頻尿・尿もれ

「最近トイレが近い」「尿もれする」という悩みがある人が、少なくないようです。女性の3人に1人は、尿失禁の経験者、男女8人に1人は尿のトラブルを抱えていると言います。そうなると、スポーツができない、外出がおっくうになるなどの弊害が出てきます。

頻尿、尿もれ、過活動膀胱や対処法なども調べたいと思います。

頻尿とは

トイレが近い・頻尿の目安とは、毎日、日中に8回以上、また就寝後1回以上トイレに行く状態をいいます。

頻尿の人は、自分の生活習慣を見直す必要があります。

  1. 水分を摂りすぎていないか。コーヒーを1日6杯以上飲む。
  2. 揚げ物が好きで、たくさん食べている。油には利尿作用があります。
  3. トイレが自室から離れていて、不安やあせりを感じていないか。尿を我慢すると、膀胱炎から頻尿になります。慢性膀胱炎から腎臓病になる可能性もあるので、注意が必要です。
  4. 体が冷えやすい服装ではないかなどです。

高齢者には、夜中のトイレを心配して、午後から水分の制限をする人もいるそうです。1日の水分の必要量は、1リットル~1.5リットルと言われます。極端な水分制限は健康を害する危険があります。

また、夜トイレに行く回数が多い人は、死亡率が高くなるそうです。熟睡できないことと関係がありそうです。

また、尿もれパッドの売れ行きが、ここ15年で20倍に増加したようです。

77歳女性の頻尿の場合

洗い物をしているとトイレへ、冷たい水を使うとトイレへ、水仕事をすると尿意を催すそうです。40歳で出産した時から骨盤底筋の緩みが出ました。加齢で膀胱が下がると、尿意を伝えるセンサーの誤作動が起きるようです。

手術をして、骨盤底筋の緩みを直し、膀胱の位置を元に戻しました。

尿のトラブル

尿のトラブルの多くは、以下の通りです。

  1. 尿の勢いがなくなった。
  2. がまんできる時間が短い。
  3. いきむと尿もれする。

尿のトラブルの原因は、蓄尿力が少ないことがあります。

尿の蓄尿力を調べる

尿の蓄尿力を調べるには、尿を全て出し切ってから、水を1リットル飲みます。そして、30分間尿をがまんできれば、合格だそうです。

なぜ、おしっこが30分間我慢できないかというと、膀胱にあるC繊維が活性化しているからだそうです。

膀胱のC繊維が活性化

膀胱のC繊維が活性化すると、膀胱に少しの尿がたまっても尿意を感じて脳へ伝えてしまいます。膀胱のC繊維は、皮膚の温度や痛みを感じる所でもあります。

膀胱のC繊維は、血流の低下や膀胱炎、寒さや冷えを感じると活性化します。

膀胱のC繊維が活性化すると蓄尿力が衰え、過活動膀胱の状態になります。

膀胱のC繊維が活性化の原因

現代病の肥満、高血圧、メタボリック症候群などの影響が考えられます。これらの生活習慣病があると、膀胱の血流が低下し、膀胱のC繊維が活性化します。

膀胱のC繊維が活性化すると、尿のトラブルが起きて、蓄尿力が落ちます。

過活動膀胱

頻尿は、生活習慣の他に、過活動膀胱という病気の時があります。疫学調査では、40歳以上の男女の1割以上に過活動膀胱の症状があることがわかっています。日本では、約800万人が罹っているとみられています。

過活動膀胱症状質問票というのがあります。合計点数が5点以下なら軽症ですが、6点以上の場合は、過活動膀胱や他の泌尿器疾患の可能性があるので、受診をした方がよいそうです。医師の生活指導でかなり改善できるそうです。

東京大学病院、泌尿器科で排尿障害専門外来の井川靖彦さんの助言です。

過活動膀胱症状質問票
日中の排尿回数 7回以下は0点、8~14回は1点、15回以上は2点
就寝中にトイレで起きる回数 0回は0点、1回は1点、2回は2点、3回以上は3点
急に尿がしたくなり、
我慢が難しい経験
なしは0点、週1回未満は1点、週1回以上は2点、1日1回くらいは3点、1日2~4回は4点、1日5回以上は5点
急に尿がしたくなり、
我慢ができずにもらす経験
なしは0点、週1回未満は1点、週1回以上は2点、1日1回くらいは3点、1日2~4回は4点、1日5回以上は5点

過活動膀胱になると、水の音を聞いただけで尿意を感じたり、トイレまで我慢できなくなったりします。

排尿記録をつける

トイレが近い楽天 ・頻尿のために、仕事に支障をきたしたり、出かけるのがおっくうになったり、眠れなくなったりする人もいるようです。

心配しすぎると、緊張して神経が過敏になり、かえって尿意を感じることもあります。トイレのことを考えすぎないようにすることも大切です。

例えば、電車や映画館などでは、通路側に座るとか、夜中に起きても気にせず、リラックスして好きな音楽でもかけるとかです。

また、排尿記録(飲んだ水の量、排尿時間、排尿量)をつけてみると、「水分を大量に飲んでいたり、それほどトイレの回数が多くなかったり、客観的な状態が見えてきて、心配が薄れることがある」と、「興和新薬」の薬剤師・阿部晴康さんは言っています。

膀胱訓練をする

1回の排尿量が少ない時には、尿意を感じてすぐに排尿している可能性があります。膀胱が尿をためる機能が低下していることがあります。

こういう時には、膀胱訓練をすると良いそうです。

膀胱訓練
トイレに行きたくなっても15分~60分単位で排尿間隔を徐々に延ばし、膀胱容量を増やす訓練です。自宅でリラックスしている時にやってみます。この方法で、頻尿が改善したと感じる患者さんが多いそうです。医師の指導を受けて取り組んでください。

3つの筋肉を鍛える

膀胱の血量を良くするために、以下の3つの筋肉を鍛えると効果があります。

  1. 骨盤底筋・・・男女ともに尿トラブルの原因は、骨盤底筋の緩みが多いと言われます。
  2. 内股の筋肉
  3. 臀筋(お尻の筋肉)

上記3つの筋肉を鍛えるには、中腰の運動がよく、それにはフラダンスが最適だそうです。中腰になり、腰を前後、左右、そして回します。反対方行にも回します。

フラダンスを1日1分間、毎日続けますと、2~3ヶ月で効果が表れます。入浴前がより効果的だそうです。

また、骨盤底筋を鍛えるには、尿道や肛門を締める動作を行うと良いそうです。

食事の工夫で頻尿を軽減

利尿作用のある食品、摂りすぎに注意
コーヒーや緑茶、栄養ドリンクなどにも利尿作用のあるカフェインが含まれていて、注意が必要です。また、冷たい清涼飲料や果物は体の冷えにつながり尿意を感じやすいです。お酒は体が温まりますが、利尿作用があります。
ビタミンEは頻尿の改善に良い
ビタミンEは、血液循環をよくする働きがあり、腎臓の機能を助けます。ビタミンEは脂溶性なので、油を使った料理がお勧めです。しかし、バランスの良い食事が基本です。
ビタミンEの多い食品
ナッツ類、アーモンド、タラコ、ツナ缶(オイル漬け)、生ザケ、ズワイガニ、ほうれん草、子持ちカレイ、赤パプリカ、ダイコン葉などに多く含まれています。

夜だけ頻尿の人は、心臓が危ない 2013.3

ためしてガッテンで、意外なことを放送していました。夜間に頻尿がある人の中には、心臓に病気がある可能性がある、というものでした。

初耳の情報でしたし、私も夜間頻尿で熟睡できない日もあるので、ビックリでした。

高齢女性(80歳代)は、午後10時30分に就寝し、0時48分、1時48分と朝までに4回トイレに行きました。詳しく検査したら心臓が1.4倍に肥大して心不全になっていました。

夜の排尿のしくみ

夜はぐっすりと体を休ませるために、脳は尿を減らせと命令するために尿を減らすホルモンを出させます。そこで、腎臓は尿を作る量を減らします。

ところが、体を横にして休むことで、心臓に下半身の血液が多量に流れこみ、心臓は苦しくなりなんとか血液量を減らそうと、心臓が尿を作れというホルモンを出します。

夜だけ頻尿の場合には、心臓の病気がある可能性があることを知っておきたいですね。

また、睡眠時無呼吸症候群の人は、呼吸が止まることで胸腔内の圧力が低下し心臓が膨らみます。そこで、心臓内の血液量が増え尿が多くなります。

隠れ心不全の対処法

夜の排尿が2~4回の人は、隠れ心臓病かもしれません。かくれ心臓病の人は、4000万人もいると言います。

尿量で言うと、1日の総尿量の1/3以上が夜間尿であれば、夜間多尿で注意が必要です。そして、利尿ホルモンが高ければ心不全の可能性があるそうです。

受診する時には、1日の排尿日誌と、1日の尿の全量を記録したものを持って行くと診断に便利です。100円ショップで計量カップを買って尿専用の計量カップにすると良いです。

利尿剤は心不全を悪化

利尿剤は、日中のうちに尿を減らすので、心臓に負担がかかるようです。そこで、利尿剤は心不全を悪化させると言われます。

夜間頻尿を減らす方法

寝る3~4時間前までに行う、ウオーキングやスクワットに効果があると言います。また、寝た状態で、両足をあげての自転車こぎなども良いそうです。

また、夕方の5時~6時頃、寝る約4時間前にお風呂に入ると良いと言います。加齢になると足に余分な水分が溜まります。横になって寝ると、余分な水分が血液とともに心臓に流れ、尿として出すことになります。そこで、夜間頻尿が起きるのです。早めにお風呂に入ることで、足の水分を心臓に戻し、起きている間に尿として排泄することができます。

寝る前に飲む水を「宝水」と言って飲む習慣にしている人もいますが、脱水状態であれば有効ですが、尿がよく出る人は脱水状態ではないので、宝水(お休み前の一杯の水)は、必要ありません。

尿失禁・尿もれ

20歳代後半に発症したという現在50歳代後半の女性は、2人目を出産後走ったり、ジャンプすると尿もれを起こしました。20年後には、咳で尿が漏れるようになりました。そして、風邪の度に尿もれが起きて、失禁用シートを使いました。急に立ち上がった時や重い物を持つと尿漏れします。

原因は、尿道を支える、尿道の周りの骨盤底筋が切れたためでした。また、加齢や運動不足で骨盤底筋が緩むと尿漏れが起きます。この女性は、骨盤底筋の緩みをなおす手術をしました。

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Author:Tomoko Ishikawa Valid HTML5 Valid CSS

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更新日:2020/03/15