ですが、

抗炎症薬を飲み始めて1ヶ月ですが、足がむくみ服用を中止しし、局所麻酔剤へ変更しました。副作用や膝への影響が心配です。

注射は、ヒアルロン酸が良いでしょう。飲み薬も使うと良いです。

関節鏡を使っての手術について

効果はどの位持ちますか?

半年経っても良い場合は治療効果が続きます。

何回もできますか?

膝関節の変形が少ない場合は、何回も繰り返しできます。

膝の違和感が続いています。階段の上り下りは?

1万歩あるいていますが、歩行や階段の上り下りは膝への負担が大き過ぎるでしょうか?

痛いのにがんばるのはよくないです。大腿四頭筋を訓練した方が良いです。サポーターを1日中着けると良いが、寝るときにははずしてください。また、日中も時々ゆるめると良いです。

40歳代女性、両膝の変形性関節症ですが

しゃがむと痛みがあります。ヒアルロン酸の注射と運動療法をしていますが、悪化しています。

軟骨が原因の場合は、ヒアルロン酸の注射が良いです。半月板が原因の場合は、断裂した半月板を取り除く手術が必要でするMRI検査などで、原因を調べた方がいいです。仕事、正座、スポーツでけがをした場合には、若くても変形性関節症になることがあります。

膝の水を抜いても、また貯まります。

膝の水を抜いても、また貯まります。何度も抜くのはどうでしょうか?

膝の筋肉を鍛える運動、大腿四頭筋をきたえる運動がよいです。寝てから片足を5秒間上げます。10回ずつ上げます。これを1日2回行います。ハーフスクワットを10回します。これも1日2回行います。主治医の先生に運動してもよいか聞いてみてください。

62歳、両足が中~重度の変形性関節症です。両膝とも人工関節にしても大丈夫ですか?

〇骨切り術・・・40歳~60歳・・・膝の変形が片側のみ強い・・・術後の生活はスポーツも可能

〇人工関節置換術・・・65歳以上・・・膝の変形が両側とも軟骨なし・・・術後の生活は、歩ける、座れる

人工関節置換術は、体重がすぐにかけられ、痛みがすぐにとれます。

両膝が障害しているなら、両方手術した方がよくなります。手術すると片方がまっすぐになり、片方がO脚となると歩きにくいことがあります。

膝の痛みを起こさない生活動作

膝に優しい生活とは、洋式の生活環境が良いそうです。イスは、立ち上がる時に足がイスの下に入る物を使うと、立ち上がりやすいです。(イスの下側に横板がはってあって、足がイスの下に入らない物もあります)

また、正座は膝に負担がかかります。どうしても正座の必要がある時には、座布団を二つ折りにしてお尻の下に敷くと良いようです。正座補助具なども市販されています。

バッグなどの荷物を片手で持つと、持つ側の膝に負担がかかるそうです。リュックなどにして体に均等に力がかかるようにします。

猫背の人に、正しい姿勢をしなさいと姿勢を正すと転倒するそうです。注意が必要です。

歩く
杖を使って歩きます。左足が痛い場合、右手で杖を持ちます。肘が30度になるようにします。肩が本来の位置から上がっていないか見ます。
階段の上り下り
左膝が痛い時、右足で昇り、左足を引き上げます。下りは痛い方から下ろします。いつも、上の段に良い足があるようにします。
布団での寝起き
うつぶせになり、両手をつき、右足を曲げて、くるりと回転してあお向きになります。
台所
ハイチェアーを使って料理をします。つま先が不安定な時には台を置いて足底が安定するようにします。
和式トイレ
簡易洋式便座を置きます。(1~2万円程度)
浴室
浴槽の中へ、すのこを1枚敷きます。浴槽のすぐそばへ、すのこを2段重ねて置きます。すべりやすいので、専門家に相談して安全かどうか、よく見てもらってください。
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更新日:2020/03/15