新型インフルエンザ(H1N1型)№6簡易検査の問題点

2009年8月15日、沖縄県の慢性腎不全で透析を受けていた男性(57歳)が、 新型インフルエンザ楽天 に感染し肺炎による敗血症性ショツクで亡くなりました。日本では初めての死者となります。8月9日にのどの痛み・せきの症状が出て、12日から沖縄市内の病院へ入院。渡航歴なし、感染経路は不明だそうです。タミフルを投与されたそうで、タミフル耐性ウイルスだったかどうか調べているようです。

読売新聞の新型インフルエンザの記事を中心にまとめてみました。

新型インフルエンザの簡易検査についての問題点

上記、沖縄の男性(57歳、人工透析患者)の症状の経過

9日 せき・のどの痛みがありました。

10日 発熱、透析している病院で新型インフルエンザの簡易検査を受けたが陰性

12日 透析の際、39度まで熱があがり、再検査でA型の陽性反応が出た。タミフルを投与され、沖縄の総合病院へ転院。

15日 午前1時半頃心肺停止状態に、5時半に死亡が確認されました。

神戸市の男性(77歳、糖尿病による腎不全で人工透析)の症状の経過

16日 38度の熱が出ました。

17日 市内の透析病院を受診、簡易検査でA型陰性だが、肺炎の疑いで総合病院に入院。午後の再検査でA型陽性で呼吸困難などの症状のためタミフルを投与。

18日 午前6時20分、急性気管支炎による肺気腫の悪化で死亡しました。

名古屋で3人目の死者(81歳、多発性骨髄腫と心不全の女性)

13日 39.5度の高熱で救急外来を受診し入院。

17日 簡易検査でA型陽性。

18日 遺伝子検査で新型インフルエンザの陽性が確認され、酸素吸入を行った。

19日 午前1時半頃死亡しました。病院側は、女性にウイルス性肺炎の疑いがあったため、タミフルを投与しなかったと言っています。

女性が入院していた病院では、看護師3人、入院患者2人、研修医1人の計6人にA型インフルエンザの陽性反応が出ていて感染が疑われているそうです。

テレビで言っていましたが、新型インフルエンザの簡易検査では、新型インフルエンザであっても半分しか陽性にならないそうです。初期の段階では、ウイルスの量が少ないために陰性となるようです。時間をかけて培養してはじめて新型インフルエンザを検出できる場合もあるようです。

少しでも感染の疑いがある場合は、検査の結果を待たずに直ちに処方しないと手遅れになると、元小樽市保健所長の外岡(とのおか)立人医師は、強調しています。

新型インフルエンザ、夏でも感染拡大

2009年8月16日の読売新聞によると、全国の拠点病院から報告されるインフルエンザ患者数は、7月初めまでは減少傾向だったが、7月第1週の746人を底に増え始め、7月5週は、2655人に増えたそうです。昨年に比べると40倍以上だそうです。

国立国際医療センターの工藤宏一郎・国際疾病センター長は、現在の患者数の9割程度が新型インフルエンザではないか。患者数が増えれば、重症化する人も増える。治療体制の整備を急ぐ必要があると、話しています。

9月に入ると学校が始まります。数十万~数百万のレベルでの新型インフルエンザ感染者数の拡大が起きるのではないかという憶測もあります。

相撲部屋、野球選手(日本ハム、高校野球児)など集団活動をする場所での感染が広がっているようです。

新型インフルエンザに罹ると重症化しやすい人

人工透析を受けている人
透析によって毒素とともにアミノ酸などの体の維持に必要な成分も排出してしまい、免疫力が落ちてしまいます。
糖尿病の人
血糖値が高くなると免疫機能をつかさどる白血球の働きが悪くなります。季節性インフルエンザでも健康な人に比べて1.5倍の死に至る危険性が大きいそうです。食事や薬で血糖値を管理し、免疫力を保つことが大事です。
妊婦さん
妊婦は胎児を異物と認識しないように免疫力を抑制しているので、新型インフルエンザに注意が必要だそうです。妊婦が新型インフルエンザに感染した場合は、抗ウイルス薬で積極的に治療するようにと日本産婦人科学会が5月に発表しています。

新型インフルエンザは、早期発見・早期治療が大事

何より大切なのは、早期発見・早期治療でタミフルなどの抗ウイルス薬の治療を受けることです。ウイルス性肺炎は、発熱してから4~5日目ぐらいに発症することが多いので、早期治療で助かることが多いそうです。

患者数の多いアメリカ・米国では、入院患者の平均年齢は26歳、死者も37歳と若いそうです。新型インフルエンザウイルスは肺で増殖しやすいと言われていて、比較的若い人でもウイルス性肺炎を起こすそうです。

乳幼児(5歳以下)の場合は、インフルエンザ脳症に注意が必要です。発熱してから半日程度で意識障害が起きることもあります。ワクチンを乳幼児に優先接種することも今後の検討課題だそうです。

厚労省、ワクチンは任意接種で

厚労省は、8月20日新型インフルエンザのワクチン接種について「任意接種」で実施する方針を表明しました。

任意接種は原則自己負担だが、公的補助やワクチンによる副作用の救済については、今後検討すると言っています。新型インフルエンザて゜は「死者や重症者を減らす」ことに主眼を置くために任意接種にするそうです。

新型インフルエンザの患者数・死者数

WHOが2009年8月6日現在の世界の新型インフルエンザの患者数と死者数を発表しました。170の国・地域に広がっており、患者数は約17万7000人、死者は1462人となっています。

地域 死者数
北米・中南米 1274(人)
東南アジア 83
ヨーロッパ 53
西太平洋(含む日本) 43
東地中海
アフリカ
不明?

新型インフルエンザの致死率は、米国とカナダでは、0.5%程度で、1957年~58年に世界で100万人以上が亡くなった当時の新型インフルエンザ「アジア風邪」並みだったことが、オランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員らの研究で分かりました。

日本では、沖縄県の感染者が全国平均の約20倍のようです。次が沖縄の約1割で奈良県、大阪府、東京都、長崎、長野、三重、茨城、兵庫、神奈川、千葉、滋賀、愛媛と続いています。富山県が一番少ないそうです。続いて、新潟、秋田、熊本、宮城、山形、岡山、北海道とだんだん多くなっていきます。

新型インフルエンザの集団感染、半数は学校で

アメリカのエール大学などのグループが、新型インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、学校に通う5歳~15歳の子ども達と、その親の世代30歳~39歳に最優先でワクチンを接種することが有効であるという数学モデルを使った解析で明らかにしました。米科学誌サイエンスに(21日付)発表。

新型インフルエンザの第2波への備えを

新型インフルエンザは、免疫を持つ人がいないので、季節性インフルエンザと違って、感染の速さに勢いがあります。

今、冬の時期にある南半球では患者が急増しているようです。アルゼンチンでは経済に大きな影響が出始めたそうです。ひたひたと拡大しているのは、日本だけでなく米国でも学校や映画館の閉鎖が頻発しているとか。

1918年のスペイン風邪では、第1波の後で火種がくすぶる状態が2~3ヶ月続き、第2波で大流行となったようです。日本も秋から冬を迎えるために今まで以上の警戒が必要です。

タミフルなどの抗ウイルス薬を5000万人分近く確保しているそうですが、さらなる拡充が求められています。

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更新日:2020/03/15